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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんのどうくつたんけん
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小助くんとカッパたちのおすもうたいけつ(その1)

「はっけよい! のこった、のこった!」


 カッパどうしでのおすもうを見るたびに、小助はすぐにでも土ひょうに入りたい気もちでいっぱいです。なぜなら、小助はカッパたちと同じようにおすもうをとるのが大すきだからです。


「カッパまるのかち!」


 カッパどうしのとりくみは、カッパまるがあいてを土ひょうの外へおし出してかちました。カッパたちがもり上がる中、小助はよちよちと土ひょうの中へ入りました。


「あれあれ? どうしてここにカッパでない赤ちゃんがいるの?」


 カッパのぎょうじは、はらがけをつけた人間の赤ちゃんが土ひょうの上にいることにおどろいています。そんな時、小助をつれてきたカッパがやってきました。


「しんぱいしなくても大じょうぶだよ。この子はぼくがつれてきたから」

「もしかして、あのどうくつのおくまでやってきたということか」


 カッパいけのあるどうくつのおくまでくる人間やどうぶつたちはあまりいません。そこから、カッパいけのそこまでやってきたものですから、カッパたちも思わずびっくりしています。


 そんな中にあって、小助はカッパのぎょうじにしがみついてきました。


「ぼうや、どうしたの?」

「おちゅもう(おすもう)がしたい! おちゅもうがしたい!」

「もしかして、おすもうがしたいのかな? お名前はなにかな?」

「小助! 小助! 小助!」

「小助くんか、いつもげんきいっぱいなのかな?」

「うん!」


 小助は、大すきなおすもうがしたくてたまりません。そんな小助のすがたに、カッパのぎょうじは小助におすもうをとらせることにしました。


 さいしょは、小助よりちょっと大きいちびっこカッパとのおすもうです。


「いっちょに(いっしょに)おちゅもうしよう! いっちょにおちゅもうしよう!」

「かわいい赤ちゃんであっても、おすもうだったらぜったいにまけないぞ」


 土ひょうで見合う小助とちびっこカッパに、ぎょうじがかけ声を上げました。


「はっけよい! のこった!」


 ちびっこカッパは、小助を一気におし出そうとしますがまったくビクともしません。すると、小助は小さい体でいっしょうけんめいに前へおしていきます。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」


 小助はかわいい声を上げながら、ちびっこカッパを土ひょうの外へとおし出しました。人間の赤ちゃんとは思えない力強さに、カッパたちもびっくりしています。


「うわっ! あんなに強い赤ちゃんは見たことないぞ!」


 カッパたちが声を出しておどろく中、小助はキャッキャッとうれしさをかくせないようすです。土ひょうには、小助よりも二回りも大きい子どもカッパが入ってきました。


「ちっちゃい赤ちゃんなんかにまけてたまるか!」


 子どもカッパは、強い気もちでえがおの小助を見にしながら見合っています。


「はっけよい! のこった!」


 ぎょうじのかけ声に、小助と子どもカッパは正めんからぶつかっていきました。子どもカッパは力いっぱいに小助をつかもうとします。


 しかし、小助はそこから子どもカッパを力強くおそうと声を上げています。


「うんしょ! う~んしょ! う~んしょ!」


 さいごは、小助の力強さの前に子どもカッパは土ひょうにおしたおされました。くやしさを見せる子どもカッパを前に、土ひょうの上にいる小助はピョンピョンとびはねながらよろこんでいます。

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