表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
春のきせつは楽しさいっぱい
179/343

小助くんと春のちょうちょう

 山おくの森の中では、たくさんの草花が春がくるのをまっていたかのようにつぎつぎとさいています。


 小助とワン太は、子グマたちといっしょにじめんのほうを見ています。そばには、お母さんグマが黄色くてかわいい花の名前を子どもたちに教えています。


「これは、タンポポという名前の花だよ」

「わあ~っ! タンポポだ! タンポポだ!」


 お母さんグマは、小助たちがまだ知らないことについてやさしく教えてくれます。小助は、森に生えているタンポポをさがそうといっしょうけんめいになっています。


 このようすを見て、他のどうぶつたちもタンポポのあるばしょをさがしています。森の中でタンポポを見つけるたびに、子どもたちは元気な声を上げながら大よろこびしています。


「ふふふ、いろんなことをおぼえてくれるからとてもうれしいわ」


 クマのお母さんは、自分のまわりに戻ってきた小助たちのかわいい顔つきをえがおで見つめています。そんな時、白いちょうちょうが小助たちの前を通りすぎるようにとんでいます。


「わ~い! ちょうちょう! ちょうちょう!」


 小助とワン太は、大すきなちょうちょうがとんでいるほうに向かって走っています。子グマたちも、ちょうちょうをこの目で見ようと小助たちの後をおっています。


 少しすると、ちょうちょうはタンポポの上に止まりました。小助たちは、ちょうちょうが何をしているのかワクワクしながら見ています。


「ふふふ、ちょうちょうが大すきなのかな?」

「ちょうちょう、大ちゅき(大すき)! ちょうちょう、大ちゅき!」


 小助は、タンポポに止まったちょうちょうを見ながら大はしゃぎしています。すると、お母さんグマはちょうちょうのことを教えようと子どもたちのいるところへきました。


「ちょうちょうは、タンポポだけでなくいろいろな花に止まるからよく見ておいてね」


 しばらくすると、タンポポにいるちょうちょうはつぎのばしょへ行こうとふたたびとびはじめました。小助たちは、ちょうちょうがどこへいくのかたしかめようと後をおって走り出しました。


 草花の上には、ちょうちょうが何びきもあつまって楽しそうにはねをはばたかせています。これを見た小助は、すぐにちょうちょうのまねをお母さんグマの前でしています。


「ちょうちょう! ちょうちょう!」

「ぼうや、もしかしてちょうちょうのまねをしているのかな?」

「うん!」


 小助は、ちょうちょうになり切ろうとりょう手をつかってはばたかせるまねをしています。そのようすは、やさしく見まもるお母さんグマにもつたわっています。


「ぼくたちのほうも見て!」

「ふふふ、ちょうちょうになったのかな?」

「そうだよ! ぼくたちもちょうちょうになったよ!」


 こうして、小助たちはちょうちょうのまねっこをしながらにぎやかなわらい声を森の中から空に向かってひびかせています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ