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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと雪の中のぼうけん
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小助くんとフブキちゃんの大ぼうけん(その2)

 うすぐらい空からふりつづく雪は、はげしい風とまざり合って小助たちの前をさえぎろうとしています。


 そんな中にあっても、小助とワン太はフブキのおまじないで空をとび回っています。おまじないのおかげで、小助たちは雪も風も気にすることなく森の中であそぶことができます。


「小助くん、何をしているの?」

「雪だるま! 雪だるま!」


 小助は、自分で作った雪玉をじめんにおきました。じめんには、何日もふりつづく雪がたくさんつもっています。


 フブキに雪だるまを見せようと、小助は雪玉を大きくしながらじめんをころがしています。ワン太も、小助について行こうと4本足でいっしょに走っています。


「うんしょ! うんしょ!」


 雪玉は、大きくなるにつれてずっしりとおもくなってきました。それでも、小助はおもいものをころがすことぐらいへっちゃらです。


 こうして、でっかくて大きな雪玉が小助の手によってでき上がりました。でも、雪だるまをつくるためにはもう1つの雪玉を上にのせなければなりません。


 小助は、もういちど雪玉を大きくしようとじめんの上をすすみながらころがしています。これを見たフブキは、空中からじめんにおりるとすぐに小助のところへやってきました。


「小助くん、わたしもいっしょに手つだうわ」

「フブキちゃんといっちょ(いっちょ)! フブキちゃんといっちょ!」


 フブキは、大きくなった雪玉を小助といっしょに前へおしています。そのおかげで、先にでき上がった雪玉のそばまではこぶことができました。


「うぐぐぐぐっ……。えいっ!」


 小助は、じめんにあるでっかい雪玉の上に大きな雪玉をのせています。いよいよ、雪だるまの顔を作ればでき上がりです。


「雪だるま! 雪だるま!」


 雪だるまの顔になるものをさがそうと、小助とワン太はすぐに草むらのほうへ向かいました。草むらにつもった雪の中を、小助はりょう手でいっしょうけんめいにかき出しています。


「あった! あった!」


 小助は、草むらからとり出した石をりょう手に1つずつもって雪だるまのところまでやってきました。ワン太も、自分の口に石をくわえながら小助の後ろからついて行きます。


 ここで、小助は雪だるまの手前でとび上がることにしました。フブキのおまじないのおかげで、小助とワン太は空中をうかぶことができます。


 そんな小助に、フブキは手のひらにすっぽり入る細いえだのかけらをわたそうとしています。


「小助くん、これがないと雪だるまはできないよ」


 小助は、雪だるまの目とはなに石を入れています。そして、細いえだをはなの下に入れると雪だるまのできあがりです。


「わ~い! 雪だるまできた! 雪だるまできた!」


 でき上がった雪だるまを見て、小助たちはかわいいえがおでよろこんでいます。はげしい雪や風の中であっても、ワン太やフブキといっしょにあそぼうと小助がはりきっているその時のことです。


「お、おちっこ(おしっこ)……」


 小助は、はらがけの下をおさえながら近くにある木のほうへ向かってとんでいます。空を見上げると、森に広がるたくさんの木がずっと高いところまでのびています。


 大きな木のそばへ近づくと、小助はガマンできなくなったおしっこをしはじめました。


「ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助のおしっこは、目の前にある大きな木のみきにいきおいよくめいちゅうさせています。すると、おしっこがめいちゅうしたところがしだいに黄色くこおりつくようになりました。


「こちゅけくん(小助くん)、おちっここおっているよ」

「おちっここおった! おちっここおった!」


 大きな木のみきには、じめんに向かって小助の黄色いおしっこがこおっています。これだけのおしっこをすることができたのは、ようせいのお母さんのおっぱいをいっぱいのんだおかげです。


「小助くん、おしっこするのおわったの?」

「うん!」


 フブキは、どんな時でも元気な小助のすがたにかんしんしています。さむい中でも、小助はいつもはだしではらがけ1まいでも元気いっぱいです。


 やがて、すさまじい雪や風がしだいにおさまってきました。それは、小助たちとフブキとのおわかれの時でもあります。


 そして、小助とワン太はおまじないがきえると同時にもとのすがたにもどりました。空中にういていた小助たちは、元にもどったとたんにじめんへおちてしまいました。


「小助くん、ワン太くん、大じょうぶ?」

「てへへ、おちちゃった」


 小助とワン太は、すがたがきえようになるフブキに元気いっぱいの声をかけています。


「フブキちゃん、またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」

「またくるのをまってるよ!」

「ありがとう! またふぶきになったらあそびにくるからね」


 フブキのすがたが見えなくなっても、小助たちはまた会える時がくるのを楽しみにしながら手をふっています。

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