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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと森のなかまたち
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小助くんはどうぶつたちの先生

 小助とワン太は、子グマたちといっしょに大きなたきのあるところへやってきました。秋になっても、昼間はまだまだあついので水あそびをするのにはぴったりです。


「みじゅあちょび(水あそび)! みじゅあちょび!」


 たきが見える大きな池には、小助がさっそく入っては水をパシャパシャさせています。ほかのどうぶつたちも池の中へ入ろうとしますが、まだおよぐことができないのでふかいところまで行くことはできません。


「およぎたいなあ……」


 子グマがつぶやいていると、池のおくにいた小助がどうぶつたちのいるところへもどってきました。どうぶつの子どもたちといっしょにおよびたいのは、小助にとっても同じです。


 小助は、さっそくワン太をりょう手でだき上げるとふたたびおくのほうへ足をすすめています。やがて、池の水が小助のおなかのあたりまでつかるところまでやってきました。


「いちゅもいっちょ(いつもいっしょ)! いちゅもいっちょ!」


 水にこわがらないように、小助はワン太の顔を池の中につけるれんしゅうをはじめました。ワン太は、おそるおそると自分の顔を水中につけることにしました。


「1、2、3……」


 心の中で数えているワン太ですが、すぐにいきがくるしくなって池の中から顔を上げました。それでも、小助はワン太が少しでもできるようになったことにかわいいえがおでよろこんでいます。


 ワン太につづいて、こんどは子グマたちが水中にもぐるれんしゅうをします。子グマたちは、池の中を小助といっしょにゆっくりあるいています。


「ねえねえ、どうやってもぐるの?」


 小助は、子グマたちよりもさらにおくへ行ったところから水中にもぐります。さっそく池の中にしゃがむようにもぐると、イワナやヤマネといったいろいろなお魚たちがおよいでいるのが小助の目の前に入りました。


「わあ~っ! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」


 子グマたちは、かわいい声で大はしゃぎしている小助のすがたを見るとすぐに水中へしゃがんでもぐりました。池の中には、小助が見たのと同じようなお魚が何びきもいます。


 そうはいっても、小助みたいにずっともぐることはできません。なぜなら、子グマたちはお魚を見たとたんにいきができなくなってすぐに水中から顔を出してしまうからです。


 このようすをはなれたところで見ていたお母さんグマは、池から上がった子グマたちにやさしく声をかけました。


「池の中へもぐることができたかな?」

「えへへ、もぐることはできたけど……」


 もぐることができた子グマたちですが、それはごくわずかにすぎません。それでも、お母さんグマは子グマたちが自分でできたことにうれしそうです。


 池の中にいた小助も、クマの親子のすがたを見てすぐにやってきました。小助は、自分がおよいだりもぐったりするようすをお母さんグマに見せようとしています。


「かあちゃ、こっち! こっち!」

「ぼうやは、池の中で自分でおよぐのを見せたいのかな?」

「うん!」


 お母さんグマは、子グマたちとワン太をせなかにのせて池のおくへきました。小助は、みんなに見せようと池の中をもぐったりしながら楽しそうにおよいでいます。

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