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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏のぼうけんと小助くん
162/343

山べえにだっこされる小助くんとワン太くん

「さあ、たきに入ってきれいにしようかな」


 山べえのよびかけに、小助はいきおいよくたきつぼの池にとびこみました。小助はどろんこを池の水であらいおとしながら、水中のふかいところへ向かってもぐりこんで行きました。


 ふたたび池の中から顔を出すと、たきつぼの手前で止まったままのワン太を見つけました。ワン太の体は、まだどろんこでよごれたままです。


「いちゅもいっちょ(いつもいっしょ)! いちゅもいっちょ!」


 小助は、ワン太をりょうてでだきながら池の水でよごれているところをあらっています。ワン太は、自分の体がきれいになるとたきつぼの手前にいる山べえのそばへもどりました。


 山べえは、ワン太がどうして自分の足にしがみついているのか気になっています。


「ワン太、どうしたのかな?」

「いっちょ(いっしょ)に入りたい!」


 どうやら、ワン太は山べえといっしょにたきつぼに入りたいようです。山べえは、ワン太をだきかかえて水の中へ足を入れました。


 ワン太は、まだ自分でおよぐことができません。それでも、山べえといっしょなら少しぐらい体が水につかってもへいきです。


「はっはっは、水に入るのがそんなにうれしいんだな」


 山べえは、ワン太がしっぽをピュンピュンふっているようすに思わずわらい声を上げています。そこへやってきたのは、さっきまでおよいだりもぐったりしていた小助です。


 小助は、ワン太が山べえにだかれているのがうらやましそうです。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「おっ、小助か。どうしたの?」

「だっこ! だっこ! だっこ!」

「後でだっこしてあげるから、もうちょっとまっててね」


 ワン太にとって、お父さんのようなやさしさにつつまれた山べえのことがすきになりました。山べえにとびついたり、なんども走り回ったりとワン太は楽しそうにあそんでいます。


 そうするうちに、たきつぼの池であそんでいた小助が山べえのそばへやってきました。これを見た山べえは、すぐに小助をりょう手でだきかかえることにしました。


「小助、だっこをまたせてごめんな」

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」


 小助は、山べえにだっこされながらうれしそうにわらっています。山べえも、小助のえがおをやさしい目つきで見つめています。


「つぎは、たかいたかいしようか」

「早くちよう(しよう)! 早くちよう!」


 山べえは、小助をりょう手でつかみながら自分のかおの手前までもち上げています。小助は、手足をバタバタさせながらうれしそうなえがおを見せています。


「たか~い! たか~い! たか~い!」

「キャッキャッ、キャッキャッ」


 かわいい男の子のすがたに、山べえもすっかり安心したその時のことです。


「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「わっ! わわわわわっ!」

「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」


 小助は、山べえの顔に元気いっぱいのおしっこをいきおいよくめいちゅうさせてしまいました。山べえは、いきなりのおしっここうげきにまいっているようすです。

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