表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏のぼうけんと小助くん
159/343

わんぱく小助くんとバケギョ

 ケモスケは、大すきな水あそびをしようと大きな池のある山のてっぺんへ向かっています。その後をおうように、小助はどうぶつたちといっしょについていきます。


「みじゅあちょび(水あそび)! みじゅあちょび!」


 小助は、ケモスケたちと水あそびをするのをまちきれないようすです。さか道をしばらく歩くと、山のてっぺんに広がる大きな池が見えてきました。


 先にたどりついたケモスケは、さっそく池の中へ入っておよぎはじめました。これを見た小助も、元気いっぱいに水しぶきをあげながら水中にとびこみました。


「いっちょに(いっしょに)およごう! いっちょにおよごう!」


 ケモスケは、かわいい声でよびかける小助のほうへ顔を向けました。後ろのほうからは、どうぶつのお母さんが子どもたちをせなかにのせてやってきました。


「みんな、しっかりつかまっていないとおちるわよ」


 お母さんグマは、せなかにのっている子グマとちびっこオオカミにちゅういをよびかけています。池の中へおちてしまったらたいへんなことになってしまいます。


 クマのお母さんのとなりには、ちびっこオオカミをのせたオオカミのお母さんとワン太をのせた犬のお母さんがいます。


「およごう! およごう!」

「ふふふ、ぼうやはおよぐのがすきなんだね」

「うん! 大ちゅき(大すき)! 大ちゅき!」


 小助たちは、大きな池の向こうへ目ざしてつぎつぎとおよぎ出しました。池の中では、いろんな魚がたくさんいます。このようすに、小助は水中で大よろこびしています。


「わあ~っ! おちゃかな(おさかな)! おちゃかな!」


 池の中は、小助にとって大ぼうけんするのが楽しみにしているばしょです。小助は、大きな池のいちばんふかいところまでもぐっていきます。


 しかし、池のそこにはおそろしい茶色いかいじゅうがひそんでいます。そのかいじゅうはバケギョという名前で、でっかい魚のすがたをしています。


 バケギョは、池のふかいところへやってきた小助を見つけるとすばやいうごきでおそいかかりました。でも、すばやさだったら小助もまけていません。


「バケギョ、あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」

「うるさい! おれはおめえを……」

「キャッキャッキャッ、キャッキャッキャッ」


 どんなにバケギョがおこった顔をしても、小助からすればおもしろい顔を思ってしまうようです。


「こうなったら、おめえをそのままのみこんでやるからな!」


 バケギョは、自分のおそろしさを見せつけようと大きな口をあけて小助をのみこもうとしています。しかし、小助のほうもバケギョにつかまらないように池の中をすばやいうごきでおよぎ回っています。


「バケギョ! こっち! こっち!」

「くそっ! ちょこまかにげやがって」


 小助をしぶとくおっているバケギョですが、なかなかおいつくことができません。すると、こんどは小助がバケギョのほうへもどってきました。


「あちょぼう! もっとあちょぼう!」


 このようすに、バケギョは小助をのみこもうとふたたび大きな口をあけてまちかまえています。


「わざわざおれのところにくるとはなあ、ふっはっはっは!」


 バケギョは、ひさしぶりのごちそうにありつこうともくろんでいます。けれども、そのもくろみはすぐにくずれてしまいました。


「わっ! おれのせなかでとびはねるな!」

「キャッキャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「いたい! いたい! たのむからやめて……」


 小助はバケギョのせなかにまたがると、その場でとんだりはねたりしながらあそんでいます。さすがのバケギョも、小助の元気いっぱいにはしゃぐようすにタジタジです。


「いっちょにあちょぼう! あちょぼう! あちょぼう!」

「か、かんべんしてくれよ……」


 バケギョは、小助のあまりのわんぱくぶりにあわててにげ出しました。そして、池のふかいところへ向かってさって行きました。


「またあちょぼう! またあちょぼう!」


 小助はバケギョといっぱいあそんだことを思い出しながら、ケモスケやどうぶつたちがまっている池の向かいがわへおよいで行きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ