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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏のぼうけんと小助くん
158/343

小助くんとケモスケくんはいつもいっしょ

 小助たちは、おすもうをするために広いところへ出ようと森の中をすすんでいます。しばらくして森の中から出ると、かいじゅうたちのすみかである大きなほらあなが見えてきました。


 そのほらあなから出てきたのは、ケモスケのお父さんとお母さんです。小助は、お母さんかいじゅうの前でピョンピョンとびはねています。


「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」

「もしかして、おすもうがしたいのかな?」

「うん!」


 かいじゅうのお母さんは、あいかわらず元気いっぱいの小助をやさしく見つめています。お父さんかいじゅうのほうも、こえだをつかってじめんにどひょうを書いています。


 そのようすを、小助とケモスケがじっとながめています。


「ここなら、おすもうをとっても大じょうぶだぞ」


 いよいよ、小助とケモスケのおすもうがはじまります。小助はどひょうに入ると、ケモスケと向かい合うようにかまえています。


 どひょうのまわりには、どうぶつたちがあつまってきました。ぎょうじのお母さんグマは、おたがいに見合っている小助とケモスケを前におすもうの合図をしようと声を上げました。


「はっけよい! のこった!」


 どひょうの上では、小助が大きな体つきのケモスケに向かっておしていきます。ケモスケも小助をどひょうの外へおし出そうとしますが、なかなかうまくいきません。


「うぐぐぐぐぐっ……」

「うんしょ! うんしょ!」


 小助は、ケモスケのでっかい体を力いっぱいにおしつづけています。あまりにもすさまじい小助の力に、ケモスケはどひょうから足が出ないようにひっしにふんばっています。


「ううう~ん! えいっ!」

「わっ! わわわわわわっ……」


 ケモスケは、小助の力強いすもうの前にふんばり切れずにそのまま後ろにおしたおされてしまいました。


「わ~い! わ~い!」

「あ~あ、小助くんにまけちゃった」


 おすもうにかった小助は、うれしそうなえがおを見せながら足をピョンピョンさせています。ケモスケは、そのようすを見ながら小助の力強さにすっかりまいっているようです。


 小助は、どひょうの外でおすもうを見ていたお母さんかいじゅうのそばへやってきました。ケモスケのお母さんは、小助のかわいい顔を見つめながら声をかけました。


「ぼうや、まだ小さいのに本当に強いわね」

「うん!」


 元気にへんじをした小助は、かいじゅうのお母さんにいつものおねだりをしようとかわいい声を上げました。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね」


 こうして、小助はお母さんかいじゅうのおっぱいをのみはじめました。となりでは、ケモスケも自分のお母さんのおっぱいをのみつづけています。


「ぼうやもケモスケもいっぱいのんで、強い子どもになろうね」


 ケモスケのお母さんは、おっぱいをいっぱいのんでいる小助とケモスケをやさしいえがおで見つめています。そして、かいじゅうのおっぱいをたくさんのみつづけているその時のことです。


「お、おしっこ……」


 おしっこがしたくなったケモスケは、いそぎ足で近くの木のほうへ行きました。その木のそばで、ケモスケはすぐにおしっこをしはじめました。


 一方、小助はおっぱいをのみおえるとお母さんかいじゅうにだっこのおねだりをしています。ケモスケのお母さんは、小助をやさしくかかえながら自分の顔の手前までもちあげました。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「ぼうや、だっこされるのがうれしいんだね」

「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助は、だっこされているときにお母さんかいじゅうの顔に元気いっぱいのおしっこをめいちゅうさせてしまいました。それでも、かいじゅうのお母さんはいつも明るい小助のすがたをにこやかにながめています。

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