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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
夏のぼうけんと小助くん
156/343

思わず出ちゃった小助くんのおなら

 小助たちは、大きな池をおよぎながら向かいがわのほうへすすんでいます。水中には、いろんな魚がたくさんおよいでいます。


「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」


 お魚のようにすいすいとおよぐ小助の後ろからは、子どもたちをのせてすすむどうぶつのお母さんたちが見えてきました。


「ねえねえ、まだなの?」

「そんなにあわてたら池の中へおちちゃうよ」


 お母さんグマは、子グマとちびっこオオカミをせなかにのせながら前へ向かっておよぎつづけています。そんな中でも、どうぶつの子どもたちは向こうでケモスケたちとあそぶのをまちきれません。


「ケモチュケくん(ケモスケくん)! ケモチュケくん!」


 小助は水中をおよぎながら、ケモスケとおすもうをした時のことを思い出しています。かいじゅうたちとすごした楽しい思い出は、今でもわすれることはありません。


 こうしてすすんで行くうちに、向こうがわに広がる森が小助たちの目の前に見えてきました。カエルになりきっておよいだ小助は、池の中から上がるとすぐにかけ足で森の中へ入りました。


「早くいこう! 早く早く!」

「そんなにあわてたらケガをするわよ」


 お母さんたちのしんぱいをよそに、どうぶつの子どもたちは小助においつこうと森の山道をすすんでいます。小助は、どうぶつたちがやってきたのを見ながらすすんでいます。


「みんないっちょ(いっしょ)! みんないっちょ!」


 小助たちがすすむ先には、おそろしい犬がしげみの中にひそんでいます。どうぶつの子どもたちは、こわい犬に出会わないように小助にしがみついています。


 しかし、今日はいつもとちがってどうぶつのお母さんたちが子どもたちを守ろうとあたりを見回しています。これでは、おそろしい犬が草むらからとび出しておそいかかることはできません。


 そうぶつの子どもたちは、すっかりあんしんしたようすで森の山道を小助とともに歩いています。そんな時、小助は近くの大きな木の高いところにある太いえだに向かってとび上がりました。


 小助が太いえだをりょう手でもってぶら下がると、草のしげみからおそろしい犬がとび出してきました。こわそうな目つきでかみつこうと小助におそいかかろうとまちかまえています。


「う、うわわっ!」


 このようすを目にしたどうぶつの子どもたちは、後ろのお母さんたちにしがみついてうごこうとしません。子どもたちは、おそろしい犬にかみつかれるのをこわがっています。


 お母さんグマは、高い木のえだにぶら下がる小助に大きな声でさけびました。


「ぼうや! そこから下へおりたら犬にかまれるわよ!」


 けれども、小助の耳にクマのお母さんのことばは耳に入っていません。おそろしい犬たちはいっせいにとびかかったその時、小助はそれをまっていたかのように元気な音を森の中で鳴りひびかせました。


「プウッ! プウッ! プウウウウウウッ! プウウウウウウウウ~ッ!」

「く、くさっ……」

「うっ! あまりにもくさい……」


 小助は、おそろしい犬たちに向かってでっかいおならを4回もつづけて出てしまいました。おならは、小助がいつも元気である何よりのしょうこです。


 おそろしい目つきの犬たちは、あまりにもすさまじい小助のおならにすごすごと草むらへもどって行きました。あっという間にげきたいした小助のかつやくに、どうぶつのお母さんたちはすぐに声をかけました。


「ふふふ、元気いっぱいのおならが出ちゃったね」

「おなら! おなら! でっかいおなら……。プッ! プウウウウウウウウウ~ッ」


 小助は、ふたたび元気なおならをみんなの前でしてしまいました。でっかいおならのくさいにおいがただよう中、どうぶつたちはその場で思わずはなをつまんでいます。

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