表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんのどうくつたんけん
15/343

ばけものムカデと小助くん

 小助は、かわいいおばけと火の玉にかこまれながらどうくつのおくへと歩いています。その後ろからついていくどうぶつたちは、いくつもの火の玉がうかぶようすになかなか足をすすめることができません。


「あ、あの……。すいませんけど、どうくつはどうして明るいのでしょうか……」


 サルはこわがるそぶりを見せながらも、小助といっしょにすすむかわいいおばけに近づくとその場でしつもんしました。


「はっはっは! ここはだれかが入るとしぜんとそうなるものだよ」


 かわいいおばけのすがたを見て、サルはホッとむねをなで下ろしました。今までのぎもんもかいけつしたことで、どうぶつたちは先にすすむ小助やおばけにおくれないように歩いて行きます。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「ぼうや、どうしたのかな?」

「あれ! あれ! なあに! なあに!」


 小助は、かわいいおばけにしがみつきながら何か話しかけるとそのままどうくつのおくへすすもうとします。そんなとき、おばけは目の前にあらわれたすがたにその場でうごけなくなってしまいました。


「ふふふふふ! おれさまがいるどうくつへ入るとはいいどきょうだな」

「は、はははは……」


 小助たちの先にあらわれたのは、どうくつのじめんをうごき回るばけものムカデです。ムカデのにらみつける目つきに、どうくつをすすんでいたどうぶつたちは後ろへ下がるばかりです。


「も、もうやめようよ……」

「こ、こわい……。あんなにでかいムカデがいるなんて……」


 見たこともないこわい生きものに、おばけもどうぶつたちもあまりのおそろしさに体がふるえています。そんな時、小助はばけものムカデが近づくのを見てすかさずとびこそうとします。


「そうやってにげようとも、おれさまはえものをにがしはしないぜ!」


 ばけものムカデは、自分よりも先にどうくつのおくへすすもうとする小助に後ろからおそいかかろうとします。そのうごきに、小助はふたたびとび上がりました。


「ちっ! ちょこまかちょこまかにげやがって!」


 ムカデは、小助へのこうげきをなかなかくわえることができずにいら立っています。すると、小助はどうくつの上にあるつらら石をつかむとばけものムカデに向かってげんきな音が出てしまいました。


「プウッ! プウッ! プププウウウウウウウウウウウウ~ッ!」

「グエエエエッ……。いきなりおならをしやがって……」


 小助のでっかいおならを食らったムカデは、あまりのくさいにおいにみうごきがとれません。そんなムカデのようすを知らない小助は、つらら石をにぎったままでおしっこをガマンしようとひっしになっています。


 そんな時、小助はガマンできなくなったおしっこをばけものムカデにめいちゅうさせています。お母さんグマやお母さんオオカミのおっぱいをいっぱいのんだおかげで、小助はげんきいっぱいのおしっこをムカデに向かって出しつづけています。


「グ、グエエエエ……。お、おぼえてろよ……」


 ばけものムカデは、小助のおならとおしっこによるこうげきにあわててどうくつのおくへとにげていきました。小助はつらら石から手をはなしてそのままちゃくちすると、かわいいおばけやどうぶつたちがそばへやってきました。


「げんきなおならとおしっこでおそろしいムカデをやっつけるとは、小助はまだ赤ちゃんなのにすごいことをしてくれるなあ」

「でへへ、ちっこ出ちゃった(おしっこ出ちゃった)」


 小助のてれわらいに、ほかのみんなもえがおでわらい声を上げています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ