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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
山おくのにぎやかな春
147/343

みんなでどろんこだらけになったよ

 森から出てきた小助は、どうぶつたちといっしょにあそぼうと田んぼに向かって走っています。小助の後ろには、ワン太や子グマ、ちびっこオオカミがつぎつぎとやってきます。


「どろんこ! どろんこ!」


 家の近くにある田んぼを見つけると、小助はすぐさまその中へいきおいよくとびこみました。ほかのどうぶつたちも、小助の後をおうように田んぼの中へ入っていきました。


 小助たちは、みるみるうちにどろんこだらけになって大よろこびです。そのようすを、お母さんたちは田んぼの手前から見まもっています。


「ふふふ、早くもどろんこまみれになってあそんでいるね」


 田んぼでは、小助が子グマたちとおすもうあそびをしています。


 2ひきの子グマたちは、なんとかしておすもうにかちたいと小助に向かっていきます。しかし、どんなにおしても小助はまったくビクともしません。


「うんしょ! うんしょ!」

「わっ! わわわっ!」


 小助の力強いおしずもうに、子グマたちはどろまみれの田んぼに思わずしりもちをついてしまいました。


「あ~あ、まけちゃった」

「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」


 あまりにも強すぎる小助のすがたに、ほかのどうぶつたちはみんなでおすもうをとることにしました。小助の前には、子グマやちびっこオオカミ、それにワン太とどうぶつの子どもたちがあつまってきました。


「はっけよい! のこった!」


 向こうにいるお母さんグマのかけ声で、小助とどうぶつたちのおすもうがはじまりました。どうぶつの子どもたちは、いっせいに小助をおしたおそうと向かっていきます。


「うんしょ! うんしょ!」

「よいしょ! よいしょ!」


 どろんこでぬかるみになっている中、小助はどうぶつたちを力いっぱいに前へおそうとしています。そんな時、ワン太がいきなり小助の顔にとびつきました。


「ペロペロペロッ、ペロペロペロペロッ」

「ワン太くん、くすぐったいって……。わっ!」


 小助は、ワン太に気をとられてそのままぬかるみに足をすべらせてしまいました。そのまましりもちをついた小助を見て、ほかのどうぶつたちはおすもうにかったことを大よろこびしています。


「わ~い! おすもうにかったぞ!」

「てへへ、おちりちゅいちゃった(おしりついちゃった)」


 まけてしまった小助ですが、それにめげることなくいつもと同じようにかわいいえがおを見せています。


 こうして、田んぼでいっぱいあそんだ小助たちはみんなどろんこだらけになりました。お母さんたちは、どろんこまみれでえがおいっぱいの子どもたちのすがたをやさしく見つめています。


「あらあら、どろんこだらけになっちゃったね」

「どろんこ! どろんこ!」


 小助たちは、どろんこでよごれた体をあらおうと近くにあるすこし大きな池のほうへかけ出しました。池が見えると、小助はどうぶつたちより前に出るとそのまま池の中へドボンと入りました。


 みるみるうちによごれがおちると、小助は池の中にいるのが楽しくてたまりません。どうぶつの子どもたちも、小助にだかれながら池の水でどろんこをおとしてきれいにしています。


 あそびおわった子どもたちは、さいごにお母さんの前でいつものおねだりをしようと元気な声を上げました。


「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね」


 小助はお母さんにだっこされると、おっぱいをたくさんのみつづけています。となりのほうでは、ワン太が犬のお母さんのおっぱいをのんでいるところです。


 もちろん、子グマたちもちびっこオオカミも、それぞれお母さんグマやお母さんオオカミのおっぱいをのんでいます。


「いっぱいのんで、元気にそだつといいね」


 お母さんは、おっぱいをのむ時の小助のかわいい顔つきを見ながらほほえんでいます。

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