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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
山おくのにぎやかな春
145/343

小助くんとワン太くんはいつもいっしょ(その1)

 小助は、ワン太やお母さん犬といっしょに草むらの中をすすんでいます。まわりには、森に広がるいろんな木がたくさんあります。


 そのとちゅうで、小助はじめんからかわいらしく生えているものをじっと見ています。


「ねえねえ、あれなあに?」

「小助くん、これはつくしというものだよ」

「わあ~っ! ちゅくし(つくし)! ちゅくし!」


 森の中は、小助にとって楽しく学ぶことができるばしょです。そんな小助に、犬のお母さんはいろんなことを教えています。


「ちょうちょ! ちょうちょ!」


 小助は、草むらをとんでいるちょうちょを見るとすぐにおいかけようと走り回っています。ワン太も、小助の後をついていこうとしっぽをふりながらかけ出しました。


 ちょうちょの後をおって草木をかき分けると、その先には魚の見えるほどのきれいな川があります。


「おちゃかな(お魚)! おちゃかな(お魚)!」


 小助は、川の中をおよいでいる魚を見ながら大はしゃぎしています。でも、小助が向かうばしょはここではありません。


 川にそって走り出した小助は、岩だらけの道を通ることぐらいへっちゃらです。しかし、道のとちゅうには大きな岩やいくつものたおれた木がさえぎっています。


「うんしょ! うんしょ……」


 小助はでっかい岩をのりこえようとしていると、後ろからワン太とお母さん犬がすぐそばまでやってきました。


「ワン太くん、いっちょに(いっしょに)行こう! いっちょに行こう!」


 ワン太は、まだ小さい子犬なので自分で大きな岩をとびこえることはできません。これを見た小助は、ワン太を左手でかかえながら右手だけで岩のてっぺんにとびつきました。


「うんしょ! う~んしょ!」


 でっかい岩をのりこえた小助たちは、その岩をすでにとびこえたお母さん犬といっしょに前へすすんでいきます。すると、小助がいつも大ぼうけんをくりひろげる大きなたきが目の前に見えてきました。


「こちゅけくん(小助くん)、いちゅもいっちょ(いつもいっしょ)だよ」

「わっ! ワン太くん、くちゅぐったいよ(くすぐったいよ)」


 小助は、ワン太から自分の顔をペロペロとなめられながらもかわいいわらい声を上げています。犬のお母さんも、小助とワン太が友だちのようになかよしであるようすをやさし目つきで見つめています。


 たきのながれる音が耳に入る中、小助はワン太をじめんに下ろすとすぐに大きな池の中へ入りました。犬の親子も池の入り口までやってきましたが、小助のようにふかいところまでもぐることはできません。


 そんな時、小助はワン太たちを楽しませようと水をパシャパシャしはじめました。水を掛けられたワン太は、その場で大はしゃぎしながら小助にとびつきました。


「ペロペロペロッ、ペロペロペロペロッ」

「てへへ、ワン太くんにペロペロなめられちゃった」


 小助とワン太は、新しい友だちとしてすっかりなかよくなりました。ワン太は、大すきな小助にだかれながらしっぽをうれしそうにふっています。

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