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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
山おくのにぎやかな春
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森の中はどうぶつたちでにぎやか

 小助とワン太は、雪がほとんどとけた森の中をおくに向かって元気にはしっています。きせつが春になると、小助の大すきなどうぶつたちがつぎつぎと森に出てきます。


 森の中をすすむと、お母さんグマと子グマたちがいっしょにいるすがたが小助の目に入りました。


「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」


 小助は、さっそく子グマたちとじゃれ合いながらあそびはじめました。子グマたちも、ひさしぶりに顔を合わせる小助と楽しそうにあそんでいます。


「ゴロゴロゴロゴロ、ゴロゴロゴロゴロロッ」


 子どもたちは、みんなでじめんの上でごろごろころがっています。ワン太も、小助たちといっしょにあそぼうとなかまに入りました。


「わあ~っ! ごろごろするのって楽しいね」

「ゴロゴロッ、ゴロゴロッ、たのちいな(楽しいな)!」


 小助も子グマも、じめんをころがるたびにかわいい声を上げながらわらっています。このようすに、お母さんグマはやさしい顔つきで見つめています。


「ぼうやと会うのはひさしぶりだから、いっしょにあそぶのがよほどうれしそうだね」


 そんな時、オオカミたちのむれが草むらから出てきました。むれの中には、お父さんやお母さんとともにちびっこオオカミのすがたが見えます。


「ねえねえ、あちょぼう! あちょぼう!」


 こうして、森の中では小助たちが子グマやちびっこオオカミといっしょにあそぶようになりました。どうぶつたちの大はしゃぎで、森の中はにぎやかになってきました。


「うんしょ! うんしょ!」

「う、うわわっ!」


 小助は、どうぶつの子どもたちとおすもうごっこをしています。子グマたちは2ひきがかりで向かっていきましたが、小助のものすごい力強さに思わずしりもちをついてしまいました。


「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」

「あ~あ、またまけちゃった」


 おすもうにかってもまけても、森のなかまたちはいつもえがおでいっぱいです。そんな子どもたちは、あそぶのをいったんやめてクマやオオカミのお母さんのそばへやってきました。


 小助たちは、お母さんたちにいつものおねだりをしようと元気な声を上げました。


「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、みんなしょうがないわね」


 お母さんグマは、小助と子グマたちにおっぱいをあたえることにしました。おっぱいをのんでいるかわいい子どもたちのようすに、クマのお母さんはやさしい顔つきで見つめています。


 同じように、ちびっこオオカミのほうもお母さんオオカミのおっぱいをみんなでのんでいます。ワン太も、お母さんオオカミにあまえようとそばへやってきました。


「どうしたのかな?」

「おっぱい!」

「じゃあ、こっちへおいで」


 オオカミのお母さんは、ワン太に自分の子どもたちといっしょにおっぱいをのませています。やさしいお母さんオオカミのあたたかさにつつまれながら、ワン太はおっぱいをのみつづけています。


 すぐ後ろでは、おっぱいをのみおえた小助と子グマたちがお母さんグマからはなれようとはしません。すると、小助がはらがけの下をおさえながらもじもじしています。


「だっこ! だっこ!」

「ぼうや、どうしたの?」

「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」


 お母さんグマは、小助を前向きにだっこすると近くにある大きな木のそばへきました。ここへやってきたのは、小助がおしっこをするためです。


「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「おちっこ出た! おちっこ出た!」


 小助は、大きな木にめいちゅうさせるようにいきおいよくおしっこをしています。小助のおしっこが元気いっぱいなのは、お母さんグマのおっぱいをたくさんのんだおかげです。


「ぼうや、いっぱい出たね」

「うん!」


 お母さんグマが何よりもうれしいのは、小助がいつも元気でかわいいえがおでいることです。子どもたちのわらい声は、森の中から青い空に向かってひびきわたっています。

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