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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
雪の中でも元気な小助くんとワン太くん
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山のてっぺんのこおった池でお魚をつったよ!

 ケモスケは、お父さんといっしょに大きな池がある山のてっぺんへ向かおうとしています。これを見た小助は、いっしょについていきたいとケモスケの足にしがみつきました。


「ねえねえ! どこ行くの? どこ行くの?」

「山のてっぺんにある大きな池へお魚を取りにいくんだ」


 お父さんかいじゅうのことばに、小助は大きな池へ行くのがますます楽しみになりました。


「いっちょ(いっしょ)に行きたい! いっちょに行きたい!」

「それなら、ぼうやもいっしょにつれて行くとするかな」

「わ~い! わ~い!」


 こうして、小助はかいじゅうたちの後ろについていきながら山のてっぺんへ足をすすめています。子犬のワン太も、雪道を歩いている小助たちをおってかけ足で走って行きます。


「ドシンドシン! ドシンドシン!」


 かいじゅうたちは、足をすすめるたびに大きな足音がひびきわたります。これを見た小助も、雪の上を足でふみしめながらかいじゅうのまねごとをしています。


「ドシンドシンドシン! ドシンドシンドシン!」

「おっ! ぼうや、どうしたの?」

「ねえねえ! こっち見て! こっち見て!」


 お父さんかいじゅうがふり向くと、もういちど雪道でドシンドシンと大きな声を出しながらふみつづけています。かわいい小助の元気なすがたに、かいじゅうのお父さんもやさしい目つきで見つめています。


 山のてっぺんへたどりつくと、うすぐらい空からふたたび雪がふり出してきました。大きな池のほうを見ると、こおりにおおわれた上に雪がつもっています。


「わあ~っ! 雪だ! 雪だ!」


 大はしゃぎの小助とワン太は、かけ足でこおった池の中へ入りました。雪がつもっているとあって、小助はこおりの上で足を取られてしりもちをついてしまいました。


「やれやれ、こおりの上はすべりやすいから気をつけないといけないのに」

「てへへ」


 かいじゅうのお父さんの声に、小助は顔を赤らめながらてれわらいをしています。


 こおりついた大きな池をよく見ると、いくつかまるいあながあいています。小助は、そのあながどうしてあいているのか気になっています。


「ねえねえ、どうちて(どうして)ここにあながあるの?」

「はっはっは! これをつかってお魚をつり上げるためにあるんだよ」


 お父さんかいじゅうは、木のほそいえだに糸みたいなものをくくりつけるとすぐにあなのあいた池に入れました。これを見た小助は、お魚がつり上がるのをまちきれないようすです。


「ねえねえ、おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」

「そんなにあわてなくても大じょうぶだよ」


 すると、池の中から小さい魚がつり上がりました。この後も、かいじゅうのお父さんはイワナやヤマメといった魚をつぎつぎとつり上げています。


「おっとう! ぼくにもやらせてよ!」

「ケモスケ、うまくつれるかな?」


 ケモスケは、お父さんみたいにお魚をつり上げようと池の中に糸を入れました。しばらくその場でまっていますが、なかなかお魚をつることができません。


 そんな中でも、お父さんかいじゅうはケモスケのようすをじっと見まもっています。


「おっとう、ぼくも魚がつれたからこっちを見て!」

「ケモスケも自分でつれるようになったなあ」


 ケモスケは、自分がつり上げたイワナをかいじゅうのお父さんに見せています。このようすを見ていた小助も、自分の手でお魚を早くつりたがっています。


「おちゃかなちゅりたい(お魚つりたい)! おちゃかなちゅりたい!」

「小助くん、これをもってつり上げてね」


 小助は、木のほそいえだにつり下げた糸を池の中に入れてすこしまつことにしました。すると、大きなアマゴが糸に食いついてきました。


「う、う~んっ! えいっ!」


 池からつり上げたのは、かいじゅうたちがつり上げたのとくらべて一回りも大きい魚です。大きな魚をつった小助は、うれしそうな顔つきでよろこんでいます!


「わ~い! おっきな(大きな)おちゃかな! おっきなおちゃかな!」


 こうして、たくさんつり上げた魚はみんなでばんごはんとして食べることにしました。小助とケモスケは、お母さんかいじゅうにじまんしたいと今から楽しみにしています。

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