表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
雪の中でも元気な小助くんとワン太くん
137/343

小助くんとケモスケくんの雪の中でおすもう

 小助はお母さんかいじゅうのおっぱいをのみおえると、近くにある大きな木のそばへやってきました。まわりには、白くつもった雪におおわれたけしきが広がっています。


「えいっ! えいっ! えいっ!」


 大きな木に向かって、小助は声を出しながらりょう手でなんどもおしています。ケモスケは、そのようすをじっと見ながら小助に話しかけています。


「小助くん、何をしているの?」

「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう! おちゅもう!」


 小助は、たくさんつもった雪の中でも大すきなおすもうのけいこを行っています。ケモスケは、小助がはらがけ1まいでけいこをつづけるすがたをこの目で見ています。


「ぼくといっしょにおすもうしようよ」

「おちゅもう、いっちょにちよう(いっしょにしよう)! いっちょにちよう!」


 雪の中でおすもうがしたいというケモスケの声に、小助はうれしそうにとび上がっています。


 じめんに雪がたくさんつもっているので、いつものように土ひょうを作ることはできません。そんな中にあっても、小助とケモスケはおすもうをとるためにしゃがむと雪の上で目を合わせながら向かいあっています。


 かいじゅうのお父さんもお母さんも、子どもたちのおすもうを楽しみにしています。2ひきの足元には、ワン太が雪の上で小助たちのようすをじっと見つめています。


「どんなおすもうをしてくれるかな?」

「どっちもがんばってね」


 小助とケモスケはかいじゅうたちのおうえんをうけると、おたがいにぶつかり合いながらおすもうを取りはじめました。大きな体つきのケモスケをあいてに、小助は小さな体でいっしょうけんめいおしつづけています。


「うぐぐぐっ、うぐぐぐぐぐっ!」

「ぼ、ぼくだってまけないぞ!」


 ケモスケは、小助のすさまじい力強さにおされて後ろのほうへすこしずつ下がっていきます。それでも、ケモスケはかいじゅうとしての体つきをうまく行かして小助をおしかえそうとします。


「まけるものか!」


 しかし、小助はケモスケの体をつかむと一気に後ろのほうへおしたおそうとします。


「うんしょ! うんしょ! うんしょ! う~んしょ!」

「わっ! わわわわわっ!」


 あまりにも強い小助のすさまじさに、ケモスケはそのいきおいにまけて後ろへたおれてしまいました。つもった雪の上にたおれたケモスケの目に入ってきたのは、小さい人間の子どもがさしのべる手です。


「あ~あ、小助くんにまけちゃったよ」

「ケモチュケ(ケモスケ)くん! いつもいっちょ(いっしょ)! いつもいっちょ!」


 おすもうにかってもまけても、小助とケモスケはいつもなかよしの友だちです。子犬のワン太もくわわって、子どもたちは雪の中でキャッキャッとじゃれ合いながらあそんでいます。


「みんな、楽しそうにあそんでいるね」


 小助たちは、うれしそうなえがおを見せながら雪の上で元気な声を上げています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ