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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんのどうくつたんけん
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コウモリたちとのたたかい

 どうくつへ入った小助たちですが、少し歩くとすぐにくらやみの中です。小助がどんなにまわりを見ても、どうぶつたちはぜんぜん見えません。


「ねえねえ! 見えないよ」

「こんなにくらいと前にすすめないよ」

「母ちゃん! うええええええええ~んっ!」


 どうぶつたちは、くらいどうくつで立ち止まったままでこまっています。そんな時、今までなにも見えなかったどうくつの中がほのかに明るくなりました。


「あれっ? さっきまでくらくて見えなかったのに」


 明るくなったどうくつに、どうぶつたちはとまどっています。小助もどうぶつたちも、まだ火をつかうことができません。


 すると、だれかの声がどうくつのおくから聞こえてきました。その声のぬしがだれなのかは、どうぶつたちも分かりません。


 小助は、どうぶつたちよりも先にどうくつのおくへ足をすすめることにしました。


「小助! この先にはなにかいるかもしれないぞ」


 サルは、こわいもの知らずの小助を止めようとします。しかし、その声が小助の耳に入ることはありません。


 しんぱいになったどうぶつたちは、どうくつの中をすすむ小助の後をついていきます。すると、おくのほうから大きい羽を広げたなぞの生きものがおそってきました。


「う、うええええ~んっ!」「うわあっ!」


 どうぶつたちがおびえる中、見なれない黒い生きものはぶきみなわらい声を上げています。


「ふひひひひ! おれたちコウモリのすみかに入るとはいいどきょうだぜ」

「なわばりに入ったからには、このきばでかみついてやるからな」


 どうぶつたちは、赤い目でするどくにらみつけるコウモリたちからにげようとどうくつの出入り口へもどろうとします。しかし、小助はその場で立ったままでコウモリのうごきをずっと見ています。


 そんな小助に、サルは大きな声でさけんでいます。


「小助! 早くにげろ!」


 なんどもさけび声を上げるサルですが、小助はあいかわらずコウモリにかこまれたどうくつのおくにいます。そんな小助を、コウモリたちは見のがすはずがありません。


「ここにいるチビめ、おれたちのことにまだ気づいていないようだぜ」

「ここで一気におそいかかるとするかな、ふひひひひ!」


 コウモリたちが羽の音をならしながら、小助に向かってとびかかってきたその時のことです。


「プウッ! プププウウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」

「うっ! こんなどうくつでおならを……」

「く、くさい……」

「こんなところにいたら……。に、にげるぞ……」


 小助はどうくつの中でしゃがみながら、げんきいっぱいのでっかいおならが出てしまいました。あまりのくさいおならに、コウモリたちはすぐさまどうくつのおくへにげていきました。


「お~い! こんなところにいたら……。あれあれっ?」

「あっ、もしかして……」


 どうぶつたちは、小助がしんぱいになってどうくつのおくへきました。すると、小助のまわりからなにやらにおいらしきものがただよってきました。


 小助は、おしりを手でかくすようなしぐさでえがおを見せています。


「え、えへへ……。うん出た!」


 小助のことばを聞いてどうぶつたちが下のほうを見ると、そこには出たばかりの大きなうんこがあります。


「そうか! ついに自分でうんこが出たと言えるようになったか」

「うん出た! うん出た!」

「そういえば、さっきのでっかいおならも小助だったな。あれだけのおならだと、さすがのコウモリたちもにげてしまったな」


 サルは、小助のかつやくぶりに思わずうなずいています。小助がいなかったら、ここであきらめてしまったかもしれません。


「ねえねえ! 早く行こう! 早く行こう!」

「しょうがないなあ。それなら、小助が行けるところまで行くとするか」


 小助の声にみちびかれるように、どうぶつたちもふたたびどうくつのおくへ向かってすすみます。

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