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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋も楽しさいっぱいの小助くん
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夕やけ空の赤とんぼ

 森の中であそんでいた小助は、夕方になったのでお母さんのまっている家へ向かってかけ出しました。新しい友だちになったワン太も、小助の後ろについて行くように4本足で走っています。


「こちゅけ(小助)くんのかあちゃ、やちゃちい(やさしい)?」

「かあちゃ、やちゃちい! やちゃちい!」


 ワン太は、小助のお母さんがどんな人なのか今から楽しみにしています。そんな時、小助は草花がたくさんしげっているところで立ち止まりました。


「わ~い! 赤とんぼ! 赤とんぼ!」


 小助は、花の上に止まっている赤とんぼをじっと見つめています。その赤とんぼは、草むらのまわりに何びきも止まっています。


「赤とんぼ! 赤とんぼ!」


 草むらにいる赤とんぼをとろうとする小助ですが、それに気づいた赤とんぼはほかのところへとんで行きました。


「わあ~っ! まって! まって!」


 小助は、赤とんぼがとんでいる森の中へ向かっておいかけています。ワン太も、小助のようすを見ようと後ろからついていきます。


 しかし、小助がいくらとろうとしても赤とんぼをつかまえることはできません。赤とんぼは、夕やけ空に向かってつぎつぎととんでいます。


「ねえねえ、あれが赤とんぼ?」

「うん! 赤とんぼ! 赤とんぼ!」


 小助は、ワン太に赤とんぼのことをおしえています。ワン太も、夕やけの空をとんでいる赤とんぼをながめています。


 そうするうちに、小助たちはお母さんがいる家の前へもどってきました。お母さんは、小助のそばにいるワン太をやさしい目つきで見つめています。


「かわいい子犬だね。お母さんは?」

「どこにいるのかわからない……。そんなぼくをたちゅけた(たすけた)こちゅけくんが名前をちゅけて(つけて)くれたの」


 ワン太は少しなみだを見せながらも、今までのことを小助のお母さんに話しています。


「ふふふ、小助くんに新しい友だちができたね。どんな名前をつけたかな?」

「ワン太くん! ワン太くん!」

「ワン太くんなら、元気な子犬にぴったりの名前だね」


 お母さんは、すっかりなかよくなった小助とワン太のすがたをえがおをうかべながら見ています。そんな時、小助の頭に赤とんぼが止まりました。


「ふふふ、赤とんぼも小助くんのことが大すきみたいだね」

「あ~っ! まって! まって!」


 小助は、自分の頭からはなれた赤とんぼをおいかけようとかけ出しました。ワン太も、小助の後ろへいっしょについて行きます。夕やけ空の中、小助とワン太は赤とんぼにすっかりむちゅうになっています。

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