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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋も楽しさいっぱいの小助くん
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みんなでかくれんぼ

 いつものように、森の中では小助がどうぶつたちといっしょにあそんでいます。小助と子グマたちがおすもうごっこをしていると、キツネとタヌキが森のおくからいそぎ足でやってきました。


「みんなでかくれんぼしようよ!」


 いつになくはりきるキツネの声に、小助たちはすぐにそばへよってきました。みんながあつまったのを見て、キツネはふたたび口をひらいてしゃべっています。


「これからじゃんけんをするぞ! じゃんけんでまけたらおにだからな」


 キツネの声に合わせて、みんなでじゃんけんをすることにしました。どうぶつたちは、じゃんけんにまけておにになるのがいやです。


「みんなでみんなでじゃんけんぽん! あいこでしょ!」

「てへへ、まけちゃった」


 じゃんけんでまけてしまった小助は、おにになって大きな木のほうへ顔を向けることにしました。どうぶつたちは、その間に見つからないところへかくれようと森の中をかけ出しました。


「もういいかい」

「まあだだよ」


 かくれんぼがはじまるのは、どうぶつたちがすべてかくれてからです。もちろん、小助はどうぶつたちがどこにいるのかまったく分かりません。


「もういいかい」

「もういいよ」


 小助が森の中を見回すと、さっきまでいたはずのどうぶつたちはどこにも見当たりません。そんな時、近くの草むらでガサガサとする音がすることに小助は気づきました。


「みっけ! みっけ!」

「わあっ! 見つかっちゃった」


 草むらの中にかくれていたのは、3びきのちびっこオオカミです。ざんねんながら、オオカミの子どもたちはすぐに見つかってしまいました。


 小助は、ちびっこオオカミといっしょにほかのどうぶつたちをさがしています。森の中の道を歩いているとちゅうで、小助は草むらの向こうにある大きな木に何かいることに気づきました。


「わ~い! しっぽ! しっぽ!」


 草むらの中をかき分けると、どうぶつのしっぽが出ている大きな木へ近づきました。小助は、そのしっぽをもつどうぶつのことをよく知っています。


「わあ~っ! みっけ! みっけ!」

「あ~あ、おにに見つかっちゃった」


 ちびっこオオカミにつづいて、2ひきの子グマもおにの小助くんに見つかりました。いよいよ、のこりはキツネとタヌキだけになりました。


 そんなキツネとタヌキは、小助をおどろかせようとあるすがたにばけています。


「へへへ、これを見たらびっくりするぜ」


 ぶきみなわらい声をあげているのは、ゆうれいにばけたキツネです。その近くには大きな石がありますが、これもタヌキがばけたものです。


「これなら、だれにもぼくがばけたって分からないぞ」


 そのころ、小助はきゅうにはらがけをおさえながら走り出しました。どうやら、おしっこがガマンできなくなってしまったようです。


「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」


 小助の目に入ってきたのは、森の中でよく目立つ大きな石です。いそぎ足でそのばしょへかけよると、小助は大きな石に向かっておしっこをしはじめました。


「ジョパジョパジョジョジョジョ~ッ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 いつも元気いっぱいのおしっこを出しつづけていると、大きな石がけむりにつつまれました。そこにあらわれたのは、おしっこをかけられてびしょぬれのタヌキです。


「もう~っ! おしっこしないでよ」

「てへへ、ごめんね」


 これで、小助につかまっていないのはキツネただ1ぴきとなりました。そのキツネは、かくれんぼをしているのをわすれて、自分がばけているゆうれいのすがたで小助をびっくりさせようとします。


 森のおくへと歩いている小助を草むらからのぞき見ると、ゆうれいはしげみからとび出しました。


 ゆうれいは、小助の後ろから声を出さずにそっと近づこうとします。そんな時、小助はあの音を元気いっぱいに鳴りひびかせました。


「ブウッ! ブウッ! ブウウウウウウウウウウウ~ッ!」

「うわっ! く、くさっ……」


 小助によるいきなりのおならこうげきに、白いけむりにつつまれたゆうれいはキツネのすがたにもどりました。


「わ~い! みっけ! みっけ! みっけ!」

「いきなりおならしやがって……」


 キツネは、あまりにもくさい小助のおならにじめんの上でたおれてしまいました。これを見た小助は、どうぶつたちをみんな見つけたのでピョンピョンとびはねながらよろこんでいます。

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