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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
秋も楽しさいっぱいの小助くん
125/343

おっぱいのんだら元気なおしっこで火けし

 森の中では、小助と子グマがお母さんグマの前でいつものおねだりをしています。


「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね。みんな、こっちへおいで」


 小助たちは、クマのお母さんのおっぱいをいっせいにのみはじめました。人間とクマのかわいい男の子たちのすがたに、お母さんグマはやさしい目つきで見つめています。


「いっぱいのんでいるみたいだけど、おしっこは大じょうぶかしら」


 お母さんグマがしんぱいしているのは、子どもたちのおしっこです。なぜなら、小助たちはいつもおっぱいをたくさんのんでいるからです。


 この日もおっぱいをのみおわると、小助と子グマたちはじゃれ合うようにあそび出しました。そばを通りかかったオオカミたちも、小さな子どもたちがあそんでいるようすを立ち止まって見ています。


 お母さんオオカミは、ちびっこオオカミがつぎつぎとおっぱいをのんでいるようすを見まもっています。オオカミの子どもたちも、お母さんのやさしさにつつまれながらおっぱいをのみつづけています。


 そのすがたに気づいた小助は、オオカミのむれのほうにかけ足で近づきました。オオカミのお母さんは、小助がどうしてここへやってきたのかすぐに気づきました。


「ぼうや、どうしたのかな?」

「おっぱい! おっぱい!」


 小助は、お母さんオオカミにかわいい声でおねだりをしています。これを聞いたお母さんオオカミは、すぐにやさしいことばをかけました。


「あお向けになってしまうけど、大じょうぶかな?」

「おっぱい! おっぱい!」


 お母さんオオカミのおっぱいをのもうと、小助はじめんにねころがりながらあお向けになりました。小助はお母さんグマにつづいて、お母さんオオカミのおっぱいをいっぱいのんでいます。


「ぼうや、おいしそうにのんでいるみたいだね」


 オオカミのお母さんは、えがおを見せながらおっぱいをのんでいる小助をやさしくつつみこんでいます。しばらくして、小助がお母さんオオカミのおっぱいをのみおえたその時のことです。


「どうしたの?」

「お、おちっこ(おしっこ)……」


 小助は、おっぱいをいっぱいのみすぎておしっこがしたくなりました。


 そんな時、たくさんの木の間にある草むらからけむりが出ていることにお母さんグマが気づきました。草むらからは、ほのおがすこしずつもえ広がっています。


「早くここからにげて!」


 クマのお母さんは、2ひきの子グマをつれて草むらからはなれたところへにげようとします。しかし、おしっこをガマンしている小助はお母さんグマのさけび声が耳に入ってきません。


「おちっこ! おちっこ!」


 小助がはらがけの下をおさえながら向かっているのは、白いけむりが立ちのぼる草むらです。その間にも、小助はしだいにおしっこがガマンできなくなってきました。


 草むらを見つけると、小助はほのおがもえ広がるところへおしっこをしはじめました。


「ジョパジョパジョジョジョジョ~ッ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助は、元気いっぱいのおしっこをもえ広がる草むらの火元に向かって出しつづけています。いきおいの止まらない小助のおしっこのおかげで、草むらからもえ広がったほのおはすべてけすことができました。


 クマとオオカミの親子は、小助のいる草むらのまわりへやってきました。しんぱいそうに見つめるどうぶつたちをよそに、小助はてれながらもいつものえがおを見せています。


「てへへ、おちっこ出ちゃった」

「もしかして、おしっこで火をけしたの?」

「うん! おちっこでけちたよ(おしっこでけしたよ)!」


 小助がおしっこをいっぱい出して火をけすことができたのは、どうぶつのお母さんのおっぱいをたくさんのんだおかげです。


「いっしょにあそぼう」

「みんないっちょ! みんないっちょ!」


 子グマとちびっこオオカミは、火事から森をまもってくれた小助といっしょにじゃれ合っています。

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