イモ畑の小助くんとイノシシたちふたたび
いよいよ、秋に入るとみのりのきせつがやってきます。小助は、大すきなイモをほり出そうと家の近くにある畑へ行こうとかけ出しています。
「イモほり! イモほり!」
「小助くん、そんなにいそがなくても」
小助のあまりの元気さに、お母さんは早くもまいってしまいそうです。目の先には、イモ畑がずらりと広がっています。
「かあちゃ! 早く! 早く!」
一足早く畑に入った小助は、イモがどれだけ大きくなっているか今から楽しみにしています。お母さんも、うれしそうにはしゃぐ小助のすがたをやさしく見つめています。
「それじゃあ、今からイモをほっていこうね」
「イモほり、イモほり、たのちいな(たのしいな)~♪」
小助はかわいい声で歌いながら、りょう手で畑の中をほっていきます。土の中をほっていくと、そこには大きなイモがねっこにたくさんあります。
「わ~い! 大きなイモ! 大きなイモ!」
「小助くん、でっかいイモをほり出したね!」
お母さんは、小助がねっこに何本もついている大きなイモをうれしそうにもっているようすをやさしく見つめています。
小助は、自分の手で大きなイモを見つけると土の中から一気にほり出していきます。ほり出したばかりのイモは。小助の竹かごの中につぎつぎと入れています。
「やきイモ! やきイモ!」
「ふふふ、小助くんはやきイモを食べるのが大すきだものね」
「うん!」
イモ畑では、小助とお母さんのにぎやかなわらい声がひびきわたっています。そんな時、イノシシたちがイモ畑に入ろうとしているのを小助が気づきました。
「わ~い! いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! あちょぼう!」
「わわっ! おれたちはあそびにきたわけじゃ……」
イノシシたちは小助が近づいてくると、あわてながらいそいでイモ畑から出ようとします。これを見た小助は、右手にもっているものをイノシシたちに見せることにしました。
「おイモ! おイモ! おイモ!」
かわいい男の子の声にふり向いたイノシシたちは、小助が手にしているねっこに何本もついた大きなイモを食べたがっています。小助は、イノシシたちの口に自分の手で大きなイモをくわえさせました。
イノシシたちは、大きなイモをおいしそうにかみくだいて食べています。これなら、わざわざ畑をあらしたりとめいわくをかけることはありません。
小助も、イノシシたちの食べているようすをじっと見つづけながらいっしょにあそぶのをまっています。
「ねえねえ! あちょぼう! あちょぼう!」
「わっ、わわっ! あそびにきたわけじゃないって!」
イノシシたちは、イモ畑をあらすことをしないでそのままいそぎ足でにげ出しました。それを知らない小助は、遠くへさっていくイノシシたちに向かってえがおで手をふっています。
「かあちゃ! イモほり! イモほり!」
「小助くん、大きなイモがいっぱいついているわ。大すきなイモをいっぱい食べて大きくなろうね」
「うん!」
小助は、大きなイモがたくさん入ったかごをもち上げながら、お母さんと2人で楽しそうに家のほうへもどっていきました。




