どうくつたんけんへ行くぞ!
森のおくには、大きなどうくつがあります。小助たちは、これからどうくつに入ってたんけんするところです。
そんな小助ですが、行く前にいつものようにお母さんのおっぱいをのんでいるところです。お母さんは、かわいい顔つきの小助を見ながらやさしく話しかけています。
「小助くん、どうくつの中はあぶないからくれぐれも気をつけてね」
お母さんは、きけんなところへ入る小助のことがしんぱいでたまりません。そんな小助といっしょにどうくつへ行くなかまは、サルやリス、キツネ、タヌキといったどうぶつたちです。もちろん、いつもあそぶ子グマやちびっこオオカミもいっしょです。
どうぶつたちを見まもるのは、クマのお母さんもオオカミのお母さんも同じです。
「子どもたちだけで行くのはしんぱいだけど……」
「でも、ぼうやがいっしょにいることだし」
人間のお母さんのおっぱいをのみおえた小助は、つづけてお母さんグマとお母さんオオカミのおっぱいをのんでいます。小助がいつも強くてげんきなのは、おっぱいをたくさんのんでいるおかげです。
「ふふふ、小助くんったら」
お母さんは、けものたちのおっぱいをのむ小助を見ながらえがおで見つめています。
こうして、おっぱいをいっぱいのんだ小助はどうぶつたちをつれて森の中を歩き始めました。どうくつを目ざしてすすむ中、キツネとタヌキがなにか言い合っているようです。
「へへへ、早くもおじけついているな」
「なんだと! どうくつぐらいこわくないもん!」
キツネとタヌキがなにかとはり合うのはあいかわらずのことです。このようすを見たサルは、2ひきを見かねてたしなめようとします。
「おいおい! 2ひきともケンカしていたらみっともないぞ」
「はい……」
そのことばに、キツネもタヌキも力なく答えるしかありませんでした。
しばらく歩くと、目の前に広がる山のかべにぽっかりとあいた大きなどうくつが見えてきました。はじめて見るどうくつに、どうぶつたちはこのまま先へすすむのをためらっています。
そんな中、タヌキはどうくつへ入るのを早くもこわがっているみたいです。
「や、やっぱり帰りたい……。でも、ここで帰ったら弱虫と言われるし……」
「へへへ、どうしたの? 足がふるえているぞ」
「なんでもないもん!」
キツネに言われたくないと思ったのか、タヌキはムッとした顔つきを見せています。
こんな時であっても、小助はいつもげんきいっぱいです。
「ねえねえ! いっちょ(いっしょ)に行こう! いっちょに行こう!」
かわいい男の子の声を耳にしたどうぶつたちは、小助といっしょにどうくつの中へ足をふみいれることにしました。