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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大きな池の向こうでぼうけん
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小助くんはケモスケといっしょ

 かいじゅうのケモスケは、山おくへ向かって森の中を1歩ずつすすんでいます。後ろからついていく小助は、ケモスケの歩くすがたを見て大はしゃぎしています。


「わ~い! ドシンドシン! ドシンドシン!」


 小助は、さっそくケモスケになり切って歩くまねをしています。これに気づいたケモスケは、後ろのほうへふりかえりました。


「小助くん、どうしたの?」

「ドシンドシン! ドシンドシン!」


 ケモスケは、自分のまねをしている小助のすがたをじっとながめています。これに気づいた小助は、かいじゅうになり切った自分をケモスケに見せようとしています。


「小助くん、ぼくみたいに歩きたいのかな?」

「ドシンドシン! ドシンドシンドシン!」


 小助は、その場で足をじめんになんどもふみながら元気な声を上げています。


「それじゃあ、ぼくといっしょに歩こうよ!」

「わ~い! いっちょ(いっしょ)! いっちょ!」


 こうして、ケモスケはふたたびじめんをドシンドシンと大きな音を立てながら歩き出しました。小助も、ケモスケのまねをしながら後ろのほうからついていきます。さらに、その後ろのほうではどうぶつの子どもたちがつぎつぎと歩いています。


 しばらくすすんで森の中から出ると、そこには大きなほらあならしきものが小助たちの目に入ってきました。


 すると、ケモスケは自分よりも大きなかいじゅうを見てすぐにそのばしょへかけよりました。


「おっとう! おっかあ! ぼくねえ、新しい友だちができたよ!」

「ケモスケ、友だちができたのか! どんな友だちなのかな?」


 ケモスケは、後ろからやってきた小助といっしょにじゃれ合っています。子どもどうしのかわいいすがたに、かいじゅうのお父さんとお母さんはやさしそうな顔つきで見つめています。


「この子はここにいないはずだが……。向こうのほうにはいるのかもしれないけど……」

「でも、この子は小さくてかわいい男の子だね」


 小助とケモスケがあそんでいると、子グマとちびっこオオカミもいっしょにあそびたくてなかまに入ろうとします。大すきなどうぶつたちもあそびにくわわって、小助はキャッキャッとうれしそうにわらい声を上げています。


 そんな時、小助はあの音を元気いっぱいに鳴りひびかせました。


「プウッ! プウウウウウウウウウウウウ~ッ!」


 みんながじゃれ合う中、小助は見事にでっかいおならが出てしまいました。まわりに広がるおならのにおいに、ケモスケと子グマ、ちびっこオオカミはその場でたおれこんでしまいました。


「く、くさい……」

「うわっ、くさくてたまらないよ……」

「てへへ、いっぱい出ちゃった」


 元気なおならがいっぱい出た小助は、みんなの前で明るいえがおを見せながら立っています。そのようすをよそに、ケモスケとどうぶつの子どもたちは小助のくさいおならにはなをつまみながらあお向けになっています。

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