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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大きな池の向こうでぼうけん
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新しい友だちはかいじゅうの子ども

「うんしょ、うんしょ」


 小助は、どうぶつの子どもたちといっしょに森のしげみの中をすすんでいます。森の大ぼうけんを楽しもうと、小助は元気いっぱいに歩きつづけています。


 空を見上げると、そこにはいろんな鳥がたくさんとび回っています。小助たちは、かわいい鳴き声を耳にしながら草むらをかき分けていきます。


 山道をしばらくすすむと、今まで見たことのないどうぶつがこの先にいることに気づきました。


「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」


 小助は、新しいどうぶつがいるばしょへ向かってかけ出しました。そのどうぶつの体つきは、みどり色のごつごつした体つきでせなかからつづくおびれがあります。


 かいじゅうのようなすがたをしたそのどうぶつは、自分のそばへやってきた小助のかわいい顔をふしぎそうに見ています。かいじゅうは、はじめて見る人間の子どもやどうぶつたちをジロジロと見回しています。


「ねえねえ! ねえねえ!」


 小助は、かいじゅうにしがみついたままはなれようとしません。かいじゅうは、とまどいながら小助に話しかけようと口をひらきました。


「どこからきたの?」

「向こう! 向こう!」


 かいじゅうは、小助たちがくらす大きな池の向かいがわのことをまったく知りません。それでも、自分と同じ小さい子どもをあいてにかわいい声を上げています。


「ぼくの名前はねえ、ケモスケというの。きみの名前は?」

「小助! 小助! 小助!」

「小助くんって、いつもこんなに元気なんだね」

「うん! いちゅも(いつも)元気!」


 さいしょはとまどっていたケモスケも、小助のかわいいえがおを見てすぐに友だちになりました。どうぶつの子どもたちも、小助とケモスケのそばへよってきました。


「小助くん、そばにいるのはお友だちなの?」

「うん! いちゅもいっちょ(いつもいっしょ)! いちゅもいっちょ!」


 小助にとって、子グマとちびっこオオカミはいつもじゃれ合いながらいっしょにあそんでくれる友だちです。新しい友だちになったかいじゅうは、小助よりも一回りでっかい体つきです。


 そんなケモスケは、小助たちにいっしょにきてほしいと声を出しました。


「ぼくはねえ、さらにおくのほうでくらしているんだ。そこには、やさしいおっとうとおっかあがいるよ」


 ケモスケが先に歩くと、小助たちもその後をついて行きながら山道を歩いています。小助は、ケモスケのお父さんとお母さんの顔を頭の中で思いうかべながら元気に足をすすめています。

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