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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
大きな池の向こうでぼうけん
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ぼうけんへしゅっぱつだ!

 あつい夏の中、小助たちは川のそばを通ったおくにある大きなたきへやってきました。いつもなかよしの子グマやちびっこオオカミも小助といっしょです。


 小助が見ているのは、大きな池の向こうがわに広がる森です。でも、どうぶつの子どもたちが小助といっしょに池の中をおよいでわたることはできません。


「ねえねえ! ぼくも向こうへ行きたい!」


 子グマとちびっこオオカミは、小助からはなれようとはしません。小助が池のまわりを見回すと、大きな木がながれついていることに気づきました。


 その大きな木は、子グマやちびっこオオカミものれるほどの長さです。小助たちは、それを見ようといっせいにあつまりました。


 どうぶつの子どもたちは、なぜここに大きな木がながれついたのか分かりません。


「どうするのかなあ?」

「う~んっ! よいしょ!」


 小助は、すさまじい力をいっぱいに大きな木をもち上げました。池のそばにおいた大きな木に、子グマやちびっこオオカミは早くのりたいとまちきれないようすです。


 でも、みんながのっただけでは前へすすむことができません。そんな小助たちの近くを通りかかったのは、大男の山べえです。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「小助、こんなところでどうしたんだ」

「向こう! 向こう!」


 さいしょは何のことか分からなかった山べえですが、小助がみぶり手ぶりでつたえるうちにどういうことなのか分かってきました。


「はっはっは! あれがないと池の向こうまでわたることができないからなあ」


 山べえは、自分がもってきたなわを大きな木にくくりつけています。それがおわると、小助の体にも同じようになわをくくっています。


「これで向こうまでおよいで行くことができるぞ」

「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」

「そうかそうか、おれがしたことをすごいと言ってくれるなんてかんしんするぜ」


 山べえは、かわいい声を上げる小助を見ながらてれわらいしています。えがおでわらっている2人のすがたは、まるで本当の親子と見まちがうほどです。


「くれぐれも気をつけて行くんだぞ」


 小助たちは、大男の山べえに見おくりをうけながら池をすすんで行きます。カエルになりきった小助は、池の中をおよぎながら大きな木を力強く引っぱっています。


「向こうまで行ったら何があるかな?」


 大きな木にのっている子グマたちは、これからはじまるであろうぼうけんを楽しみにしています。気になるのは、後ろにいるちびっこオオカミのようすです。


 ちびっこオオカミは、子グマのように大きな木にまたがることができません。池におちないように、オオカミの子どもたちは大きな木の上に4本足で立ったままでじっとしています。


「うんしょ! うんしょ!」


 小助はカエルおよぎをしながら、どうぶつの子どもたちをのせた大きな木を小さい体で引っぱりながらすすんでいます。みんなが目ざしている向かいがわへたどりつくまで、あともうすこしです。

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