表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと夏の出会い
111/343

みんなで山べえとあそぼう!(その1)

 森のおくへすすむ小助たちは、向こうまでつづくつりばしの前までやってきました。小助の後ろには、子グマとちびっこオオカミがいます。


「こ、こわいよう……」


 どうぶつたちは、はしの下にあるふかい谷を見ると小助の体にしがみつきながらこわがっています。そんな中でも、小助はかわいい声でつりばしをわたることをきめました。


「みんないっちょ(いっしょ)! みんないっちょ!」


 小助は、子グマとちびっこオオカミがしがみついたままではしをあるきながらわたっています。どうぶつたちは、たにぞこを見ないように目をつぶっています。


 はしの向こうにたどりつくと、どうぶつたちはじめんにすわりこんでホッとしているようすです。この先をすすむと、大男の山べえがいるほらあながあります。


「ねえねえ! 早く行こう! 早く行こう!」

「あっ! ちょっとまってよ!」


 一足先にかけ出す小助のすがたに、子グマとちびっこオオカミはその後をおうように走っていきます。そんな小助が草むらに入ると、ぬかるみの中でどろんこまみれになってあそんでいます。


「わ~い! どろんこ! どろんこ!」


 小助の元気な声に、どうぶつの子どもたちもつぎつぎとぬかるみの中へ入りました。ぬかるみの中では、小助たちがじゃれ合いながらどろんこになっています。


 子どもたちのにぎやかな声に、山べえがどうくつから出て小助たちのいるぬかるみへやってきました。そこには、どろんこだらけであそんでいる小助たちがいます。


「はっはっは! どろんこあそびは楽しいかな?」

「うん! たのちい(楽しい)! たのちい!」


 みんなどろんこだらけになっても、小助たちはいつも通りのえがおをたやすことはありません。そんな子どもたちに、山べえはほらあなの近くにあるたきへつれて行くことにしました。


「さあ、ここであらおうとするかな」


 山べえは、子グマとちびっこオオカミの体をたきつぼの池であらっています。どろんこになったどうぶつたちは、みるみるうちにきれいになりました。


「みじゅあそび(水あそび)! みじゅあそび!」

「わっ、やってくれたな! おかえしだ!」


 小助は池の中へ入って体をあらいながすと、山べえに向けて水をパシャパシャかけています。山べえのほうも、小助と水のかけあいっこを楽しんでいます。


 2人が水あそびで楽しんでいると、子グマやちびっこオオカミが山べえの足にしがみついています。どうぶつの子どもたちのほうも、山べえといっしょにあそびたがっているようです。


「みんないっしょにあそびたいのかな?」

「うん! あそびたい! あそびたい!」


 山べえは、子グマやちびっこオオカミをじゅんばんにだっこしながら歩き回っています。どうぶつたちは、大男の山べえといっしょなので大よろこびしています。


 これを見た小助は、すぐに山べえのそばへやってきました。


「ねえねえ! だっこ! だっこ!」

「それじゃあ、つぎは小助をだっこしようかな」


 山べえにだかれるのがうれしい小助は、キャッキャッとかわいいわらい声を上げています。そんな時、山べえは小助がモジモジしているようすに気づきました。


「小助、どうしたのかな?」

「お、おちっこ(おしっこ)……」


 小助の声を聞いて、山べえはいそいで大きな木のそばへやってきました。すると、小助は山べえにりょう手でだかれながらおしっこをしはじめました。


「ジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「おっ、みごとに元気なおしっこだなあ」

「わ~い! おちっこ! おちっこ!」


 おしっこが大きな木につぎつぎとめいちゅうするのを見て、小助はうれしそうにはしゃぎ声を出しています。山べえは、いつも元気な小助のすがたにあらためてかんしんしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ