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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと夏の出会い
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いつも楽しい小助くんとクマの親子

 小助はいつものように森の中へやってくると、お母さんグマとおすもうを取ろうと向かい合っています。まわりにいる子グマたちも、おすもうでどっちがかつのか見まもっています。


「はっけよい、のこった!」


 おたがいにぶつかり合う中、小助は二回りも大きいクマのお母さんをすさまじい力でおし出そうとしています。


「よいしょ! よいしょ! よいしょ!」

「う、うわわわっ!」


 お母さんグマは、小助の力強いおしずもうに思わずしりもちをついてしまいました。あれだけの大きなクマにかって、小助はピョンピョンとびはねながらよろこんでいます。


「ふふふ、ぼうやはあいかわらず強いなあ」


 小助は、じめんにすわっているお母さんグマのそばへやってきました。子グマたちも、小助のとなりにならんでいつものおねだりをしようと声を上げました。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「あらあら、しょうがないわね。みんな、こっちへおいで」


 お母さんグマにだきかかえられた小助たちは、すぐにおっぱいをのみはじめました。子どもたちのかわいい顔は、お母さんグマにとってもうれしいものがあります。


 そんな山おくの森から見上げた空には、きゅうにうすぐらい雲が広がってきました。どんよりとしている中、小助たちはお母さんグマのおっぱいをのみつづけています。


「あら? 雨がふってきたわ」


 空からふり出した雨は、しだいにはげしくなってきました。お母さんグマは、小助たちをつれて自分のほらあなへもどっていきました。


「まだまだしばらくふりそうだね」


 お母さんグマが外のようすを見ながらつぶやいていると、小助と子グマたちがしがみついてきました。子どもたちは、大すきなクマのお母さんにあまえようとそこからはなれようとしません。


「みんな、どうしたのかな」

「あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」

「それじゃあ、雨がやんだら外であそぼうね」


 すると、はげしくふった雨がいつの間にかやんできました。これを見た小助は、ほらあなを出ると水たまりに入って足でパシャパシャしています。


「あっ、ずるい! ぼくたちにもやらせて!」


 子グマたちは、小助のいる水たまりにやってくるといっしょにじゃれ合うようにあそび出しました。そうするうちに、小助たちはどろんこだらけになってしまいました。


「わ~い! どろんこ! どろんこ!」

「ふふふ、みんなどろんこだらけになっちゃったね」


 どろんこになって大よろこびの小助は、お母さんグマが見まもる中で子グマたちと水たまりがあるばしょでどろんこあそびをしています。子どもたちの楽しそうなはしゃぎ声は、雲のすき間から見えた青空に向かってひびきわたっています。

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