みんなで川あそびと魚取り
いろんなどうぶつたちとあそぶのが楽しみな小助は、どんなにあつくても森の中をよちよちと歩いていきます。森のおくへすすむと、友達の子グマとちびっこオオカミがあつまっています。
「みんな！ あそぼう！ あそぼう！」
小助は、大すきなおすもうをしたがっています。でも、子グマからすればおすもうでいつもまけてしまうのであまりしたくありません。
そんな子グマは、あることをしてあそぼうと小助によびかけました。
「これから川へ行っていっしょにあそぼうよ！」
「いっちょ（いっしょ）にいきたい！ いっちょにいきたい！」
そこへやってきたのは、お母さんグマとオオカミのむれです。お母さんグマは、子グマのために川でいつも魚を取っています。
「ぼうや、川にはどんな魚がおよいでいるかな？」
小助は、まだ魚を見たことがないのでお母さんグマが言っていることが分かりません。
「ふふふ、それならあたしといっしょに魚を取ってみようかな」
「かあちゃ！ いっちょにちたい（いっしょにしたい）！ いっちょにちたい！」
川のあるところをよく知っているのは、クマの親子です。小助は、クマの親子の後をついていくように歩いていきます。オオカミのむれも、ちびっこオオカミがはぐれないように小助とともに川へ向かってすすみます。
草木をかき分けて歩いていくと、川のながれる音が耳に入ってきました。さらにすすんだ先に目をやると、そこには魚が見えるほどのきれいな川があります。
「わあ～っ！ 川だ！ 川だ！」
川が大すきな子グマたちは、はしゃぐように川の中へ足を入れました。水をかけあってあそぶ子グマのすがたに、小助もなかまに入れようとします。
「いっちょにあそぼ！ いっちょにあそぼ！」
子グマたりは、かわいい小助の声を聞いてすぐにふり向きました。小助が川へ入ると、子グマたちはとともに水あそびをはじめました。
「キャッキャッ！ キャッキャッ！ パシャパシャパシャ！」
「わっ！ よくもやったな！ パシャパシャパシャ！」
川の入り口で小助と子グマたちが水をかけ合っているのを見ながら、お母さんグマはやさしく見まもっています。ちびっこオオカミも、川の水がどんなものなのか足をつけています。
川であそんだ後は、クマの親子による魚取りです。お母さんグマは、子グマに食べさせるための魚を手なれたようすで取っていきます。
「うえええええ～ん！ 魚が取れないよ」
「そんなになかなくても、そのうち魚が取れるようになるから大じょうぶだよ」
魚が取れずになき出した子グマたちにも、お母さんグマはやさしく声をかけています。そんなようすを見た小助は、自分から川へ足を入れていきます。
「ぼうや、あぶない！ そこへ行ったら……」
川のふかいところへすすむ小助のすがたに、お母さんグマは思わずさけび声を上げました。しかし、そんな声が小助の耳に入ることはありません。
小助の目に入ってきたのは、イワナやアユ、ヤマメといった川の魚がおよいでいます。小さな手でつかまえようとする小助ですが、なかなか魚をつかまえることができません。
「わっ、わわわっ！」
小助は、ヤマメを手でつかんだままで上げようとします。けれども、とちゅうで手がすべってにがしてしまいました。ざんねんそうに川を見つめる小助ですが、お母さんに食べさせる魚をさがそうとふたたび水の中に手を入れました。
「よいしょ、よいしょ……」
つかまえた魚をおとさないように、小助はゆっくりと水中を歩いています。川から上がったほかのどうぶつたちも、小助がもどってくるのをまっています。
「お魚！ お魚！ ちゅかまえたよ（つかまえたよ）！」
「ぼうや、よくがんばってお魚をつかまえたね」
小助は、自分ではじめてつかまえた魚をお母さんグマの前でよろこんでいます。お母さんグマは、小助のがんばったすがたをやさしい目で見つめています。
そして、小助は子グマたちとともにいつものおねだりを口にしました。
「おっぱい！ おっぱい！ おっぱい！」
「ふふふ、それならみんなにおっぱいをあげるとするかな」
すこしずつ自分でできるようになった小助ですが、お母さんグマのおっぱいをたくさんのむことをかかすことはありません。
