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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと夏の出会い
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大きなたきで元気いっぱいの大ぼうけん

 夏の太ようがてりつける中、小助は大きなたきのてっぺんを目ざそうと岩かべをのぼりはじめました。そこは、大人でものぼることがきわめてむずかしいきけんなばしょです。


「ぼうや、そんなところをのぼったらきけんよ!」


 お母さんグマが大きな声をかけても、小助の耳に入ってくることはありません。小助がのぼっているようすを見ようと、子グマとちびっこオオカミはたきに近い岩のかべの手前にあつまりました。


「うんしょ! う~んしょ!」


 小助は、自分の手足をつかいながら岩をつかもうと上へすすんでいます。小さい体でてっぺんへ向かっていますが、そこへたどり着くにはまだまだのぼらなければなりません。


 少しでもゆだんをすると、まっさかさまにおちて大ケガをしてしまいます。クマやオオカミのお母さんは、岩かべをのぼる小助をずっとしんぱいそうに見つめています。


「ぼうや、大じょうぶかなあ……」


 そんなしんぱいをよそに、小助は少しずつ手をのばして岩をつかもうとします。小助は、こわがるそぶりを見せることなくさらに上へとすすんでいきます。


「ぐ、ぐぐぐぐぐ……」


 小助は何とか岩をつかむと、その後も手足をつかって岩かべをのぼりつづけています。そうするうちに、岩かべのてっぺんが小助の目に入ってきました。


 あと少しとてっぺんのほうに右手をかけると、小助はりょう手でささえながら岩かべをのぼり切ることができました。


「わあ~っ! ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」


 小助は高いところから見下ろすと、たきの水が大きな池にながれおちるようすにかわいくて元気な声を上げました。そんな小助がここへやってきたのは、たきのてっぺんから大きな池へとびこむためです。


 いったん後ろへ下がった小助は、かけ足でてっぺんから大きな池へ向かっていきおいよくとびこんでいきました。空中でくるくると3回つづけて回ると、小助は水しぶきを上げて池の中へ入りました。


 小助は水中から顔を出すと、えがおを見せながら池のそばにいるクマヤオオカミの親子に手をふっています。


「ぼうや、ぶじにもどってくれてよかったね」


 お母さんグマは、大きな池にいる小助のすがたを遠くからながめています。小助は、池のそばにいるみんなのところへもどろうとあることを思いつきました。


「プウッ! プウッ! プウウウウウウウウウウウウ~ッ!」


 小助はでっかいおならをして大きな水しぶきを上げると、そのいきおいで空中まで高くとび出しました。


「え~い!」


 空中でなんども回るうちに、たきや池のそばにいるどうぶつたちがいる池のそばへ見事にちゃく地しました。


「わあ~っ! 本当にすごいなあ」

「大きな池からどうしてここまでとんできたの?」

「てへへ、おなら出ちゃった」


 でっかいおならで池の中からとんできた小助のすがたに、子グマもちびっこオオカミもおどろきをかくせません。どうぶつの子どもたちは、小助とあそびたくてしがみついてきました。


「ねえねえ、いっしょにあそぼう!」

「あそぼう! あそぼう!」

「いっちょに(いっしょに)……。わっ、わわわっ!」


 子グマとちびっこオオカミがいきなりしがみついてきたので、小助は思わず池のそばでしりもちをついてしまいました。元気でえがおいっぱいの小助にとって、いつもあそんでくれるクマとオオカミの子どもたちのことが大すきです。

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