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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと夏の出会い
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お母さんと赤ちゃんの小助くん

 小助はいつものように森の中へやってくると、子グマたちとおすもうごっこをしたりしながらじゃれ合っています。


「よいしょ! よいしょ!」

「わっ! うわわっ!」


 子グマは2ひきがかりでおすもうにいどみましたが、あまりにも強い小助の力にあっけなくしりもちをついてしまいました。


「もうちょっと手かげんしてよ!」

「おちゅもう! おちゅもう!」


 おすもうが大すきな小助の元気さに、子グマたちはたじたじです。そんな子どもたちのところへやってきたのは、クマのお母さんです。


 すぐにお母さんグマのそばへきた小助と2ひきの子グマは、いつも通りのおねだりをしようと元気な声を上げました。


「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね。こっちへおいで」


 小助たちは、お母さんグマにだかれながらおっぱいをのみはじめました。クマのお母さんは、小助や子グマのかわいい顔つきを見ながらほほえんでいます。


「おっぱいをいっぱいのんで大きくなろうね」


 このようすを、小助のお母さんは大きな木にかくれながらそっとのぞいています。お母さんが思い出しているのは、小助がずっと小さい赤ちゃんの時のことです。




 小助が生まれてからしばらくたった夏のある日、お母さんは古びた家の中で赤ちゃんがねがえりをしているのをじっと見ています。


「小助くん、あとちょっとよ」


 小助は、あお向けからうつぶせに体を回てんしようとしています。何回やってもうまくできなくても、小助はねがえりをしようといっしょうけんめいになっています。


「そう、そう! もうちょっと!」


 お母さんがはげます声をかけたその時、小助はあお向けからうつぶせにねがえりをすることができました。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「小助くん、よくできたね!」


 かわいいはらがけ1まいでえがおを見せる小助のすがたに、お母さんはうれしさをかくすことができません。


「それじゃあ、もう1回ねがえりをやってみようかな」


 小助をふたたびあお向けにしたお母さんですが、小助はさっきとちがってぐずっています。


「う、う、うええええええ~ん!」

「あらあら、どうしたのかしら」


 お母さんは、すぐに小助をりょう手でだきかかえるように立ち上がりました。そんな小助を、お母さんが自分の顔の手前までもち上げたその時のことです。


「ジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「うわっ!」


 小助は、お母さんの顔に向かっておしっこをめいちゅうさせています。いきなりのおしっここうげきに、お母さんは思わずびっくりしてしまいました。


 それでも、お母さんは小助の顔を見ながらやさしくほほえんでいます。


「小助くんったら、あいかわらず元気なんだから」

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」


 お母さんは、いつものえがおにもどった小助のすがたにうれしそうな顔つきを見せています。




 小助たちは、お母さんグマのおっぱいをのみおえると森の中でかけっこをしながらあそんでいます。


「ふふふ、小助くんはあいかわらず元気いっぱいだね」


 小助のお母さんは、いつも元気な小助がどうぶつの友だちとあそんでいるようすをやさしく見まもっています。

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