ディブトーニ・レーテリアの専守戦 その5
――東地区――
「はぁっ、はぁっ……!!」
「……ふぅ」
敵に包囲されたレビィとレミール。それぞれが全力で敵の包囲を抜けようと攻勢を仕掛けていた。
「……一体、何人いるのよ」
「とりあえず、半分も減ってないと思うわー」
「イヤな試算しないでくれる!?」
息があがり、体力も尽きかける二人。が、怯んでいる様子はない。
「……一人だったら絶対諦めてたわ」
「そうねー。絶対くっころしてたわ」
「く、くっころ?……意味は分からないけど、捕まってはいたわね」
「そして敵の男兵に囲まれた私達は、そのまま為す術なく言いなりに――」
「最悪すぎる想像しないでくれる!?」
「仕方ないでしょー。最近やったエロゲーがそんな展開だったのよー」
「教育に悪すぎる……。今後入荷を禁止しておくわ」
「そんな殺生な」
「うるさい。……ところで、何か打開策見つかった?」
「んー。……一個だけ。多分、アンタも浮かんでるわー」
「……アレ、か。……やりたくないんだけど」
「同感よー。でも、やるしかないわー」
「……分かったわよ」
短くため息をついて、レビィを見るレミール。
「タイミング揃えなさいよ」
「オッケー。……」
ゆるい調子のレビィの顔が真剣になる。レミールも呼吸を整える。
「空を駆ける――天ねく星の頂き」
レビィの魔法が、レビィ以外の周りの者を全て浮かせる。レミールごと。
「今よ!ドーラちゃん!」
「ぐぉぉぉぉ!!」
空から飛来する緑色の巨体。レミールの操るドラゴンが、ブレスを放つ。
『ぎゃあぁぁ!!』
「ドーラちゃん!弱めにね!」
「ぐるっ」
言われて少し弱くするドラゴンのドーラ。
「んで、私は……っ!!」
「ひっ!!」
そしてレミールは、地上にいた兵士の指揮官の近くの物体と入れ替わり、
「アンタを潰す!」
「ひっ……!?」
修羅と化したレミールの攻撃により、敵の指揮形態はズタボロになり、戦線が崩壊した。
――国の中央、避難所――
「……ここにもいない」
避難所を探し回る一人の少女、バーシェ=カリット。彼女はある人を探していた。
「どう、いた!?」
「……ううん。いない」
そこに、同じく誰かを探している様子のサヴェスダ=マキニ。二人の探し人は同じ。
「ど、どうしよう。もし、戦争に巻き込まれちゃってたら……!!」
「そんな最悪な想像する前に、もう一度隈無く探すわよ!」
「う、うん!!」
「どなたかいらっしゃらないのですか?」
そこに声をかけてきたのはマナ。幼い二人の様子に異変を感じ、声をかけた。
「う、うん。私達の友達がいなくて……!!」
「ハルっていう子なんだけど……!」
「っ!ハルさんが!?」
「知ってるの?」
「はい。先日お話したばかりで……。私も探します」
「ありがとう!」
「助かるわ!」
口々にそう言い、三人は別れハルを探す。
(……ハルさん、どこに?)
不安を募らせるマナ。その不安を後押しするかのように、夕焼け空が暗く染まり始めた。




