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不可思議な魔法《コト》

「ふんふん。フウヤが破壊の魔法で、ミレンちゃんが創造の魔法で」


「私は頑丈な身体!これで今度こそフウヤくんを守るよ!」


「俺は銃系統の召喚魔法と少し体術を」


「私は支援型の魔法で皆さんをサポートできたらと……」


「私ですか?そこのドMさんに活を入れたり、相手とドMさんに野次を飛ばすのが主な仕事です」


「お前だけは何もするな。頼むから」


ミズヤさんが俺達のできる事を聞きたいとの事で、俺達が各々答える。……いつ聞いてもフウヤとミレンちゃんだけ規格外だよな。っと、そうだ。


「すみません、少し確認したいことが」


「うん?」


「……アレスタ・フォートレス、ウォーター」


呪文を唱える。ミレンちゃんの呪文を。すると何もない空間から水が少し出た。


「……出来てる」


「あれ?レンドくんは銃系統の召喚魔法じゃ」


「そのはずでした。……ミレンちゃん。俺にもよく分かってないから、説明してくれるか?」


「……聞いても嫌わない?」


「大丈夫。ずっと好きだ」


「っ!!ば、バカ!!」


「なんでオレ!?」


フウヤが吹っ飛ばされた。それで呼吸が落ち着いたのか、ミレンちゃんが語り出す。


共有魔術コモンソール・アブタ。私が創造した魔法で一度きりしか使えない、大きなリスクを伴う魔法。効果は私の魔法を他の人が行使できるようになる。今回で言うとレンド。あなたに使えるようにしたの」


「ミレンちゃんの魔法を……」


「と言っても、多分私みたいにこの世界にないものや魔法は創造できないと思う。試しにこのドMに共有魔術かけてみて」


「おい、てめぇまでオレをドM認定すんじゃねぇ。誤解の連鎖が生まれんだろが」


「……アレスタ・フォートレス、共有魔術コモンソール・アブタ


ミレンちゃんの言う通りに魔法をフウヤにかけてみる。けど、何も起こらない。


「……やっぱりそっか」


「いや、でもありがとう。メッチャ強くなれたよ!」


「……でもね」


不安げにミレンちゃんが顔をしかめてポツリと語り出す。


「この魔法、相手との相性が合わないと凄く危険で……命も危なくなるかもしれなかったの」


「……」


「でも、あの時、レンドが危ないのを見て……!」


何もしないではいられなかった。そっとミレンちゃんを抱き締めた。


「えっ……?」


「おぉ……!」


「けっ」

「けっ」


アキハさんの声、フウヤ・ミズヤさんの声が重なり聞こえる。


「大丈夫。俺はなんともないから」


「……でも」


「それに、こうして相性が合ったってことはミレンちゃんと相性バッチシって事でしょ?命の危機がどうとかよりも、そっちの方が純粋に嬉しいな」


「っ!!」


ミレンちゃんの顔が……赤く?え、もしかして?


「ありあり~?ミレンすわぁん、レンドに完全に惚れた?惚れちゃいました?チョロインっすか~?」


「……」


「へ?ばぎゃあふっ!!」


散々煽ったフウヤがミレンちゃんの正拳突きで吹き飛ばされる。けど、これだけじゃ終わらなかった。


「……」


「ごぼっ!!ちょ、追撃とかな……!」


ゴーレムを創造し、追加で拳を何発か放ち、


ゴロゴロ……。


「へ?ぴぎゃぁぁ!!」


雷が落ち、


「……」


「ぺしゃん!!」


岩をフウヤの頭上から落とし、ぺしゃんこにした。……うん。これは間違いなくそうで、とても嬉しいことだけど。


「問いかけるのはやめよう……」


フウヤの二の舞になりたくない。





「じゃあ、レンドくんもミレンちゃんの魔法、少し限定的だけど使えるようになったと。うん。いい戦力強化だ」


「だね。……ふわぁ、眠いよぉ……」


「話聞くと、ずっと動いてたんだろ皆。もう寝たらどうだ?」


「ん……お言葉に甘えて……おやすみー……」


アキハさんが一番に眠った。……。


「アレスタ・フォートレス、毛布」


早速呪文を唱え、アキハさんに毛布をかける。……。


「基本的には私に任せて、レンド。この魔法、結構魔力使うから」


「うん。身に染みて理解したよ」


「見張りはどうしましょうか?」


「セオリー通りにいくと、交代が理想ですが」


「いや、おれが見張りに立ってるから大丈夫。寝てていいよ」


「いいの、水にぃ?」


「おれは鳥に連れ去られたぐらいで、殆ど体力使ってないからな」


「じゃあお言葉に甘えましょうか。……念のため言っておきますけど、寝てる時に手を出さないでくださいよ」


「そこは安心して。寝込みを襲う卑怯なコトはしないさ。そういうのはお互いに了解を得てから」


「お先に失礼します。おやすみー」


「じゃ俺も……おやすみなさーい」


「……zz」


ミズヤさんに任せて、俺達は就寝した。





「……よく寝てんな、皆。お前は寝なくていいのか、フウヤ?」


「うん。オレもほとんど戦ってなくて動いてるくらいだったし。……それに、水にぃと話したい気分だったから」


「……そうか」


「あ、言っておくけどホモ的な意味じゃないから」


「注釈いれなくても分かってるよ」


「……オレ達がここに来た目的って話したよね」


「お前らがお世話になってるディブトーニとレーテリアの国にちょっかいかけてる奴を叩きのめす、だったよな」


「うん。……多分、この国にいる敵を全員倒しても、根本的な解決はしない。黒幕は別にいる」


「…………」


「思ってたより長く、苦しい戦いになりそうなんだ。だから……厄介事に巻き込んでごめんね、水にぃ」


「なーにを今さら。お前ら姉弟に関わったら大体厄介事に巻き込まれるんだ。もう慣れっこさ」


「惚れた弱みは辛いね」


「ぶっ飛ばすぞ」


「それは勘弁して。……それとさ」


「ん?」


フウヤが何かを話す。ハッキリと話してるのに言葉が聞き取れない。眠いからか、それとも俺がその言葉を受け入れられないからなのか。


「…………」


「もちろんこれは、万が一の話。オレとしてはそうならないように最大限努力するし、別で希望もある。だからもしもって事で聞いて欲しい」


「……分かった。でも、嫌だな。それ」


「うん。オレも嫌だ。だからそうならないようにする」


「……もう寝な。明日に響くぞ」


「……うん。おやすみ」


フウヤがミズヤさんの元を離れていく。同時にそっと忍ばせていた聞き耳の緊張が解け、急激に眠気を誘発した。


「……」


フウヤ、何を言ったんだ……?





「……大丈夫。絶対にお姉ちゃんが守るから」

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