表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/74

ディブトーニ・レーテリアの専守戦 1

「おっ、よーやっと見えてきた」


アクセサリーをジャラジャラ鳴らし、馬に乗ったロレットが気だるそうに呟く。


「アレだよなー?今回攻め落とすディブトーニとレーテリアってのは」


「そうです。……ですがロレット、もっとしっかり気を張り詰めてください。実力ある七紅魔とはいえ、足元掬われますよ」


「へーへー。ったく、クミールはお堅いねぇ、昔っから。色気の無さは変わらねぇっての」


バシン!!と鞭がロレットの馬に当たる。


「あっ、おいバカ!馬に当たんな!」


「くだらない事を言うあなたが悪いのです」


「……短気め」


「そろそろ兵士にあれを。もう近いですから」


「おーう。んじゃ、やっとくわ」


ロレットが後ろを向いている間、私が前に出る。


「……っ、ロレット」


「あん?なんだよ」


「……予定を変更します。私達は西からではなく、北から崩します」


「……なんだよ。やべぇのでもいんのか?」


「ええ。キッシュですら警戒する相手です」


優柔剛健。……気迫で分かります。噂通りだと。ただ……、


「……一人?」


何か狙いが……?






――ディブトーニ・レーテリア陣営――


「レール殿達は西東を!私達は南北を守る!」


「了解した。……皆の者、必ず生きて戻るぞ!」


『うぉぉぉー!!』


「クルックル。出番か。腕が鳴るな」


「気ぃ抜くんじゃないわよー」


「アンタが言う?それ」


「レービル、レビィ、レミール。キミ達は東を守ってくれ。私は父と共に西を守る」


「ちょ、レーちゃんも出るの!?」


「ここで戦わねば皇帝とは言えまい。……頼めるか、レミール」


「っ、そ、そりゃレーちゃんの頼みなら死んでも守るけど……」


「大丈夫だ。父上もいるし、ビードル殿もいる」


「任せてください。レールさん達は死んでもお守りするっす!」


「……約束して。生きて戻ってくるって」


「勿論。妻にもう一度会うまで死ぬつもりなどないさ。……ところで誰か、サウダールを見なかったか?」


「宮殿の広間にいるわ。待ってるように伝えてる。お利口さんだから大丈夫よ」


「そうか。助かった、レビィ」


「はいはーい」


「……」


「クルックル。なにやら剣呑な雰囲気だが戦は待ってはくれんぞ?さあ我が優秀な部下達よ!我の勇姿、後に語り継ぐため参るぞクルックー!!」


『うぉおー!!』


「……私達も行くわよ、レミール」


「……。ええ」


レール達、レーテリア側の兵士が戦線に向かう。


「私達は例の作戦通り、南を守るぞ。北は彼に託そう」


「……すみません、隊長」


「なんだ、ハドソン」


「……言うか言うまいか、ずっと迷っていました。……実は――」


「――――っ!!」


ハドソンが隻眼の兵士達に伝えた真実コト。それが後の戦局を大きく変えた。





――ディブトーニ・レーテリア国、北側の壁――


「……始まったか」


フウヤの作戦。それは四方のうちの一つ、北側を俺に守らせるというもの。……ふっ。


「……同情なんてものではないな。アイツの目から分かる。あれは単に誰も死なせたくないだけ。その為に持てる戦力を使う。ただそれだけ。……が、見誤ったな」


フウヤの作戦には一つ、条件があった。それは窮地と判断したならすぐに応援を呼ぶこと。その為に兵を三人つけていたが。


「……すまんな」


兵はもういない。ここに居るのは俺だけ。


「……」


馬の駆ける音が響く。……百、千か。


「…………」


待たず、駆け出した。己の罪を清算する為に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ