表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/21

10 本屋にて

大変お待たせしました。

今年もよろしくお願いします。

 自分の為に生きて良い。

 自分が幸せになって良い。

 家族も友達も他人の事も、その後考えれば良い。


 だって、自分が幸せで満たされていれば、嫌でも

 周りの人達に、

 家族や友達に、

 他人に、社会に、


 ……優しくできるのだから。


 だから、まず、

 自分を幸せにする事を考えて良い。

 あなたは、自分を最初に幸せにする事を、

 考えて良いのだ。





『うん、そう、これこれ。』

『これ? 』

『うん、この時代は、これで良いの。』

『この時代? 』


『あー、戦争がある時には、まず自分が生き残らなきゃ、いけないからな、嫌でも自分の事ばかり考えるだろ? 』




 コンちゃんが言うには、戦争があると、人の気持ちが荒れる。

 他人を押し退けてでも、生きていかないと。

 だから、平和な時代にする為には、自分より、他人や社会を思いやる気持ちが大切だ、と教えた。

 しかし、今の時代は、それが行き過ぎて、自分を疎かにしてしまう。



 それでは、意味が無い。



 自分を磨り減らす事なかれ。

 自分を粗末に扱う事なかれ。

 お前達は、神の作りたもうた宝物。

 宝物の様に、己を扱うべし!

 命を軽んずべからず!



『そしたら、自分と同じように、周りを大切にできるんだな。簡単だろ? 』

『……。』

『なーんーで、人間てのは、こう極端なのかな!? 』

『極端? 』

『真面目過ぎる奴と、遊びすぎる奴。あー、語弊があるな。言い直す。善人過ぎる奴と、悪人過ぎる奴。ゼロか100。』

『? 』


 ため息を付いた後で、吐き出す様に続ける。



『普通で良いんだよ。必要以上に良い人ぶらなくていいし、本当の意味で自分を幸せにしようとすれば、犯罪なんてしなくて良いはずなんだよ。ありのまま。自然体。本当は、幸せになるなんて、楽で簡単なのに。』


『……。』

『あー、まあ、例外もあるから、そこは、俺達も頑張ってる、ってわけよ。分かる? 』





 本のページをペラペラめくりながら、しばらく考えて、私は答える。


『それができたら、苦労しないよ。でも、さ。』

『おう! なんだ? 』

『そんな風に生きていきたいよ。これからは。』

『……うん。』

『嘘付くのも、見栄を張るのも、人目を気にし過ぎるのも。もう疲れた。』


『おう、やめなやめな。散々やって飽きただろ? 』



 笑うのを完全には我慢出来なくて、口元が緩む。

 数冊の本を手に取り、レジに向かいながら、応える。


『うん、もう、良い人ぶるの、やーめた! 』

『おう、よくやった! それでいいよ。』





 そして、会計をしようとレジ店員の前に立つと、名字を呼ばれた。

「……様? 」

「? はい。」


 ……おかしい。

 クレジットカードはまだ出していない。

 何故この店員は、私の名前を知っているのだろう。

 男性店員の顔を見上げてみると、にっこりと微笑んでいる。



「? ……! あーーーー! 」

「久しぶり、元気そうじゃん。」




 そこにいたのは、大学の先輩だった。

ありがとうございます。

何かありましたら、お知らせ下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは、もしや、未来の夫っ……!? コンちゃん、名言を言う、の巻。ふむふむ、いろいろ考えてて偉いね~。私も進路とか、考えないと……!(焦り) コンちゃんって、毎日……四六時中そばにいるも…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ