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9 久々の外出

大変、お待たせしました。

投稿してない時も、読みに来てくれる人がいた!

すごく嬉しかったです。


 次の日、良く晴れた爽やかな日だった。思いきって、家の外に出る事にした。


 歯を磨いて、シャワーを浴び、久々にパジャマやジャージ以外の服を着た。軽く化粧をし、髪をセットする。それだけで、人間に戻れた気がした。


『ぷくくくく! 』


『……何笑ってんの? 』


『いやー、「人間に戻った気がする」って、今までも人間だったのに! ウケるー! と、思って。』


『はあ? 』


『はい、ごめんなさい。何でもありません。……恐いんだよ、人間の癖に。』


 神棚は、実家に戻った時に、兄に頼んで、居間の壁に設置してもらった。

 ダルマは、……未だに紙袋の中に入っていたが、コンちゃん曰く、


『これはまだ、使わなくて良い。使う時が必ず来るから。』


『白いダルマは、仕事運・勉強運でしょ? 私が、いつか……。』

 と言いかけると、


『あー、まだ確定じゃないから。いつかのお楽しみ、だ。さあ! 出かけよう! 』


 また、ごまかされた気がする。まあ、いいか。





 久しぶりに外に出た。季節は、いつの間にか変わっていた。

 引っ越した時には、コートが必要だったのに、今は、長袖と半袖を着ている人が、半分ずつだ。

 横断歩道の前の花壇には、タチアオイが、赤や薄紅の花を咲かせているし、藤棚を見上げれば、紫と白の花が、終わりかけている。

 今年の花見は、部屋の窓から遠くの公園の桜を眺めていた。

 花粉症を理由に、2ヶ月くらい外に出なかった。





 久しぶりに外に出ると、やはり、気分が良い。

 外の空気を吸っても、鼻水が出ない!

 目がかゆくない!

 喉が痛くない!

 花粉症の季節が終わって、最高の気分だ。




 実家から、歩いて10分の位置にあった本屋は、無くなってしまっていた。去年閉店したとの、張り紙がシャッターに貼ってある。知らなかった。


 仕方無く、歩いて20分の位置にある本屋に行く。

 すっかり身体が、なまってしまい、ゆっくり歩く。

 胸の音が、嫌にドキドキと鳴るので、時折立ち止まって深呼吸する。

 35分もかかって、たどり着いた。

 もっと、近場にすれば、……せめて、途中でバスに乗れば良かった、と反省した。




 本屋に着くと、目に入った本の題名がおかしい。


『ごんぎつね』 新美南吉 作

『狐狩りの歴史』

『神社特集〔稲荷神社 編〕』

『どうぶつ辞典―きつね』

 他に、『童話きつねくんシリーズ』の一作目から、新刊が並んでいるのが、目に入る。


 ……妙な気分を覚えて、発売になったばかりの、時代小説を手に取ると、稲荷神社がどうこうという内容だった。




 押しの強い狐さんに、心の中で、語りかけてみる。


『コーンーちゃーん? 』


『おう! 何? 』


『何か、こう、コンちゃんの影響を、ひしひしと感じるんですけど。』


『うん! 気のせいだな! 』


『……気のせいなの? 』


『おう! 気のせいだ! 』


『……。』


『俺様は、なーんにもしてないよ? 』


『……ほう、なーんにも? ですか? 』


『おう! なーんにも! だ! 』


 嘘つき狐は、放っておくことにする。

 心のままに、あれこれ手に取っては、パラパラとページをめくり、また隣の棚に移動するのを、繰り返す。




 ビジネス本や、エッセイを読んでいると、昨夜(ゆうべ)コンちゃんと話しながら、ネットサーフィンした時に見つけた、ブログのブロガーの本があったので、幾つか手に取って目を通す。


 自己啓発系のブロガーの言う事には、自己肯定力の強い人が、幸せになるのだと、異口同音に書かれていた。

 日本人の美徳、謙遜は、決して自己を卑下する事と、同じでは無い。

 自己肯定するのと、客観的評価は、イコールでは無い。

 否定したくなるダメな自分をも、受け入れ、受容する事こそ、大切な事だ。


 ……うーん、初めて知る概念ばかりで、頭の中が混乱してきた。

 1番心の中に、ストン! と、入ってきたのは、


「自分が幸せになる事を、1番に考えて良い。自分が幸せにならなければ、他人を幸せに出来ないのだから」


 という、文章だった。





ありがとうございました。

何かあったら、教えて頂ければ嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] きつねさんシリーズ(笑) ごんぎつねは、私も小学生の頃に教科書に載っていて、読んだ記憶があります。確か、小四くらいの時ですね。 え、夫、夫……。コンちゃんのことは、どうするんだろう?二人の、…
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