閑話 コンちゃん、叱られる?
大変お待たせしました。
……待っててくれた奇特な皆様、2ヶ月近くお待たせしました!
本来もっと先の方で、出る話なのですが、閑話として、出す事にしました。
本編の方で、行き詰まってまして…。
「これ、誰? 」
な、人も出てきますが、あまりお気になさらずに。(苦笑)
「申し訳ございませぬ!」
ただ、ひれ伏すのみの、コンちゃん。
和服に身を包むも、着流しでは無く、白い唐衣に黒い烏帽子姿。
因みに、耳も尻尾も、ふにゃん、と力無く垂れ下がっている。
只今、神様にお叱りを受けている。つもり。
対する上座には、光輝く白き姿。
珠を転がす様な、とか、鈴を転がす様な、と例えられる美しき声で笑う。
コンちゃんのご主人様である。
「ほほほ。そなたが、かような失言をするとは、思わなんだ。」
あくまでも、穏やかに微笑み続ける主に向かい、ひたすら平伏し続けている。勿論、顔を上げる事等、出来ないままに。
「お叱りは、甘んじて! お許しを願うのも、厚かましき事ながら、全ては我の過ちにて御座いますれば! かの者には。」
「面を上げよ。」
上げられる筈もない。元々、合わせる顔等無い。
実は、お調子者キャラは、本来の性格では無い。
守護する者に対して、気を楽にさせる為に、わざとやっている。
云わば、『ビジネスキャラ変』であり、本来のコンちゃんは、これ以上無く『真面目な良い奴』なのだ。
それなのに、口を滑らせて、社外秘情報をうっかり漏らしてしまったのだ。
まだ、言って良い事ではなかった。
更にコンちゃん、あの人間には、平社員とか言っているが、実は高位の券俗であり、かなり優秀である。
だからこそ、自分の失敗が許せない。
「……お見苦しき、この面に御座いますれば。」
「良い。面を上げよ。」
主に、二回言われたら、寧ろ顔を上げぬ方が欠礼になる。
仕方無く、顔をのろのろと上げる。
「ふふふ、かような顔は、もう、やめよ。怒ってもおらぬし、悲しんでもおらぬ。大した事には、ならなかったぞ。」
温かく微笑み、優しく諭す様に語りかける。
「良かれと思うて、した。そうであろう? 」
もういっそ、馬鹿、阿保、ドジ、間抜け、と、罵ってくれれば良いのに。
この主は、どこまでも優しい。
だからこそ、どこまでも仕えたいのだ、けれども。
「間違えるは、誰しもある。そなたも。かの者も。それ故に、天の有る故を。」
「……罰を下さりませ。」
「不問に処す。」
「然れど! されども! 」
「不問! と、言うておる! 」
畳み掛ける様に懇願するも、わずかに声を荒げてしまわれた。
主を怒らせた。
これ以上、もう何も言えない。
「畏れ入りまして御座いまする。」
「良く、面倒を見てやれ。頼んだぞ。」
「……仰せの通りに致しますれば……。」
「良しなに、のう。」
この台詞は、『話は終わりだ。下がって良いよ。』という意味だ。帰らなければ。
再びの平伏。
「御前を、御免下さりませ。」
「ご苦労であった。」
「ま、気にするなって! あいつも分かってるよ。……俺様も、今回は、ちょっとだけ叱られちゃったし。」
「コンちゃんがあんな事言うから、いけないんだよ? ん? 怒られちゃったの? 」
「うん、まあ、……呼び出されてな。でも、あんまり、怒られなかったんでなあ。」
「ああー、それ、余計にツラいね。」
「お優しいからな、ちょっと注意された位だよ。」
「コンちゃん、私も悪かったよ。次からは、お互いによく確認しようね。」
「確認は、大事だなあ。……俺様も、悪かったな。ごめんよ。」
コンちゃんが、謝るなんて。珍しい。
でも、そんな事をからかえる雰囲気でも無い。
珍しく少し落ち込んでいるのが、分かる。
「お互い、辛いなあ。ま、気にするな。数日のガマンだ! 」
「数日? 」
「おう、 3日くらいだな! 」
「それは、聞いても良かった情報? 」
「……多分大丈夫だって! 」
「……。」
……呆れ顔で聞いたけど、実際に三日後に、夫の機嫌は直る事になる。
やっぱり、『コンちゃんはすごい』と思った私であった。




