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ラプンツェル34

 赤ずきんのシャルルと共鳴融合シンクロに成功した王子たかしは性転換をして男から女になっていた。

 胸元には立派なモノが付いており、逆に下半身にはあるはずのモノがなくスッキリとしている。

 手足も細身となり、顔立ちが男から女の小顔へと変化しており何処かのアイドルと言われても納得出来る程の美形だ。

 手鏡を覗いてる俺ですら一体誰なんだと頭の中が真っ白となっている。

 王子たかしの叫び声も男から女になっており、叫び声というより痴漢に襲われた時の悲鳴に似ている。


「タカちゃんが女の子になっちゃった」

「これは兄さんというより姉様です」

「ニャッハハハハ、これはこれは良い情報収集になるにゃ」

「王子様?いえ、王女様ですわね」

「ぷっくくくくく、王子たかしが女に。ひぃー、腹が苦しい」

「おい、そこ笑うな。メリッサ後で覚えてろよ」

「わっははははは、笑わせないでくれ。その声から男口調でとか笑える」


 呆然となっていたメンバー全員一人一人思う事を言った。ゲーム内でもまさか男女逆になるなんて誰も思わないだろう。

 王子たかしと同じく共鳴融合シンクロを行ったシャーリーは男キャラである桃太郎と行ったはずなのに性別は女のままだ。

 何故、俺だけなのだ。スカートが現実リアルにスースーとして恥ずかしい。


 パシャパシャ

「おい、シャーリー何を撮っている」

「これを逃すにゃんて情報屋失格にゃ」

「シャーリーさん、それ私に現像してください」

「あっ、オレにも」

「恋人の方が先だと思うな」

「王子様の写真欲しいです」


 シャーリーがスクショで王子たかしの赤ずきん姿を撮影している。

 スクショを止めさせようとしてもレベル差があり過ぎて掠りもしない。

 それに加え、回避しながらベストショットと言っても過言ではないスクショをシャーリーは連続で撮り続けている。

 やはり武闘家の最上級クラスである武神には近接は敵わない。それに今現在のシャーリーは共鳴融合シンクロをしているから余計に手に負えない。


「くそ、これならどうだ」


 追うのがダメなら新しく身に付けた力で追い付くしかない。そう今の王子たかしの両手には二丁拳銃が握られている。

 赤ずきんシャルルの装備を構える。二丁拳銃を構えて王子たかしに分かった事がある。

 それは、近距離でやっていた時よりもシャーリーの動きが手に取るように見て取れる事だ。

 これが赤ずきんシャルルと共鳴融合シンクロした結果だろう。命中率が上がった福次効果で、相手の動きが見え易くなっている。


「喰らえ、ダブルショット」


 2つの弾丸は確かにシャーリーを捉えていた。回避不可能で当たるはずであった。だが、シャーリーはその上をいく。

 2つの弾丸を刀でたった切るという離れ業をやり遂げた。盗賊であるフローラと格闘家であるメリッサにもなんとか目で追えていたが、ただそれだけで息があがっている。


「すげぇ。弾丸を切るとか、そんなのアリなのか!」

「シャーリーさん、マジパネェ」

「にゃふふふふ、このシャーリーちゃんに掛かれば弾丸を切るなんざ、お茶の子さいさいにゃ」


 調子に乗ってるようなので、弾丸一発をシャーリーの眉間に向けて発射した。


「にゃふぅぅぅぅぅぅぅん」


 見事に命中し、弧を描き吹き飛んだ。グロテスクな映像にはならず血は吹き出していない。

 ただ、地面着地した際に十数mを盛大に転がり大木へドスンと当たった後、停止した。

 死んだかと内心で思いしたが、ヌラリとゾンビが起き上がるようにゆっくりとシャーリーは立ち上がる。


「い、痛いにゃぁぁぁぁぁぁ!死ぬかと思ったにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「チッ、死んでなかったか」


 シャーリーに聞こえないようにボソッと王子たかしは呟いた。だが、地獄耳のごとくシャーリーには聞こえていたようだ。


「今、舌打ちをしたにゃ?」


 某有名陸上選手もビックリな脚力で、王子たかしに詰め寄るホラーに出て来そうな表情になってるシャーリー。

 マジで怖い。某有名なホラーゲームみたく間違って打ってしまいそうになる。


「ご、ごめんって。まさか命中するとは思わなくって」

「それもそうにゃ。言われて見れば何でにゃ?」


 シャーリーにも分かってない様子だ。何気無い発射した弾だが、何故かシャーリーには認識出来なかった様子だ。


『王子様、私がお答え致します』

「えっ?」


 何と頭に直接声が響いてきた。それもこの声は、赤ずきんのシャルルの声ではない?!


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