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七十七話ラプンツェル17

更新遅れてすみません。


 最初は渋ってたが王子たかしが一緒だからと承諾してくれたのだが塔を降りる際、困った事が発生する。それは、ラプンツェルはどうやって塔の外へ降りるのか?っていうのが問題だ。

 今まで王子たかしを含めたプレイヤーはラプンツェルの髪が、あの文言を言うと自動的に降りて登り降りが出来た訳だ。それに、ラプンツェルの髪無しで降りると自殺判定され死ぬ事になる。

 最初ラプンツェルの髪を使い俺が降りる(後から降りては俺が死ぬからだ)。俺が地面に足がついたのを見計らってラプンツェルが自分の髪を自由自在に使い、俺の見様見真似で壁伝いに降りてくる。

 途中途中危ない箇所がありはしたが、どうにか地面に足をつく事が出来た。初めての地面の感触にラプンツェルはジャンプしたり、寝転んでゴロゴロと地面を転がる。そして、最後に一粒の涙を流した。


「嬉しいですわ。今までこんな素敵な事を知らずに生きてたんなんて」


 今までは窓越しから眺める事しか出来なかったのに、今はそこに自らの足を踏み入れ立っている。これ程嬉しい事はない。そういう事柄から流れた涙である。


「あっはははは、喜んで貰えて俺も嬉しいよ。だけど、今感動してちゃ体がもたないよ」


 街に行けばラプンツェルが初体験や初めて見る物が山程あることだろう。それに偶然か否や今日街で祭りが開催されるという。シャーリーからの情報だ。祭りが始まる時間は、今から向かうとちょうど始まる頃だ。


「楽しみですわ。王子様♪エスコートお願いしますわね」


「あぁ、お任せください。お姫様」


 俺はラプンツェルの手を繋ぎ街へ歩き出す。流石にラプンツェルには戦いさせたくない。という事で森を避け遠回りに街へ向かう。


「ほら、あれが街だよ」


 街に入るための門が見え、外にいてもいつも以上に人々の声が聞こえてくる。街の住人が祭りにテンションが上がってるのが嫌でも分かってくる。

 俺とラプンツェルが門を潜ると、日本でのゲームだからか日本風に提灯が街のあっちこっちに飾られおり住人も浴衣を着て右往左往してる。それに屋台が出店しており何ともいえない香りが漂ってくる。


「うわぁ、これが街なのね。人がいっぱいで今日は何かありますの?」


「あぁ、ちょうど今日が祭りのようだな」


「祭り?祭りってなんなの?」


 一歩も塔の外へ出た事のない箱入り娘なのを忘れてた。祭りを何て説明すれば良いだろうか?簡単な言葉程何気に説明するのは苦労するもんだ。


「あぁ~、そうだな。祭りっていうのは………そう、人がたくさん集まって………アソコに出てる出店で買ったり踊ったりして、ワイワイとはしゃぐもんかな?」


 自分で言ってて訳解んなくなってきた。これで理解してくれるだろうか、不安だ。


「成る程!な、何となく理解出来ましたわ」

 これは高確率で理解出来てないだろう。


「皆さんが着てるのは何ですの?」


「あれは浴衣だな。祭りの時に着る服だね」

 ここら辺にいるのはNPCだろう。一応気になり鑑定で確かめたが、推測通りにここら辺にいるのはNPCで、浴衣は装備扱いだった。限定装備かNPCの固有装備のどちらかだろうと考えていたところにラプンツェルから声を掛けられた。


「王子様、あの店は何?」


 ラプンツェルの指した方向を見ると『浴衣レンタルショップ』と看板に書いてある。そして値段の項目に『一着につき10円』とデカデカと目立つように書いてある。


「えっ?何でゲームでレンタルショップ?しかも激安!」

 ゲーム内でまさかレンタルショップがあるとは思わず、つい叫んでしまう。しかも課金だが、10円と安く期限が定められてない。


「王子様?急に変な言葉を叫んで大丈夫?」

 まさか箱入り娘のラプンツェルに心配されてしまった。それに言葉を意味を理解されておらず、変な人を見るような目で見詰められている。


「だ、大丈夫大丈夫(そ、そんな目で見詰めないでぇぇぇ!)」

 精神的ダメージを受けながらも、どうにか自分を落ち着かせようとする。


「ゴホン、えぇ~あの店は浴衣………ここの人達が着ている服を借してくれるんだ。ラプンツェルも着るかい?」


「えっ?良いんですか?嬉しいですけど、高くないですか?」


 ラプンツェルは、お金を使った事もなければ買い物もないせいで、物価が高いか安いか分からない。そのお陰で王子たかしは男としての見栄を見せられる。


「まぁ少し高いけど、ラプンツェルの浴衣姿を見れるなら安いものさ。俺も着替えて一緒に浴衣デートとしゃれこもうじゃないか」


 ボンと音がした気がした。

「お、おおおおおお王子様とで、でででででデートですか!」


 ラプンツェルの顔が瞬間湯沸し器みたいに真っ赤に染まり、慌てふためいている。塔の中では大胆な行動を取っていたりしたのに、まさか外でこんな可愛い生物に変化するとは思いもしなかった。


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