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六十六話・ラプンツェル6

「王子様のナデナデ上手なの♪私にはお母さんとお父さんいないから今まで撫でられた事ないから。こんなに気持ちいいとは知らなかったの」


 ふむ、妖精にララをあげてしまったという本当の産みの親か。ラプンツェルのオリジナルでは、妖精の家の庭に生えている"ラプンツェル"を盗んでその代償としてララ(ラプンツェル)を明け渡す以降登場していない。

 なので、オリジナルでは両親の生死はハッキリしていない。が、今のララの年齢から考えてみるにまだ生きてる可能性はある。

 王子たかしはララに本当の両親に会わせてあげたいが、一番の難問が妖精だ。あの妖精をどうにかせねば、おそらくこの塔から出る事は不可能だろう。

 今はまだ無理だろうがいずれ妖精を倒す事になると王子たかしはふんでる。まぁララと仲良くなっていけばいずれ妖精討伐のクエストが出るであろう。


「俺が………俺がララのお母さんお父さんにどのくらい掛かるか分からないが、いつか会わせてやる。必ずだ」


 ふぅ、格好良く決まったな。これで少しでもララと距離が縮まれば良いな。まぁ元々人見知りしないような性格だし、問題ないだろう。


「えっ!私にお母さんお父さんいるの!でも、おばあちゃんは昔事故で死んだって………」


 あのクソバアァめ、とんでもないウソを教えやがって。

 でも、ララにとっては育ての親みたいなものだしな。一緒に過ごした時間が信頼を育てたのだから、ララと妖精の信頼を直ぐに壊す事は不可能だな。

 まぁオリジナルでは、実際の時間は不明だが王子とラプンツェルの間に性行為があり、ラプンツェルが妊娠した事が妖精にバレて一気に信頼関係が壊れた訳だ。

 俺も正攻法で行くとすれば、ララと仲良くなり性行為で妊娠させれば良いのだが、GWOでは子供を産ませる機能があるなんて聞いた事がない。

 つまり、子供が産まれないとすればそれ以前に妊娠も出来ないって事になる。

 赤ずきんやシンデレラもオリジナルと全然違うところが合った訳だし、ラプンツェルもGWO特有なストーリーが用意されてるかもな。


「君の事を悲しませなくて、そんな優しいウソをついたんだよ。きっと何か都合があっておばあちゃん(クソバアァ)に預けたんじゃないかな」


 本当は野菜のラプンツェルを盗んだ代償として出産直後にあげた訳だから俺も少しウソを付いた事になるが、ウソも方便って言うしな。少しくらいなら良いだろう。


「本当にいるなら会いたいな。どんなお母さんにお父さんなんだろう」


 本当に今でも生きてる保証はないが、今でも何処かにいるという希望を持てただけでも御の字か。それに、ララの笑顔は癒されるから涙は似合わない。だから、絶対妖精をどうにかして両親を見つけやると密かに誓いをたてるのである。


「そうだ、王子様の話を聞きたいな。ねぇ、良いでしょう?」


 俺の話か。そうだな、現実リアルでもGWOでの冒険の武勇伝とかを話してやろうかな。特段楽しくはないと思うが、ララのご所望だし聞かせてやろうか。

 あっでもどうしようか。何故か急に恥ずかしくなってきた。自分の事を話す機会なんて滅多にないから。


「俺の話を聞きたいのか?そんなに楽しいもんじゃないと思うが………」


 少し焦らすような聞き方でララの様子を見て話すかどうかを決めよう。ヘタレと呼びたければ呼べ。逆に話して嫌われたくないんじゃぁぁぁぁぁ


「それでも聞きたいの。楽しいとかは聞かないと分からないじゃない。私が決めますわよ」


 くっ、そう来たか。さてどうしたものか?こう言われたら自分の武勇伝を話せざる得ないではないか!それにしても………何気に強気な性格であるのを初めて知り焦らした事が逆効果で失念してしまった。


「はぁ~、分かった分かった。俺の事を話してやろう」

 と、苦笑ぎみに話す事を了解した。


「わぁーお、ありがとう。王子様♪」

 ララの方はというとスゴい笑顔で王子たかしを抱き締める。その際にポヨンポヨンと柔らかい感触が伝わって来る。何ともまぁパーティーメンバーの誰よりも柔らかいかもしれない。


 こうして、ララに王子たかしは自分の事を結局話すになった訳だが、まずは先に現実リアルの話をしよう。

 現実リアルの話になると………長くなるので今の高校生活、バイトに家族の三点を話す事にしたのだ。ただし、最初の学校での話をしたところで予想外の話へと進む事になる。


「まぁ♪王子様は学校に通ってるのですね。私なんかずっと塔の中で羨ましい限りですわ。

 それに、友達もたくさんいる様子で王子様の友達なら会いたいですわ。今度連れて来てくれませんこと?」


 王子たかしの手をギュット握り、しかも瞳がキラキラと輝き懇願してくる。

 おい!シャーリーよ、全然話が違うじゃないか。何が一人用のキャラクエストなんだ。このまま話が進むと複数人のクエストへと発展する勢いなんだが。


 ━━━━クエスト更新━━━━


 ・クエスト内容:次回来る時に他の者も連れて来る事


 以下内容は前回と同様とする。


 うん?おい!運営よ、少しはしょりすぎないかい。前回って報酬に関しては???だったし、まぁ同じなら楽で良いけど………

 一応、クエストは更新した事だし、ここら辺が今日の潮時か。あのバアァが来て、バッタリと会ったりしたらクエスト失敗の可能性大だからな。ララにはまた来ると約束して去るとするか。


「はい、来るの楽しみしてますわ」

 ララの了解も取れ来た時と同じようにララの髪をロープみたく降りて、みんなと合流するのであった。


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