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六十一話・ラプンツェル2

「みなさん、お待たせしました」


 最後にニムエが来て、これで全員が集まった。今日は攻略・冒険というよりは会議が主になるだろう。まだどこに行くか決まってないのだから。


「さてと、次は何処が良いかな?」


「ラプンツェルが良いにゃ」


「ほう、その心は?」


 シャーリーのことだから何か情報を集めて言ってる事だろう。ラプンツェルというと………魔法の髪を持っており自由自在に長さを変えられる少女の話だ。だが、一般に知られてる話とオリジナルでは相違がある。

 その違いはまた話す事にしよう。


「第一に難易度が比較的優しいのにゃ」


 ほう、簡単なのか。それを先に言え………… いや、シャーリーと会ったのはシンデレラの途中だ。もし、途中で教えてもらっていても引き返す気はなかっただろしな。


「第二に内容もシンプルなのにゃ」


 そうなのか、シンプルなのは良い事だ。童話に関する事は別として、パズルや頭脳戦みたいな複雑なのは苦手だからな。


「第三に………はにゃんでもないにゃ(ニヤリ)」


 言おうとした事を言わないのって超気になるんですけど………あっ!あの笑顔はわざと何か隠してるな。でも、こんな場合のシャーリーって面白がる性格だからな。たげど、このメンバーの中で古参であり高レベだから文句は言えない。


「よし、みんなもラプンツェルで良いかな?」


「兄さんの決定なら従います」


「タカちゃんについて行くよ。恋人だしね」


「オレも賛成だ」


「王子様にいる所が私のいる場所です」


「王子様の敵は私の敵です」


「王子様の行く所には何処でも行きます」


 どうやら反対はないようで、取り敢えず良かった。と思うのも少しの間だけであった。この先、修羅場と化す場面になるとは一人以外知るよしもなかった。


 ━━━ラプンツェルの話世界━━━


 長年子供がいなかった夫婦に、ある時やっと子供を授かる。妊娠した妻は隣に住む妖精の庭のラプンツェルを食べたくてたまらなくなる。

 食欲がなくやつれた妻に「ラプンツェルが食べられなければ死んでしまう」と懇願された夫は、妻と生まれる子のために妖精の敷地に忍び込むとラプンツェルを摘み取りにかかり、一回目はバレずにラプンツェルを盗む事に成功した。更にラプンツェルを懇願された夫は、もう一回忍び込むと今度は妖精に見つかってしまう。

 しかし夫から事情を聞いた妖精は、好きなだけラプンツェルを摘んでもいいが、子供が生まれたら自分に渡せと言う。


 やがて妻が生んだ女の子は、即座に妖精に連れて行かれる。ラプンツェルと名付けられた娘は、森の中に築かれた入り口のない高い塔に閉じ込められる。

 妖精はラプンツェルの見事な長い金髪をはしご代わりに、窓から出入りしていた。そんなある日、森の中を歩いていた王子が美しい歌声に引かれ、塔の中に閉じこめられたラプンツェルを発見。妖精と同じ方法を使って塔に登る。

 はじめて男性との性交渉を知ったラプンツェルは驚くが、やがて愛し合い、妖精に隠れて夜ごと王子を部屋に招き入れて頻繁に性交を行う。その結果ラプンツェルは妊娠してしまう。


 妊娠したラプンツェルに激怒した妖精は金髪を切り、森の奥へと放逐してしまう。後日、搭へと来た王子に妖精は罵倒し王子は搭から身投げして盲目になってしまう。

 七年間さ迷う王子は男女の双子と暮らすラプンツェルを発見、涙が流れ王子の目に落ちた瞬間視力が戻ると、自国へと帰りラプンツェルと幸せに暮らしたのであった。


 とラプンツェルのあらすじのナレーションが流れ終わると王子たかし達はうっそうと茂る森の中に立っていた。


「ここがラプンツェルの話世界ストーリーワールドか」


「この森を抜けたところに搭があるはずにゃ」


「詳しいな。来た事あるのか?」


「もちのロンにゃ。情報屋として現場で確認しないとにゃ」


「シャーリー、一つ質問良いですか?」


 王子たかしの妹:フローラが挙手する。


「にゃん?何だにゃ」


「あなたの諜報とその戦闘力があれば、一人くらい童話キャラがいてもおかしくないと思うのですが?」


「………」


 フローラの質問にシャーリーは無言になり、情報屋として本当はやってはいけないだろうが目が空中を泳ぎまくり図星だと語っている。


「にゃぁ、フローラちゃんは鋭いにゃ。別に隠してる訳ではにゃかったにゃ。一人持ってるにゃ」


「「「「!!!」」」」


 王子たかしもシャーリーのレベルと情報収集で持っていてもおかしくはないと思っていたが、本当に持っていたとは驚きだ。でも、シャーリー程のプレイヤーでも一人しかゲット出来ないとは、このゲーム難易度高過ぎだろ。

 と、王子たかしは思ってるが攻略時間が速すぎるのと二人をゲットしてる時点で説得力皆無である。



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