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四十九話・シンデレラ36

 連続クエスト終了した事をメッセージで簡易的に伝えるいなや、まだ全員(シャーリーはあの後すぐ戻って来たらしい)ログアウトしてないという事で合流する事になった。


「あっ!ヤベっ、フローラとアテナがカンカンなんだっけ…………い、今の内に逃げて━━━」


「何処に行こうとしてるのです。兄さん」


「そうだよ、タカちゃん何処に行こうとしてるのかな?かな?」


 ちょっ!この二人異常に早くねぇか。今、メッセージ送信したばっかなのに!

 王子たかしの事になるとフローラとアテナは感覚が敏感になってしまうようで、おそらく王子たかしが何処にいても分かる。誰かが名付けたのか不明だが、王子センサーと呼ばれているとかいないとか。


「ハァハァ、二人とも早すぎるって」


「ハァハァ、何か悔しいです。ハァハァ、あの二人を見てると王子様の思いを負けてるって痛感します」


「そんな事ないのです。私は王子様の事については負けるつもりは毛頭ありません」


「ニャハハハハ、ゲホゲホ、モテモテにゃ。この際、ハーレム王国というにゃでギルドを立ち上げるといいにゃ」


 フローラとアテナの二人を追いかけてきたのか息を切らして胸を上下させていた。シャーリーは咳き込むなら無理に話さくても良いのに。


「みんなまで…………シャーリーは後でお仕置きな」


「にゃ!にゃんで!」


 現実リアルではしっかりとしてるのに、何でゲーム内だと何かこう情報屋として真面目なとこは真面目だと思うが俺達とパーティー組んでる時はふざけてる事が多いのは気のせいか?気のせいじゃないだろな。


「ふぅ、それでクエストはクリアしたのかな?」


「あぁ、クリアして進んだよ」


 クリアした事を報告するとシャルルが近づいて来て「クンクン」と犬のように嗅ぎ始めた。


「何か女の匂いがするの」


「それはシンデレラ………エラと一緒にいたからだろ?エラのクエストなのだし」


 ブンブンとシャルルは否定する。うん?何か違うのか?


「そういんのじゃないの。何ていうか……………そう、男と女の体が重なったような感じの匂いなの」


 ギクッ!と王子たかしは僅かに体を震わせた。

 シャルルの言葉にフローラとアテナも近くに寄り匂いを嗅ぎ始めた。お前らは犬かよ。


「クンカクンカ…………確かに女の匂いするね」


「しますね、兄さんどういう事です?」


 二人の笑顔が怖い。あぁ、これはもう百%説教コース確定か。


「なぁ、ステータスに嗅覚ってあったか?」


「にゃいけど…………スキルに"嗅覚強化"あったはずにゃ。しかし、三人は取得してないにゃ。凄いにゃりね。ニャハハハハ」


 笑い事じゃないのだけど。じゃあなに、俺限定で発揮されるスキルみたいなものって事か。うわぁ、ヤダな。


「うぅ、シャルルさんまで羨ましいです」


「ニムエにもその内出来るようになると私は思うね。タカちゃんもそう思うでしょ」


 何で俺にふるんだ!俺、関係なくないか。

 アテナの言葉にニムエもこちらを見て瞳をウルウルとさせている。まるで、捨てられた子犬のようだ。こんな状況でどう答えたら良いんだ!拒否ったらこっちが悪者になりそうだし、肯定したらしたで後々面倒な事になりそうだし…………


「…………で、出来るんじゃないかな」


 あんな目で見つめられたら拒否られないって。ヘタレと呼びたければ呼べやい。


「ほら、タカちゃんもこう言ってるしね」


「はい!王子様のお墨付きなら安心です」


「プックククク、モテて羨ましいな」


 うるさいよ!他人事だと思って…………うーん?前にも似たような事あったような無かったような…………まぁいいか。

 既視感デジャブを感じたがスルーし、この後どうするかとパーティーメンバーと相談した。


「うーん、クエストも無事にクリア出来た事だし、このまま今日は解散でいいんじゃないかな?」


「他にやりたい事あるか?」


 フルフルと全員首を横に振る。これで今日は解散する事に決定した。


 ━━━王子たかしの部屋━━━


「ふぅ、もうそろそろでシンデレラも終わりかなっと」


 時間を確認して見ると、もうそろそろ日付が変わりそうだった。軽く明日の準備をし寝るところで━━━


 コンコンとドアからノックの音が鳴った。俺の部屋に入ってくるのは二人しかいない。さてと、居留守ならぬ寝留守でスルーするか。流石に眠いのでベッドに横たわり掛け布団を掛けタヌキ寝入りを決め込む。というか本当に寝る事にした。


 ガチャガチャガチャガチャ━━━シーーン

 と、ドアノブを何回も回し諦めたのか音がしなくなったが数秒後、カチャカチカチャカチカチャとドアノブとは違う金属音がしたが王子たかしは寝息を立て爆睡とまではいかなくても気づかなかった。それだけ、精神的に疲労が溜まっていたのだ。

 そして、ガチャとドアノブが回りドアが開き、誰かが入ってきたが一切気づく事はなく眠り続けていた。





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