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四十七話・シンデレラ34

「王子しゃまぁ、どうにゃんですか。ふぁたしののこが可愛いかひょうこを出しなさい」


 まだ意味は通じるが明らかに呂律が回ってない。アップルパイを食べて酔っ払ったというのか?材料に酒は無かったはずだが。


「ひぃてるんですか!王子しゃま」


「聞いてるから、一旦落ち着こうか、ねっ」


 エラの綺麗で滑らかな腰程まである髪を王子たかしは優しく撫でていく。愛らしく陶器で出来た人形のように撫でていきエラの瞳はトロォンととろける。と、瞳を徐々に細くなり最終的には瞑って王子たかしの肩に寄り掛かった。今のエラの表情は幸せそうだ。

 今の内にアップルパイについて調べないと、王子たかしはアップルパイをタッチした。


 シャーリーがアップルパイを鑑定してくれたお陰でステータス画面を開けるようになっている。ありがとう、シャーリー様様である。

 そこで何か見落としてないか再度ステータス画面を開き、スクロールを下に移動させると、前回確認したよりも下側へ移動出来る事を発見した。

 そこでスクロールを移動すると、そこには隠しステータスという項目があったのだ。ドキドキしながら、その項目をタッチすると次のように書かれていた。


 ・隠しステータスとは………

 通常必要としない事なので、隠してあるステータスの事である。

 発見できる方法は、まずそのステータスが必要になる事が必須条件である。それとアイテムに限る。

 その条件を満たしたプレイヤーにはまずは『おめでとう』と言っておこう。というか作成者ゲームマスターが、思い付きや悪ふざけで追加さた機能なので、殆どのプレイヤーは存在事態知らないし、もちろん攻略wikiや掲示板にも載ってない。

 知ってるプレイヤーがいるとすれば………発見出来たプレイヤーに限るだろう。

 それでは、そろそろこのアイテムの隠しステータスを紹介しよう。


 ━━━隠しステータス━━━


 ・シンデレラの話世界ストーリーワールドにいる"エラ"が食べると、エラが状態異常:酔っ払いになる。



 えっ!隠しステータスっていうものだから、もっと凄いのを想像してたけど、何だか一点突破というか一点集中というかマニアックな効果だな。もし、エラが男なら誰得な効果になっていたかもしれない。

 と、考えていたら突然メッセージが送られてきた。


『このメッセージを聞いてるって事はシンデレラのエラと仲良く………クエストを進めてるに違いないと思う』


「なっ!このメッセージは………」


『頭が廻るプレイヤーなら、このメッセージは作成者ゲームマスターからだと直ぐ気付くだろ』


 ヤバいヤバい、あまりの衝撃で声が出ちゃったよ。エラは…………「スゥスゥ」と寝息をたてて、どうやらセーフのようだ。


『ただし、このメッセージは録音された物で現実時間リアルタイムではない。これを含め、隠しステータスを発見出来たプレイヤーに送信するようにプログラムされてある』


 確かにタイミングが良すぎる。普通、メッセージを送る際にはタイマーを設置出来ないはずだ。いや、タイマー以前に誰が何時発見出来るかなんて予想出来るはずがない。

 こういうメッセージ送信出来るのは…………メッセージにあるように作成者ゲームマスターしかあり得ないか。


『そういえば、自己紹介がまだだね。私は…………スーシーとでも呼んでくれたまえ。このメッセージを読んでくれてるという事は、側にエラがいると思う。エラは私が作成した…………いや、違うな。こういう場合は…………私の娘………エラは私の娘だ。これが一番しっくりくるな。よし、それではエラを………私の娘を宜しく頼む』


 スーシーと名乗った作成者ゲームマスターからのメッセージはここで終わった。


「エラの本当の意味での親か…………なんか凄いとこからメッセージがきたな」


 おそらく、情報屋のシャーリーでも知らない事だろう。むふふふ、この情報を売ったらいくらになるのか?

 いや、しかし…………敢えて売らない手もある。内緒で隠しステータス付きのアイテムを収集するのも楽しみの一つになるでないか。


「ふむ、どうしようかな?あっ、シャルルにも対応するアイテムがあるんじゃないか?」


 シンデレラのエラに対応するアイテムがあるのだから、赤ずきんのシャルルにも対応するアイテムがあるのではないか?と王子たかしは考えた訳である。


「後で探すとなると…………骨じゃないか。ふむ、シャーリーや皆に話して情報を集めるか」


「うぅん、王子様」


「あっ、起こしちゃった?」


「大丈夫、王子様が近くにいるだけで安心するの」


 ドキッ、エラの円らな瞳と後数㎝でくっつきそうな程近い柔らかそうな唇に王子たかしの理性が一瞬崩壊寸前になった。

 理性が崩壊しなかったのは、エラが直ぐに反対方向へと向いたからである。しかし、それが仇となる事に王子たかしは気付け無かった。

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