三十三話・シンデレラ20
『それで、そちらの殿方が我が主の想い人であるタカちゃん様ですね?』
今、この化心様は何て言った?
我が主がアテナを指してると言う事は、俺の事をアテナ(杏璃)は好意を持ってるって事になるけど、いやいやまさかそんな事は…………無いとは言い切れない。頭の中で一回拒否ってみるが………
今考えてみれば、逆に心当たりがありすぎる。
家に泊まったり、バイト先に来たり、一緒に登校する等々交際しててもおかしくない事柄が数え切れない程行ってきている。
「わあぁぁぁぁぁ、ななななな何言っちゃてるの!」
「にゃるほどにゃるほど、あの噂は本当だったかにゃ」
「う、噂?」
本人からではないが、予想外な突然の告白に王子はドキドキと心臓がさっきからバクバクとうるさい。
「怒れる━━今は清浄な化心だったにゃ。主たるプレイヤーの心を読めてしまうという副作用があるにゃ」
「そんな副作用いらないよ!」
アテナが叫ぶが誰も聞いちゃいない。王子は告白でそれどころではなく。他の皆は「新しいオモチャ見つけた」とか「王子様に告白良いな」等々、アテナと王子以外は円陣を組んで会議をしていた。
「………ドキドキ………」
「………ドキドキ………」
王子とアテナは目を合わせたら、直ぐに頬を真っ赤に染まり、そっぽを向いでしまう。二人とも満更ではない様子であるが、顔をまともに見れなくては、この先思いやられる感じだ。
「……あの二人満更でないみたいだけど、大好きなお兄さんを取られたみたいで妹からは何かないのかい?」
「な、なななな何で私に聞くのかわかりませんが、ににににに兄さんが幸せになるのでしたら、わわわわ私は構いませんが」
メリッサの問いにフローラは明らかに動揺しまくって目が泳いでる。
『我が主、嘘はいけませんよ。本当は羨ましくて仕方がない事を』
フローラの背後に美人な天女の清浄な化心が顕現しており、フローラの本音を暴露していた。前回顕現した時は般若のはずだったが、現在は天女へと変化していた。
うわー、本音を暴露されるなんて怖すぎる。強くなるかもしれないがリスクが高すぎる。
「なっ!私はそんな、そそそそそんな事思ってません!」
『いえいえ、嘘はいけませんよ。大大大好き好きなお兄さんが取られそうで嫌なんでしょ』
「わあぁぁぁぁぁ、何も聞こえません」
嫌々と自分の耳を両手で塞いで地面に伏せってる。本音を暴露されて相当恥ずかしだろう。
まるで、羞恥を主にする拷問のようだ。女性限定の拷問で恥ずかしい覆面を被せ外に立たせるという拷問は実際にあったという。やり方は違うが、それに似てるような感じだ。
『それに━━━』
まだ、あるの!これ以上、私を恥ずかしめないでお願いだから。
『現実では、お兄さんの居ない間にベッドに潜り込んだり、タンスから洋服を出してクンカクンカと━━━』
「いやああぁぁぁぁぁぁぁ」
耳が遠くなったのかな?何かとんでもない事が聞こえてきた気がしたけど、気のせいだのね?そう、きっと気のせいだ。
『嗅いてるのよね』
気のせいじゃなかった!
「兄さん、聞きました?」
「えっ!き、聞いてないよ」
そっぽを向いた。こんな事を聞いて、まともに顔を見れる訳がない。そんな精神の持ち主ではないのだから。
「聞いたんですね。はぁ、知れてしまったのはしょうがないです」
あんなに動揺してたはずなのに、どこか吹っ切れたようだ。だが、この後とんでもない事を言い出した。
「知れたら知れたで、これから大胆に行えます」
えっ!止めると言う選択肢はないの?
「何を言ってるんですか?止める訳ないでしょ」
誰か誰か、ここに変態がいます。警察を呼んで!
「私は変態ではありません…………ド変態です」
一体何言ってるの!俺の妹だけど、何言ってるか分からないよ。
『それで良いのよ。自分の気持ちに素直になれば良いのよ。この世界では年齢に関係なくS○Xや子供を作る事を出来るから存分にやっちゃいなさいな』
うわぁー、この天女さん今すぐ殴りてぇ。
「なっ!なんと、やはり長年の噂は本当なのにゃ。この情報は高く売れるにゃ♪しかも、子供が出来るとは………ニャフフフフ」
「………兄さんの子供」
「………タカちゃんの子供」
「「………王子様の子供」」
メリッサとシャーリー以外、王子の方へギラギラ、と獲物を狙う猛獣かの様に見詰めている。
「あの、天女さん」
『天女って私のこと?』
「はい、わわわわ私も子供を作れますか?」
NPCであるシャルルも子供を作れるかフローラの清浄な化心聞いてみた。
『もちろん、出来ますわよ。あなたも頑張ってね』
「はい、頑張ります」
「はーい、この世界で子供を作るにはどうすれば良いですか?」
何て事聞くの!まぁ、ゲームだからシステム的なやり方なのか?
『それはもちろん♪S○Xするのよ。男の○○○を女の○○○に出し入れするの』
ゲームなのに生々しいよ!ちょっ、みんなして真剣に聞かないで。というか、俺のアソコを何でチラチラと見てるの!