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三十話・シンデレラ17

「おっ、二人共戻って来たよ」


「フローラとシャルル一体どうしたんだ?」


 森の奥から二人が戻って来たが、服装備がボロボロに破かれたというよりは溶かされたと表現した方が良いだろう。局所部以外は、ほとんど隠れてない状態だった。


「ちょっと、モンスターに苦戦しましたのです」


「そのモンスターに、服装備を溶かされて辱しめを受けたのです」


 なにッ!そのモンスターは一体何処だ!ぶっ殺してやる。


「王子様、ご安心を。そのモンスターは二人で倒しましたから」


「本当か!脅されて嘘はついてないんだな」


 自分で言ってて脅すモンスターってどんなだよ。二人が哀れな姿にされて、頭の中が混乱してるみたいだ。


「それよりも、二人共新しい装備に着替えて」


 アテナが、そう言うとフローラとシャルル二人揃ってこう言ったのである。


「「兄さん(王子様)なら、このままでも……むしろ、残ってるところ取っても」」


「……良く聞こえなかったんだけど、もう一度言ってくれるかな?かな?」


「「……だから、兄さん(王子様)なら裸見られても、ノープロブレムと言ったのです」」


 フローラとシャルルが、そう言うとアテナは目と口は笑顔だが、アテナの背後に何かが徐々に大きくなっていく。鬼だ、鬼がいる。


「私なんか耳が遠くなったのかな?かな?もう一回言ってくれると助かるな」


「「いえいえ、何でもありません」」


 ブンブンと首がもげそうな程、振っている。端から見ても怖いもんな。というか、隠しパラメーターに怒りのゲージでもあるのか。多分フローラそうだった様に怒りが貯まったら、キャラ固有の怒りのオーラ?が発言するのか?

 それは分からんが、怖すぎる。怒りを向けられてなくても、背筋が凍えそうだ。


「ほぅ、なるほど……あれがそうですか」


 シャーリーが何か知ってるのか写真を撮りまくっている。写真を撮ってるシャーリーは、生き生きしまくって、まるで別の生き物を見てるみたいだ。


「シャーリー、あれが何なのか知ってるのか?」


「はい♪もちろん、この情報屋シャーリーに知らないものなどありません」


 ドンと自分の胸を叩き誇らしげに自慢する。

 叩いた反動でポヨンと派手に動いたが、王子たかしは見ていない。だって、周囲の目線がチクチク痛いんだもの。

 シャーリーのメインキャラはサブとは違い、メインは背中を大きく開いたミニチャイナドレスでお尻に尻尾を出すための穴が開いている。胸元は谷間が見える程開放的で、それに加え巨乳だ。


 猫耳猫尻尾巨乳ミニチャイナって、どんな凶器なんだよ。男にとって、これ程効果抜群な凶器はなかなかないだろう。

 だから、しょうがないと思うんだ。チクチクと視線が心にダメージを与えるけれど、それでも、チラ……チラと見てしまうのは男の本能だと思うんだ。

 あっ、フローラとシャルルを説教してたアテナがこちら向き、それに合わせて背後の鬼も向いてしまう。

 ヤ、ヤバい。こっちに来る。逃げようとするが、足がガクガクと震え動かない。


「タカちゃん」


「な、何かな?アテナ」


 その笑顔が怖すぎるなんだけど………動け、俺の体よ。


「シャーリーを視線だけで妊娠させようとしたでしょ」


「おい、そんな事出来る訳ねぇだろ」


 予想の斜め上な質問に、ついツッコんだ。おい、シャーリー何体を隠してんだ。余計に勘違いするだろうが。


「敢えて、フローラのセリフを借りて……嘘だ!」


 何が嘘なんだ、訳分からん。なに、証拠があるって!そこまで、あるなら出してみろや。


「その証拠は……」


 アテナがシャーリーに指を指して、こう言った。


「シャーリーが体を隠してる事が何よりの証拠ですよ」


 何処が証拠やねん。そんなの全然証拠じゃないよな。


「まぁ、それは嘘ですが━━━」


 お笑い芸人みたく、王子たかしはズッコケた。


「しかし、シャーリーの体をネットリと見てたのは事実ですよ。この、モチモチな体を隅から隅まで見ていたのは間違いないですよ」


 アテナは背後の鬼を出したまま、シャーリーの背後から両手をワキワキと動かし胸を揉みだした。

 揉めば揉む程、形を変える巨乳━━━この際は、巨乳ならぬ凶乳だ。揉む事によって、更に男にとっては凶悪な兵器となっていく。

 王子たかしは、そんな凶乳から目が外せなくなっていた。ゴクリ、と唾を飲み込みんだ。


「ひゃぁっ!ちょっ、や……止めて」


「うへへへ、良いじゃないですか。女同士なんですからー。減る物でもないしね」


 さらに激しく揉み続け、シャーリーの体が仰け反り痙攣の一歩手前の状態になっていた。


「止めぃ!」


 ガキン━━ブンブンザス


「痛っ、痛いんだけど」


 この状態が続けば王子たかし自身にも目の毒にしかならい。それで、止めようとしたが━━━


「クゥッツゥゥゥ、それはこっちのセリフだ」


 王子たかしのウルフソードがアテナに当たる寸前、硬い何かに弾かれ、ウルフソードは宙を舞い地面に刺さった。

 硬い何かに弾かれた反動で腕が痺れ苦痛の表情をしている。


「ハァハァ、悪い予感が当たってしまったにゃ」


 アテナに胸を揉みくちゃされたシャーリーは、全快になってないが立ち上がれるまでは回復は出来たようだ。


「あれが何か知ってるのか?」


「ハァハァ、それを教える前にアテナ━━いや、アテナ・ハートに襲われたのにゃ」


 アテナ・ハート?某格ゲーに出てくるキャラみたいな名前みたいだな。


「アテナの背後に出現したのが"怒れる化心(アンガー・ハート)"と呼ばれるものにゃ。出現するメカニズムは不明にゃ」


 何でも知ってるんじゃないのか!


「知ってる事は知ってる事だけ。何でもは知らないにゃ」


 

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