一話・プロローグ
最初なのでプロローグです。
童話ヒロインが登場するのは次回になる予定ですので楽しみに
「よっしゃー、やっとの事でアルタイルを手に入ったぞ!」
俺、天童王子は高校一年で、どうしても欲しい物があり、バイトでお金を貯めやっとの事で買ったのである。
バイトのお金で買ったのはゴーグル型の最新VRゲーム機アルタイルである。
そして、やろうとしているゲームソフトは最近注目されているGrimms Word Online、通称GWOで童話や神話等をモチーフのVRMMOである。
GWOが何故注目されているのかと云うと、童話や神話等のキャラを仲間に出来るのだ。後、噂の域は出ないが二つ出回っている話がある。
一つ目は仲間に出来るキャラはNPCではなく、運営会社であるガルディンの社員やバイトで雇われた者が操作していること。
二つ目はそのキャラと性的な行為を出来るということ。だが、サービス開始してから一年近く経つのに一つ目は兎も角、二つ目に関してはやったと話は聞かない。やはり、噂なのだろう。
レベル制ではあるが、自分自身の身体能力も大きく関わってくることも大きいだろう。
俺、天童王子がVRゲーム機アルタイルでの最初のゲームタイトルに選んだのは、童話が大の大好きで例えば、赤ずきんちゃんや不思議の国のアリス等、童話というものは読みつくした感じで、時間がある時やストレス発散の時に読み返したりする程である。
自分自身の部屋にも童話の本だけではなく、DVDやBlu-rayは当たり前でフィギュア、ポスター、ベッドや枕のカバー等々さすがに部屋には置ききれずに両親に頼みこんで、もう一部屋を貸して貰いグッズの倉庫となっている。
「ふふふふっ、待ってろよ。俺の理想郷へいざ行かん」
VRゲーム機アルタイルを頭に装着し、ベッドに横たわると目を瞑ると呟いた。
「プロセス・スタート」
一瞬、目の前が真っ暗になると真っ白な空間に王子はいた。
『ようこそ、Grimms Word Onrine、通称GWOの世界へ。私は案内妖精テールよろしく。ここでは、あなたの分身であるアバターを作成してもらいます。後で変更は出来ないのでご慎重に』
まずは、名前か。何にしようかな?ウーンと考えていると『王子ですね。了解しました』と案内妖精テールの声が響く。
「はぁぁぁー、まだ、何も入力してないんだけど、どういうこと?くそー、その名前だけは。でも、アカウントは一つだけだし変更は無理か」
自分の名前にコンプレックスがあり、この名前のせいで散々イジラレてきたので、変更したいが諦めるしかない。
「くそ、アバターの容姿は....うーん....どれに....」
『容姿選択....25番ですね。了解しました』
またもや、案内妖精テールの声が響いた。
「え、ちょっ!それも俺そっくりだし....本当にどうなってんだ?バグか?」
今度は職種選択で、これは直ぐに決まり案内妖精テールの声がするより早く選択した。選んだのは剣士で、王子の家には道場があり、幼い頃から祖父にみっちりと叩き込まれた。
『これでアバターの作製は終了になりました。世界の中心都市に飛ばされます。ご武運を』
案内妖精テールの説明が終わると白い光に包まれると街らしき風景に変わっていた。おそらく、ここが世界の中心都市なのだろう。
「お、ちゃんと思い通りに動くな。しかし、凄くリアルだな」
技術の進歩に感激していたところに、目の前にウィンドウが表示された。
「えーと、なになにチュートリアルを受けますか?」
イエスorノー
「もちろん、受けるに決まってる。何か貰えるかもだし」
イエスを押す。
『これからチュートリアルを開始します』
王子の目の前に寓話の金の斧に現れる様な女神が現れた。
『ステータスオープンと唱えると自分のステータスが確認出来ます』
「ステータスオープン」
言われた通りに唱えるとウィンドウが出現した。
『ステータス画面でLvや各ステータスの確認、装備の変更、アイテム類の使用保管、お金の管理、ログアウト等の事が全て出来る様になっておりますので、お忘れなきようお願いします』
操作は簡単だが、忘れたら大変だな。ログアウト不能になるからな。
『最後にここ世界の中心都市から様々な世界へ行けます。行った先の世界でNPCの仲間が出来ましたら、本人入れまして5人までパーティーを組めます。
残った仲間はステータス画面で入れ替えられますのでご活用ください。これでチュートリアルを終了致します』
女神は話し終わると消えた。そして、剣士の初心者用武器がプレゼントとして届いた。つうか、他のゲームよりもチュートリアルが雑な気がするが気のせいだろうか。まぁ、終わってしまった事は仕方がない。
最初にどの世界行こうかと悩む王子である。