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十八話・シンデレラ5

 コソッコソ━━━━摺り足差し足忍び足でまずは一軒目の家の庭に忍び込む王子たかし。ササーッと壁に貼り付き中の様子を探る。


『早━━━運━━━この━━━』


『グズ━━━━』


 上手く聞き取れないが誰かいるようだ。そこで、今まで使ってないレベルアップで手に入れたスキルポイントを1ポイントだけ使い"部分強化Lv1"を取得した。


 部分強化とはステータスの他に五感等の中から一つだけを一分間強化し、十分間インターバルがあるスキルである。もちろん、レベルが上がれば使用時間の延長や強化割合等増えていく。


 王子たかしはこの部分強化で聴覚を強化し、再び壁に耳を当て中の声に耳を傾ける。


『このグズノロマ、さっさと片付けないいよ。シンデレラ』


 今度はきちんと一言一句聞こえた。しかも、シンデレラと読んでいる。一発で当たりを引いたようだ。

 早速、ステータスウインドウ内にある地図にシンデレラの家をマーキングをして、分かるようにしておく。

 そっと、壁から離れみんなと合流するとシャルルとフローラも来ていた。


「兄さん、私を置いて行くなんて酷いです」


「そうです。王子様、私を置い行ったのに女風呂を覗きに行くなんて変態です」


「「兄さん(王子様)は変態です」」


 さっきまで喧嘩してたのに、ハモったりして仲良くなったのか?


「おい!この二人に何て説明したんだ。精神的に攻撃してくるのだが」


 メリッサとアテナに詰め寄って聞いた。


「いや、俺はシンデレラの家を探しに行くしか言ってねぇよ。なぁ、聞いてたろ」


「うん、そうだね。それしか言ってないね」


 ジロっとシャルルとフローラの方を向くとテヘペロと可愛く舌を出していた。どうやら、王子たかしをからかっただけで本気で言ってないようだ。いつの間に仲良くなったのか?疑問である。


「このっ、待てー」


 王子たかしは反省してるとは思えないシャルルとフローラとの追いかけっ子を始めた。


「「きゃあー♪」」


 悲鳴というより嬉しさの方が勝ってるようで笑顔で走っている。シャルルとフローラの二人はT字路で二手に別れた。

 フローラの職種は盗賊で俊敏さが売りの職種である。なので、素早さは兎も角にしても入り組んだ地形にも対応出来てしまう。そんな理由から王子たかしとフローラの距離がレベル差が10以上あるにも関わらず、もう追い付けない程離されている。

 落ち付けないと判断した王子たかしはシャルルにターゲットを切り替えた。案の定、シャルルの赤い頭巾は目立ち直ぐに発見出来た。


 シャルルの職種は他のプレイヤーにはない固有職種であるガンマン(とステータスには書かれてるが銃器全般を扱える)は命中率(動体視力)が高く、命中率=攻撃力である。咄嗟の瞬発力はあるが持久力が少なく長時間の戦闘には向かない。


 という訳でシャルルを追いかけてる王子たかしは最初にフローラを追い掛けてしまったロスを取り戻すため、土地勘はないが近道になりそうな裏道を利用し勘は当たっていたようで、シャルルの姿を目に捕らえた。

 シャルルも王子たかしが後ろに迫ってる事を察知したが、持久力がないガンマンであるシャルルと王子たかしとの距離は徐々に縮まりシャルルの腕を掴み数分間の追いかけっこは幕を閉じたのである。


「きゃあー、捕まちゃった♪」


「ハァハァ、捕まちゃった♪じゃない。心にグサッときたんだからな」


 シャルルの襟を捕まれてるのに嫌がってるどころか喜んでる。もしかして・・・・・・シャルルはMなのか?


「さて、フローラは何処に行った?」


「あっ、待って。王子様」


 王子たかしが振り向いた瞬間に押し倒した。振り向く体勢で足の踏ん張りが効かなく、シャルルの腕力でも簡単に倒す事が出来たのである。


「いたたたたっ」

 

 頭を擦りながら上半身を起こそうとすると45°しか起こせなかった。シャルルが馬乗りで乗っており、感覚的にはそんなに重くないのだが、何故か退かせないのだ。まるで、金縛りにもあったかのように。


「うふふふっ、やっと二人きりなれました。王子様」


「何言って・・・周りに他の人がいるだろう?」


「王子様こそ何言ってるですの?()()()()私と王子様の二人しかいませんわ」


 どうにか首を動かす事が出来、周りを見渡したら本当に誰一人居なかった。気配も感じない。


「ねぇ、居ないでしょ。今は二人きりなんだから、しても大丈夫よ」


「な、何をするつもりだい?」


「本当は分かってるくせにー。私の口から言わせる気なの」


 シャルルが王子たかしの胸を人差し指でツーっと上から下になぞると王子たかしはゾクゾクと震えた。


「ひゃぁー」


「可愛いー、女の子みたいな声出して何か癖になっちゃうかも♪」


(Mだけではなく、Sもなのか!女王様赤ずきん......意味わからん)


「うふふふっ、王子様も本当は期待してるでしょ?」


 うっとりとした目で王子たかしの下半身にシャルルの視線が注がれ、シャルルの手が王子たかしの剣士のズボンにを脱がそうとする。

 ふと王子たかしは疑問に思った。装備なのだから脱がせないはずだと......では、シャルルの家で脱がされた事もそうだが今現在脱がさそうになってるのは本来は出来ないはずだ。

 まさか、NPCに装備(着ている物のみ)を脱がすスキルでもあるのか。いやいやまさか無いと信じたい。


 そうこうしてる内に王子たかしの剣士のズボンが少しずれ始めた。

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