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十六話シンデレラ3

「おじさん、リンゴを5個下さいな」


「はいよ・・・ちょうどたね。まいど」


 リンゴを受け取ったエラは家に帰ろうと歩みを進めたところリンゴをま1個落としてしまうがエラは気付かない。


「お嬢さん、リンゴ落としましたよ」


 王子たかしの声に振り向くエラ。


「あ、ありがとうございます。お義母様に怒られるところでした。それで・・・・えーと、王子様?」


 また、このやり取りか・・・まぁ、もう慣れたけど。


「はい、身分を隠して旅をしてるのです」


「まぁ、そうなのですね。失礼しました。私の名前はエラと申します。お使いの途中なのでこれで失礼致します」



 ━━━クエストクリア━━━


 ・クリア報酬:エラの好感度+5


 王子たかしはクリア報酬内容を見ると、これでシンデレラクエストが発生したと思い小さくガッツポーズをした。


「・・・・王子たかし、どういう事?」


「どうやら、シンデレラのクエストが発生したみたいだ」


「えっ!じゃあ、今の人━━━いや、あのNPCがシンデレラか!どんだけ幸運なんだ」


「王子様、凄いです」


「王子様は私以外に女作る気ですか?」


 ジーーーッとこちらを見て問いかけてくる。


「えっ、それはその━━━」


「他に女を作っても私は王子様を信じてます。どこまでもついて行きますから」


「しゃ、シャルル」


「王子様」


「シャルル!」


「王子様♪」


 ガシッと王子たかしとシャルルは抱き合った。周りの目を気にせずに抱き合っている。


「ふはー、王子様とシャルルちゃん大胆だね。逆にこっちが興奮してくるよ」


「兄さん(怒)」


 フローラの後ろに幻なのか鬼の形相な般若が見える。いや、みんなに見えてるので幻ではない。

 この般若を見てニムエがガタガタと体全体が震え、ヘナヘナと腰がぬけて地面に座ってる。

 クールビューティーなメリッサでさえもフローラの般若に目を背けるが腕や肩が震える。

 この原因を作った張本人二人は般若を見た途端に一旦離れるが、ガクガクブルブルと再び抱き合う形で恐怖を二人で共有したのである。


「・・・てい」


「痛いです。何するんですか」


 アテナに頭を叩かれたフローラは痛そうに頭を撫でながら抗議する。何故叩かれたのか分からないでいる。


「みんな怖がってるでしょうが、早く後ろの仕舞いなさい」


「はい?何の事でしょうか?」


「えっ!もしかして、無自覚!」


「何を言ってるのか、私にはわからないですけど・・・兄さん、私の背後に何かいます?」


 えっ!そこで俺に聞く!何て答えよう、選択肢を間違えたら死ぬだろう。そこで王子たかしが選んだのは━━━


「いや、それは━━━━」


「い・な・い・で・す・よ・ね。兄さん♪」


「はい、いないです」


 フローラの圧力に屈した王子たかしにジトーッとシャルルとニムエが冷めた目で見る。

 そんな目で見ないで!お願いだから。


「「王子様、格好悪い」」


 グサッグサッと精神攻撃がくらった様に地面に突っ伏した。よっぽど、ズーンとショックを受けたようだ。


「だって、しょうがないじゃないか。あれはさすがに怖すぎるんだもの」


 涙目を浮かべる王子たかしに対し二人は━━━━


「「・・・・・・王子様、可愛い」」


 ニムエとシャルルの二人は頬を赤く染め目がハートになっている。気持ちに切り替えが早い二人だ。


「ねぇー、あの二人って・・・」


「アテナ、君の言いたい事は分かってる。俺だって会った当初から今まで理解出来ていなのだから」


「「感覚がズレテるよ(な)」」


「兄さん♪」


「「お前もか!」」


 段々、収拾がつかなくなると感じた王子たかしは咳払いをしてみんなを落ち着かせた。


「あぁ、この後は俺の装備を更新したいんだけど、良いかな?まだ、初期のままなんだよね」


「良くその装備でで赤ずきんちゃんを仲間(恋人)に出来たな」


「メリッサさん、私の聞き間違いでしょうか?仲間と言ってるのに恋人と聞こえたんですが・・・」


「・・・気のせい、気のせいだ」


 実際は口で仲間と言ったが心の中では恋人と言った事をフローラに言い当てられてギクッと焦りと冷や汗が背中を伝ったのを感じた。また、般若が出てきたらと思うとゾッとする。


「・・・装備を買うなら・・・ここだ。作成するなら武器や鎧なら鍛冶屋で、服なら裁縫屋だな」


 何もなかったかの様な感じで王子たかしに説明する。早くフローラの般若の事を忘れたいようだ。

 今後、フローラに逆らわないようにしようと、みんなの気持ちが一致した瞬間である。


「そうだな、買うよりも作成した方が強そうだな」


 王子たかしはプレイヤーが経営してる裁縫屋に入った。


「いらっしゃい。何にしましょ?」


「そうだな、初心者なんでこれなら何を作れますか?」


 王子たかしはイベントリから赤ずきんの話世界ストーリーワールドで手に入れたオオカミの毛皮を出して聞いた。


「おや、もしかして赤ずきんに行きました?」


「はい?そうですが━━━」


「おぉ、あなたが噂の王子様かい」


「えっ!俺って有名なんですか?」


「あぁ、最近赤ずきんを仲間にした実力がある初心者(ルーキー)がいるって、名前は王子で間違いないだろう」


「俺の事ですね。それにしても情報広がるの早すぎませんか」


「おや、掲示板を見てないのかな?君のスレが立ち上がって盛り上がってるよ。ここに居るということは、次はシンデレラを狙うつもりかな?王子様」


 まじか!掲示板でそんな事になっていたなんて知らなかったな。次からは掲示板を確認しようと思った。


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