~逃避~
どうも!コトネです!
今回は2話一気に挙げてみました!
いや、この為に時間がかかってしまって…という言い訳はともかく!
では、どうぞ!(笑)
しとど降る雨の中、泣いていた。
しとど降る雨の音に、その泣き声とも、叫び声とも、呻き声とも判別つかないような声は、掻き消え、吸い込まれていった。
ただただ、明るくもないどんよりとした空を仰ぎ、大口開けて、まるで降り注ぐ雨をがぶ飲みするかの如く、雨の降る中、泣き叫んでいた。
赤子のように泣き叫ぶ彼のそばには、何かが倒れていた。
何が起きたんだろう。
訳が分からない。
俺は何をしたんだ。
俺は、俺は、…。
後ろから声を掛けられた。俺の名前を知っていた。俺を知っているからこそ、俺に声を掛けてきたんだ。俺を知っているということは、俺らを狙っている奴らの一味ってことだ。
無視した。声を掛けられたけど、危ない奴らだってことに気づいたから。それでもしつこく付き纏われ、俺は逃げた。あいつも追ってきた。
ほらな。やっぱり狙っている奴らだったんだ。
でも、そりゃ、体格差とかあるから追いつかれてしまった。無理矢理にでも抑え込もうとしてきたから、必死に抵抗した。
その時…何かが光った。
気づいたら、大雨が降り注いでいて、俺のそばにはそいつが倒れていた…。
なんなんだ。俺が何かしてしまったのか?
訳が分からなさすぎて、何故かとても悲しくなって、泣いていた。大声上げて泣いていた。
ひとしきり泣いた後、冷静になった。
そいつが生きていて、意識を取り戻されても俺は困るし、死んでいても困る。
だから、俺は逃げた。
そいつを残して、俺は、まだ降り続く雨の中、闇に姿を消していった。
いつだったか、いや、いつだって、必ず助けていた奴がいた。俺が勝手に助けたと思っているだけかも知んねぇけど、あいつは決まって泣いていたし、困っていた。
だから、前に立って、俺が守ってやっていた。
あいつはいつもこんな気持ちだったのか?
こんなに、自分に出来ることが何も無くて、逃げることしか出来なくて…泣くことしか出来なくて…。
いや、あいつは泣いていても、逃げてはいなかった。
立ち向かってはいなかったけど、その痛さから、辛さから、悲しさから、逃げてはいなかった。
それに比べたら、今の俺はどうだろう?
逃げている。泣いて、逃げている。
「かっこわりぃ…。」
それでも、やっぱり、俺は。
逃げることしか出来なかったんだ。
読んでいただきありがとうございました!
1挙2話という事でしたが、いかがでしたか?
あまり、読む方側からすれば、あまり変わらない…てことにも…。
でも!ちょっとチャレンジしてみました!
その点など、色々とコメントしたい事があれば、遠慮なくください( *・ω・)*_ _))ペコリン
ではでは〜!




