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『ヒカルトキ』  作者: コトネ
4/4

~逃避~

どうも!コトネです!

今回は2話一気に挙げてみました!


いや、この為に時間がかかってしまって…という言い訳はともかく!

では、どうぞ!(笑)

しとど降る雨の中、泣いていた。

しとど降る雨の音に、その泣き声とも、叫び声とも、呻き声とも判別つかないような声は、掻き消え、吸い込まれていった。


ただただ、明るくもないどんよりとした空を仰ぎ、大口開けて、まるで降り注ぐ雨をがぶ飲みするかの如く、雨の降る中、泣き叫んでいた。


赤子のように泣き叫ぶ彼のそばには、何かが倒れていた。


何が起きたんだろう。


訳が分からない。


俺は何をしたんだ。


俺は、俺は、…。




後ろから声を掛けられた。俺の名前を知っていた。俺を知っているからこそ、俺に声を掛けてきたんだ。俺を知っているということは、俺らを狙っている奴らの一味ってことだ。

無視した。声を掛けられたけど、危ない奴らだってことに気づいたから。それでもしつこく付き纏われ、俺は逃げた。あいつも追ってきた。

ほらな。やっぱり狙っている奴らだったんだ。


でも、そりゃ、体格差とかあるから追いつかれてしまった。無理矢理にでも抑え込もうとしてきたから、必死に抵抗した。

その時…何かが光った。



気づいたら、大雨が降り注いでいて、俺のそばにはそいつが倒れていた…。


なんなんだ。俺が何かしてしまったのか?



訳が分からなさすぎて、何故かとても悲しくなって、泣いていた。大声上げて泣いていた。




ひとしきり泣いた後、冷静になった。

そいつが生きていて、意識を取り戻されても俺は困るし、死んでいても困る。


だから、俺は逃げた。

そいつを残して、俺は、まだ降り続く雨の中、闇に姿を消していった。




いつだったか、いや、いつだって、必ず助けていた奴がいた。俺が勝手に助けたと思っているだけかも知んねぇけど、あいつは決まって泣いていたし、困っていた。

だから、前に立って、俺が守ってやっていた。


あいつはいつもこんな気持ちだったのか?


こんなに、自分に出来ることが何も無くて、逃げることしか出来なくて…泣くことしか出来なくて…。


いや、あいつは泣いていても、逃げてはいなかった。

立ち向かってはいなかったけど、その痛さから、辛さから、悲しさから、逃げてはいなかった。

それに比べたら、今の俺はどうだろう?

逃げている。泣いて、逃げている。


「かっこわりぃ…。」



それでも、やっぱり、俺は。


逃げることしか出来なかったんだ。

読んでいただきありがとうございました!


1挙2話という事でしたが、いかがでしたか?

あまり、読む方側からすれば、あまり変わらない…てことにも…。

でも!ちょっとチャレンジしてみました!


その点など、色々とコメントしたい事があれば、遠慮なくください( *・ω・)*_ _))ペコリン

ではでは〜!

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