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死んだ幼馴染がサキュバスになって帰ってきたけど正直この形は望んでなかった。

作者: 赤柴紫織子

 死んだ彼女の話をしよう。

 俺の幼馴染は身体が弱くてしょっちゅう入退院を繰り返していた。

白い病室が人生の大半を占めていた。彼女と言ったら白を連想するぐらいに。

 俺が見舞いに行くたびにそこで儚げにほほ笑む彼女が未だにまなうらに浮かぶ。


 好きだったのかと聞かれると――どうだったのだろう。

 多分俺たちを結んでいたのはそんな簡単な感情ではなかったと思う。


 心配、不安、嫉妬、歓喜、諦観…

 さまざまなものが絡み合って出来たものが愛と言うのならば、そうなのかもしれない。


 病に身体は耐え切れず、秋の終わりと共に彼女は死んだ。

 俺は泣くことが出来ず茫然と葬式を見ていた。

 線香がけぶる中で見たその顔は柔らかで、最後の別れではたくさんの花と涙の中でかすかに笑んでいるように見えて、やがて白い骨だけになり、石の箱の中に納められた。

 すべてが終わり気がつくともう世界は春を迎えていた。



 後悔だらけの人生だ。

 一緒にショッピング行ったり、映画を見たり、遊園地に行ったり。

 ただ共に散歩するだけでもいい。図鑑を読みこんでいた彼女に道端に生えた花や飛ぶ鳥を教えてもらいたかった。

 隣で、風を感じて、地を踏みしめて。来たるべき明日に歩いて行きたかった。

 そんな普通のことを、望んでいた。


 病気の彼女にはとても望めないだろうけど、でも思うだけならいいじゃないか。

 穏やかに笑っていた彼女。

 そんな彼女は、

















 サキュバスになって俺に迫っている。

















「あ、回想終わった? そんなわけで、セックスしよう」


「やめろ!! 開始早々そんなこといって運営から警告(メール)が来たらどうするんだ!!」


「大丈夫! なんてったってR15ってつけているからね!」


「つけていたとして年齢偽装して14歳が見ているかもしれないだろ!」


「さすが当時16歳のくせしてアマゾンで『18歳以上ですか?』の確認欄にYESを押した男の発想だ!」


「どこでそんなことを…!?」


「人の趣味に口出しはしたくないけど正直JK昏睡系は無いと思う」


「おいやめろ」


「やっぱさ、愛のあるセックスがいいよ。そうだよ。そして私たちには愛がある。ヤるしかないよ」


「その指のジェスチャーやめろ! あとノクターンでやれ!! ここは全年齢対象(一応)だ!」


「ええっ、なんか小説家になろう本サイトに比べてどこか寂しい印象を受けるページのノクターンに!?」


「やめてやれよ! そんなこと言ってるとマジでアカBANされるだろうが!」


「ミッドナイトもそんな感じがする」


「ムーンライトはかわいいだろうが」


「まああんまり公式ほど力は入れてないよね…やはりエロに人権はないのだろうか」


「年齢制限とかあるから…。いやというかそんなところにケチつけるといよいよもって分からないぞ、お叱りチキンレース」


「ダイジョブだって、忙しい運営がこんな末端の短編まで見るはずないし寛大だからいちいちそんなことはしないよ」


「見つけるんじゃなくて見つかるという可能性があるんだって!! 通報されたらどうするんだよ!」


「ダイジョブだって、多分私の初っ端のセリフでブラウザバックしてるか、この会話形式にうんざりしてやっぱりブラウザバックだよ」


「そういうもんか…」


「それに著作権に触れることはなんにもしてないから。いや〜一時期の削除ラッシュは怖かったね。バックといえば、バックからもいいね」


「うるせえ! 流れるようにセクハラ仕掛けるな! 股間を触るな!」


「ふふふ上の口は嫌がってても下の口は正直だぞぉ」


「幼馴染がサキュバス化したあげくモブおじさんみたいなこといってるー! やだー!」


「イヤーッ!」


「グワーッ!」


「ドーモ、性欲スレイヤーです」


「殺すのかよ」


「落ち着いて。私はただあなたと合体したいだけ…」


「お茶の間が凍るからやめろ! 一億とうん千年前から気まずいCMだろそれ!」


「すまないねぇ! 長い入院生活で耳年増になってしまったんだよぉ!!」


「どうしてこうなった! どうしてこうなった! あの大和撫子のお前はどこに行った!」


「ここにいるよ」


「黒レースのブラとパンツ、最初っから♡のついてる瞳、あと尻尾と角! もうおもいっきり淫乱サキュバスじゃないか! 秋に消えた幼馴染が! 日焼けの痕は消えたのか!」


「外見説明ありがとう。まあ、人には二面性があるんだよ」


「ありすぎだろうが!」


「もしかしたら総理大臣だって裏ではSMサロン常連客かもしれないでしょ!? 人を上澄み液だけで判断しちゃだめだよ!」


「あらぬ方向に喧嘩を吹っ掛けるのはやめろ!」


「まあ別に私からエロ知識を吸収しようとしたわけではないんだよね」


「そうなのか」


「病室のお姉さんとかが親切に色々教えてくれた」


「うおおおおなんだそれ微妙に羨ましいシチュエーションだなオイ!」


「あなたの趣味は本当に底なし沼だね…」


「ゆりかごから墓場までオールオッケー」


「イギリスの社会保障制度が唸りを上げる――!」


「というかこれどう収拾付けるんだ」


「セックスして終りでいいんじゃない?」


「よくない。ノクターン行け」


「不満が垂れるんじゃない?」


「エロのためなら年齢制限も掻い潜れ、それが男ってもんだろう」


「言うねぇ」


「人生の先輩としてな……いいからお前はいい加減俺の上からどけ」


「サキュバスだからすることはしないと」


「そういう義務感いらないから! 日本人気質のあるサキュバスってなんか嫌だ!」


「お国柄というか。アメリカサキュバスは出会って五秒で結合してる」


「アメリカまで風評被害の的にするのやめて」


「はい、じゃあアブノーマルプレイいっぱいしちゃおうね~。ママでちゅよ~」


「抗えない……!! バブバブー!! ママーッおっぱいのみたいー!!」




終り


なんだこれ

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