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カジロウは目の前の女を睨みつけてたが、快楽で動けなかった。

「あらん?不思議ねぇ〜、脳髄を胃にぶち撒けたってのに、やらかくて我慢強い子なのねぇ〜……もうやめてよね……また入りたくなっちゃうわぁ」


女はニヤリと笑いながらこちらを見ている。


内ポケットの骨達が常にヒールをかけている為、既に傷は殆ど完治したが誤算だった……チェンジングの効果によって痛みが快楽に変換されたのは良いが、効果が強烈過ぎてショックで失禁してしまった。

犯罪者を拷問した時は足りないぐらいだったんだが……異世界人基準の分量投与するのはまずかったな……

『中和剤30g投与!』

骨は再びカジロウに薬を打ち込んだ。


「ところで……どう死にたい?」

「貴方に私を殺せるなら……殺してみてほしいわぁ」


カジロウのその言葉と同時に骨兵達は槍で女を刺した。

「せっかちなのねぇ〜、ふふふ……でもこれは意味ないわよねぇ」

女は槍を体内でかき混ぜ、全て溶かしていく。


物理攻撃は……無理か……

『連戦になる!ミサイル発射準備!』

メグロ国の研究所では骨達は慌しく働いていた。


カジロウは銃を乱射し、炎の弾丸が液体女に炸裂したが、全て消化された。


「火力が足りないわよぉ〜」

液体女は体を伸ばしてカジロウに突進する。

『死守!3点シールド展開!』

液体は護衛隊長の光盾に弾かれる。


「邪魔ねぇ〜……開けなさいよぉ!」


『隙間を開けろ!』

隙間に入ろうとした女に氷のマガジンを装填した銃を向け、乱射する。

「こんな小手先の手しかできないのぉ?もう飽きてきちゃうわよぉ〜」

女は避ける素振りすら見せずにシールドをなぞり、隙間を探している。


「みぃ〜っけ」

女は隙間を見つけると手を滑り込ませて無理やりこじ開けようとする。


『射撃開始!』

骨兵達は塩で作った弾丸を液体女に向けて撃ち鳴らした。


「無駄よぉ〜、痛く無いしぃ〜」

液体女はシールドを無理やりこじ開け、手を槍のように変化させ、カジロウを貫いた。


カジロウはお腹に伝わる心地良さにブルッとして液体女に命乞いした。

「やめてちょ」


「……いつまで我慢できるのかしらぁ!」

液体女は腕を鞭のようにしてカジロウを叩き続けたが、カジロウの体は傷付けたそばから完治していく。

「やめてちょ〜」

「なんなんよ!あなたぁ!」


液体女は鞭でカジロウを巻き、締め上げていく。

カジロウの骨はポキポキ折れて液体女はニヤリとするが、カジロウの涼しい顔に激怒してより締め上げる。

「自分よりしぶとい奴は初めてかなぁ?まぁ君にはこれが限界だろうねぇ〜」

「絶対!ぶっ潰してやるわぁ!」


……予想通りなら……次はあれが来るな……

『ラブネクロ!』

カジロウの内ポケットの骨兵半数がアンダジー液とダジマリー液を持った骨兵と交代していく。


骨が折れてもニヤニヤするカジロウを離し、液体女は肥大化していく。

『3点シールド』

「そんな盾!意味ないわぁ!これで終わりよぉ!」


肥大化した体で盾ごとカジロウを包み込み、カジロウの皮膚を急速に溶かしていく。


「ヒャハハハ!ねぇ?終わりでしょう?」


カジロウは身体中からアンダジー液を垂れ流しながら液体女の体内を泳ぎ回り強酸性から弱酸性に変化させていく。


「お前、スライム系のモンスターだろ?」

「あんな薄汚い種族と一緒にするなぁ!」


液体の身体を持つ種族はそこまで多くはない、水の精霊系、泥系、ナメクジ系、スライム系がその殆どを占める。

先の戦闘で可能性を潰し、九割がたスライム系なのは判明していた。

スライム系の種族はもう研究に研究を重ねている……恐らく彼らよりその身体の性質について詳しいだろう。


「何故だ!何故溶けない!お前なんかぁ〜出ていけぇ!」

液体女はカジロウを吐き出し、地面に叩きつけて自分の体を見つめていた。

「なんなのよぉ〜どうしちゃったのぉ!」


「全部撃て!」

液体女を取り囲んだ骨兵は銃弾を乱射した。


「まぁいいわ!そんなの無駄よぉ〜!」

骨兵の銃弾は液体女の体内にカジロウが落としてきたダジマリー液を入れた瓶を叩き割っていく。


「えぇ?え?」

瓶から染み出した液体は液体を白く凝固化させていき液体女の身体はみるみる縮んで行った。


「何?」

カジロウは不安に歪む女の顔面にパンチを食わらせた。


「あっ!ギャアアアア!なに!これ!えっ!」

女は仰向けに倒れ、顔を押さえて放心していた。


「君たちスライムは皆その態度だね……ようこそ!弱者の世界へ!」

カジロウは馬乗りになり、むしゃくしゃした時に殴る枕の扱いと同じく、液体をメタメタに殴っていく……カジロウが降りた後も液体は顔を歪ませてその初めて感じる痛みに戸惑いと恐怖を感じて動けないでいた。


『カジロウ様……そろそろ……』

疲れたぁ〜……初撃の気は済んだからもういいか……


「はぁはぁ……ああ、先に謝っておくね……約束を破るよ?いいね?」

「あ?……約束だぁ?」


『カジロウ様……』

『そんなに急くな……骨医者……』

「君は殺さない事にした……さっきの言動から察するに君には辛いだろうね」


スライムを骨兵が掴んで押さえる。

「離せぇ!」

『ラブネクロ!』


スライムは骨兵と共にメグロ国の研究所へ送られた。


ーーーーーメグロ国、研究所

スライムは移送されるとすぐに鎖に繋がれ、肉を切り取られ、骨兵達に囲まれた。


「なんなのよぉ〜!離せぇ!」

一際大きい骨兵は語りだす。


「御機嫌ようお嬢さん……先程…肉片で調べましたが、やはりあなたは何万に一つの個体です!」

「何の話ぃ?殺るなら一思いに殺れぇ!」


骨兵はスライムに顔を近づけ笑う。

「はっはっはっはぁ!そんな事しませんよ!」


「何が目的だ!」

「いやね……貴女のその身体でメグロ国に貢献してもらおうと思いましてね……」

「貴様らぁ!」

スライムは胸を隠したのを見て骨医者はさらに笑う。


「いや失礼、説明をせずに事を急いでしまいましたなぁ……スラ万能細胞と言う言葉をご存知ですか?」

「スラ万能細胞ぅ?」

「スライム族様方は情報を与えれば目になり、鼻になり、口になり、そして胃にもなる!そんな素晴らしい細胞をお持ちなんですよ」


「何を言っているぅ?」

「……まぁ見てもらった方が早いでしょう……」


白衣を着た骨兵が台車を引いて部屋に入ってきた。

台車には布が掛けられた何かが乗っている。

「これをご覧ください」

骨医者が布を取り去り、台に置かれた瓶の中には卵のような物が入っていた。

その卵が裂け、中からヘドロのような液体が流れ出て、液体はスライム女を見るとガラスの壁を叩いて声を出した。

「みゃ〜ぢゃ〜」

「何だぁ!この下等なスライムはぁ!」


「これは超ニトロスライムと言う、現存する中で圧倒的にエネルギー効率の良い材料なのです……ああ、ちなみにこの子が生まれてきた子宮は先程採取した貴女の肉片から作りました……」


「な……」

「理解して頂けたようですね……それでは始めましょう!」

注射器を持った骨兵がスライムに近寄って行く。


「や……他のスライムを……」

「残念ですが……この超ニトロスライムは著しく細胞にダメージを与えてしまい、普通のスライムでは繁殖することはできません、貴女のように強靭な細胞でなくては……とてもとてもぉ……さぁ力を抜いて……」


「やめろぉー!……ああ、貪王様……」

スライムは押さえつけられ、薬で無理やり体を肥大化させられた後、身体中に子宮を作らされ、子供達はすり潰されエネルギーに変えられていく。


ーーーーー数年後


《ねぇ……貴方だあれぇ?》

《ゲヒヒヒヒ!お前の家族はみんな食っちまったぞぉ?》

《そう……みんないつか死ぬものね……あまり興味無いわぁ……》

《……お前、オデについて来るが?》

《そうしようかしらぁ》

《……お前、死にたくなっだらいづでも言え?オデの腹はナニデモぐっだるがらな》

《楽しみねぇ〜》


スライムの虚ろな目が見開かれる。

「あっ!あっ!!あがぁ!むざぼりざまぁ〜」

「おい!まただよ……やんなっちゃうぜぇ〜」

「だな!早くやめて〜よ!こんな臭い仕事!……俺に骨兵を買える金があればなぁ!」

掃除夫達はスライムがビチャビチャと垂らした唾液や乳液をモップでふき取る。


拭き終わると掃除夫達は何時ものようにモップの柄に顎を乗せ、椅子に座り交代の時を待つ。

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