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カジロウ達はメグロ城下町へと向かう、
商人から情報を受けてカジロウは思わず、
笑ってしまった…メグロ城下町の位置は地図上も目黒区の中に当たる、
今までいたのも目黒区の端だった様だ。
この地域を納めている貴族の名らしい。
馬車を走らせ、城門に着いた頃には明け方になっていた。
馬車には団長の死体が積まれている。
血抜きをしたので匂いはそれほどではないが、城下町に入る時の検問でみつかれば大事になり、たちまちカジロウは犯罪人になるだろう。
しかし商人の知識を得たカジロウにとってはなんの問題もなかった。
カジロウは先頭の馬車の手綱を引き。
背後の馬車は小隊長がブーツ、ローブ、手袋を着て手綱を引いている。
残りの骨達は全部馬車の中だ。
城門に到着し、城門から少し離れたところで兵士に促され、カジロウは馬車を止めて降りる。
兵士は後続の馬車に怒鳴る。
兵士「おい!お前!馬車から降りて顔を見せろ!」
馬車の従者は降りようとしない事に兵士は苛立った。
続々と詰所から10人の兵士達がカジロウに向かってくる。
兵士隊長「よし!見える所にいろ!お前達は中身を確認だ!」
兵士「はい!」
カジロウは両手を挙げて隊長の元へ歩き出した。
兵士隊長「なんだ!止まれ!」
カジロウ「ロイヤリティーワイン《忠誠を葡萄酒に》」
兵士隊長達は槍の構えを解き、カジロウを迎える。
カジロウは兵士隊長に近付いて握手をしながら300枚の金貨が入った皮袋を握らせた。
カジロウ「隊長さん……お疲れでしょう……これで体を労ってください……」
兵士隊長「……」
中身を確認した兵士隊長は貴族の太っ腹に驚き、
兵士達に合図を送って馬車の車輪をトントン叩いた。
兵士隊長「よし!事故の心配ないな!」
兵士「はい!異常ありません!」
カジロウ「ご苦労様です」
カジロウを乗せた馬車は城下町に入って行く。
それを兵士隊長達は敬礼で歓迎している。
ーーーーーーーーメグロ城下町
『美女飲み』で働く女性は家路に着いていた。
まったく…今日は大量に指名が来て儲けるはずが、商人《デブ親父》は約束を守らなかった。
女性「ああ〜クソ!」
悪態を吐く女性の横を馬車が通り過ぎ、1人の男性が降りてこちらに向かってくる。
女性はスーツ姿を見て、何処ぞの貴族だと判断した。
顔が整っているが、鼻が低く色が少し黄色い。
確かネリマという地域には刀鍛冶が得意で、肌が黄色い人種がいる事を店に来る客から聞いた事があった。
貴族は女性に話しかけた。
「こんにちはお嬢さん、失礼ですが、貴女が商人さんの愛人でしょうか?」
「あっ、いや、愛人と言うほどでは……ただの客ですから……」
女性は胸を張り、貴族に強調した。
「そうですか、彼は今朝、死にましてね……」
「ああ……そうなんですか……」
女性は興味なさげに答えた。
「泣かないんですね……彼が既婚者だった事はご存知でしたか?」
「客ですよ?……恋愛感情ありませんから……デブで金だけが取り柄の男ですよ……既婚者?えぇえぇ知ってますよ?彼女には華がないから私のところへ来たんでしょうね!話がそれだけなら行きますから!」
クソ!金ヅルを失った!
女性は怒り、足早に去ろうとするが貴族の一言に振り返った。
「そうですか……宝箱と共にあった遺言書に愛する人へ……と書いてあったのです……奥様の事でしたか……」
「なんだと!私だ!私の金だ!」
貴族は馬車の中を人骨模型が両側に飾られ、中央には二つの箱がある。
女性は馬車に飛び乗り箱の前に行った瞬間、脚にトラバサミのような骨罠が深々と刺さって叫び声をあげそうになったが、スケルトンに猿轡をされてしまった。
「くだらない話だが……商人は本気だったみたいですよ」
「がぁぁ!ごへんなさい!ごへんなさい!……ゆるひて……ねぇ?……グピッ」
女性は泣きながらカジロウに赦しを請うが、女性の存在は不愉快極まりない……カジロウは許さなかった。
「貴女の死をもって許しましょう……」
骨兵を一体増やし、馬車は走り出す。
彼女が店に出勤する事も
帰宅する事も二度となかった。
ーーーーーーーー商人の店
妻は帰らない夫を心配しつつ、開店準備を始めていた。
床の拭き掃除をしていると誰かが尋ねてきた。
妻は不安を抱えながら出るとカジロウが立っていた。
「突然訪ねた無礼をお許し下さい」
「夫は!夫は無事なんでしょうかぁぉぁ!」
奥さんは泣き崩れ、子供はカジロウを睨み付ける。
カジロウは奥さんの様子を確認した後、紙を手渡す。
「残念ですが……これが遺言書です」
「ああ…!あなた、なぜぇ!」
遺言書の内容は
ヘソクリの場所と
店の権利書はカジロウに買い取って貰うように指示、
私が死んだ場合は子供達まで狙われる可能性がある為、
自分の実家でひっそりと暮らす様に指示してあった。
妻は紙を濡らしながら何度も確認したが、
それは確かに夫の字であった。
半ば放心状態のまま言いつけを守り、
ヘソクリ2000金貨とカジロウから500金貨を受け取り、
店をそのままに、子供達と街を後にした。
彼女は本当に愛していたのだろう……
だが、知らない方が良い事の方が多い……
あの金額なら生きるに苦労はしないだろう。
ーーーーーーーーーーーー拠点
メグロ城下町の雑貨店
ーーーーーーーー死体
アスパライ団長
ーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー戦力
小隊長 4
小隊長 1(商人)
骨兵 35
骨犬2
ーーーーーーーーーーーー本
骨兵 召喚 9p
効果時間:永久
説明:人や動物の骸を生贄に人型の骨を召喚する。
骨犬 召喚 29p
効果時間:永久
説明:人や動物の骸を生贄に犬型の骨を召喚する。
骨小隊長 召喚 99p
効果時間:永久
説明:骨兵と骸一体を生贄に
人型の骨を召喚する
10体まで骨兵を統率する
その知識は骸側の物を引き継ぐ
トイドール 5p
効果時間:任意
説明:召喚した骨系兵士を1/10サイズに変換する。
骨罠 召喚 5p
効果時間:3時間
説明:動物に噛み付く罠を地面に設置する。
ゾンビ化 100p
効果時間:3日
説明:死体を生きた物に対して、無差別に噛み付き仲間を増やすゾンビに変身させる。
スケルトンエコ パッシブ
効果時間:永久
説明:骨系魔法の消費ポイントを1p下げる
魔力上昇1 パッシブ
効果時間:永久
説明:マジックポイントの回復量を20上げる
現在のマジックポイント7/107
EXP 25/27
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