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さて……どんな話なのかな?

カジロウが馬車を走らせて城に近づいて行く。

メグロ城の門にロビンスが腕を組みながら立って待っていた。

「やあやあ、ロビンスこんにちは……」

「カジロウ殿……ご苦労様です……その者達も一緒に?」

ロビンスはカジロウと共に馬車から降りた護衛隊長を指差した。


「……そう考えておりますが?」

「無礼とは思いますが、武装解除をお願いします……おい!衛兵!」

「はっ!……すみませんね〜、カジロウ様……」

まだまだ信頼が足りないな……

カジロウは素直に武装解除し、衛兵に渡した。


「む?カジロウ殿……その折れた剣は?」

ロビンスは衛兵がカジロウから受け取った折れた剣を不思議がる。


「ああ……これですか?ダンジョンで入手した、折れた魔剣なのですが、まだ魔力を失っておらず、重さも丁度良かったので何時も携帯してます」


……折れてない剣は俺には重すぎる……まぁどっちにしても敵と斬り合うなんて事、絶対にしないけど……

最初こそ何も起こらなかったが、今ではファイアーボルト並みの魔法は出せるからな……


カジロウは魔法学校に通うパエリに魔法の精神修行の方法の話を聞いて試していた。


魔力を練り込む方法は残念ながら理解出来なかった為に魔剣任せだが、イメージ修行は理解出来た。


カジロウは必死に何度も骨達に作らせた矢を放り投げてイメージを磨いた……何度も何度も筋肉痛になりながら5ヶ月間、毎日投げ続けたが、【ファイアーボルト】が出る事はなかった。


ブチ切れたカジロウは投げていた矢を拾って墓石を何度も叩いてへし折り、捨てた。


息を切らせながら諦めかけた時、折れた矢を見て気が付いた。


そうだ!ダーツのイメージだ!


こうしてカジロウは飛距離が短く、弧を描いて飛ぶ【ファイアーダーツ】を習得した。


転がるファイアーボールもボウリング玉をイメージして完璧なフォームで投球したら直ぐに使えたが……目撃したゼスタや参拝者達に大笑いされたし、地面に威力が分散されるので封印した。


「ほう……ちょっとだけ、触ってみても?」

「どうぞ?」


ロビンスは魔剣を手に取り、少し刃を眺めた後に剣に熱を滾らせた。

魔剣は熱せられて赤く光っている。


かっけぇな……ふん!……こうやってファンタジーの住人はいつも、俺よりアイテムを使いこなしやがる!

ぴょんぴょん跳ねたり飛んだり切ったりよ!


……まぁいい、腕を見せて貰おうじゃない!


「ちょっと試し斬りしてみます?」

カジロウは護衛隊長に盾を持たせて立たせた。


「では……ふんっ!【溶断剣】!」

風を切り、さらに光を増した魔剣を受けた盾は赤く焼け、練り飴の様に切断され、隊長の腕と共に落ちてしまった。


「ああ……やり過ぎました!申し訳ない!……弁償します!」


こいつ……今ので何割だ?……

「いえいえ……いいのですよ、今ので何割ぐらいの力を込めたんですか?」


「今ので6割って所でしょうか?……」

「ほう?……ではもう一度……」


『よし!次は腕輪を使って試してみるぞ』

『了解』


「いえ!カジロウ殿!そんなにムキにならないでください!」

「え?いや……そういう事ではなくて……」


「二人共……何をやっているのですか?お父様が王座の間でお怒りですよ?」

王女フランソワは自室の窓から、門でモタモタしている二人に声をかけた。


「では……そういう事で……」

ロビンスは魔剣より真っ赤な顔して、魔剣を衛兵に渡した。


「そうですね……行きましょう……」

カジロウは護衛隊長4人と共にロビンスに案内の元で王座の間に入室した。


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